こんにちは、揖保川でのアマゴ釣りが大好きなAngler Ogiです。
様々なエサを使用する渓流釣りでは、エサによってアワセ方を変えるなどの工夫をすることにより、釣果が飛躍的に伸びます。
また、多数の種類があるアマゴ用の針を色々と試してみた結果、フッキング率も大幅に上昇しました!
前編のポイント選び/流し方編に引き続き、今回の記事では、エサとアワセ方・アマゴ用の針について、徹底的に考察していきます!
前編をまだ読んでないよ!という方はこちら!
↓【今回の記事はこんな内容です】↓
- アマゴ釣りで使用する各エサに注目!
- エサによるアワセ方の違いはあるのか!?検証結果をまとめました。
- 数多ある渓流釣り専用針、私が「使いやすい」と思う針をご紹介!
渓流釣りで使用するエサについて
様々なエサを使用するアマゴ釣り。
水生昆虫から陸上に棲息する昆虫まで、他の釣りでは類を見ないほど、アマゴ釣りはエサの種類が豊富です。
2020年3月の1カ月間は、
- 自作塩イクラ
- ヒラタ(幼虫)・ヒラタカゲロウ(成虫)
- キンパクの仲間(黄色・赤茶色など)
- オニチョロ(小)・クロカワムシ
- スナムシ
解禁直後のイクラから始まり、上記の様に様々なエサを試してみました。
この他、昨年まではブドウムシをサブに使用したり、極まれに採集できたミミズ(キジ)を使用しています。
2020年9月追記
2020年の5月末・8月末の釣行ではブドウムシやキジをメインとして使用し、8月末に好釣果を得ています。
自作塩イクラ
様々なエサを使用してみた結果ですが、(毎年のことながら)解禁直後はイクラの独壇場!
臭いが強い上に栄養価が高いためか、解禁当初のアマゴは狂ったようにイクラにヒット。
まさに抜群の効果を発揮します。

昨年の秋に塩イクラを自作し冷凍庫に保存、流水で塩を洗い流してから解凍して使用してみましたが、特に問題ありません。
私は1回の釣行で40~50グラム程度使用しています。
しかし毎年のことながら、3月半ばを過ぎた辺りから、イクラへの反応が極端に悪くなりました。
これは多くの釣り師が(普段アマゴ達が食べていない)イクラを使用したことにより、スレてしまった事が大きな原因だと考えられます。
やはりイクラは解禁当初と、追加の成魚放流が行われる頃に使用するのが最適ですね。
キンパクの仲間
イクラフィーバーが終わった後は、安定のヒラタ&キンパク。
普段からアマゴが主食として食べている川虫です。
アマゴ釣りと言えばこの二種と言われるほど、本当によく釣れる川虫として多くの方が愛用しているのではないでしょうか。
ただ、釣り師にキンパクと呼ばれるカワゲラの幼虫は、実はとんでもなく多くの種類が存在する昆虫。
当然、一口にキンパクと言っても実に様々な見た目のキンパクがおり(どれもよく似ています)、種によって全く食いが違うのです。
一般的にキンパクと呼ばれるのは黄色みが強く、かつ若干青みがかった色合いをしており、指でつまむと比較的柔らかい身質をしているため、すぐに見分けがつきます。
一方、赤茶色を帯びたキンパクの仲間の一部は殻が硬いせいでかなり食い込みが悪く、アタリが出ても食い込まない事も多数。

左の胸部が小さい個体は柔らかく(良いエサ)、右の胸部がしっかりした個体は硬く食い込みが悪く感じます。
このように、赤茶色であっても種類によっては柔らかい個体もいるので、実際に触ってみて「柔らかいな」と感じたものを使用しましょう。
とはいえ、手に入るのであればやはり黄色っぽいキンパクが最高のエサだと感じます。

腹部先端からまっすぐ刺しましょう。
ヒラタ(幼虫)とカゲロウ(成虫)
ヒラタは特徴的な見た目と動きをしており、流れの強い場所にあるツルツルした岩に貼り付いています。
身が柔らかく食い込みが非常に良いため、キンパク使用時にアタリだけでフッキングしないときに重宝します。
ただ3月半ばに一斉に羽化してしまうため、4月に入る頃には殆ど入手できません。
そのヒラタが羽化した物がカゲロウ(成虫)なのですが、川べりで簡単に捕獲できるうえに食い込み抜群のエサ(エサもちは悪い)。
3月下旬~4月初旬に、川虫が切れてしまったときは是非試してみてください。
普段からアマゴが捕食しているエサのため警戒されにくいですし、着水と同時に水面にアマゴが飛び出してくる、なんて事もあります。

3月末に釣ったアマゴの胃袋からは、大漁のカゲロウ(成虫)とクロツツトビケラ(幼虫)が出てきました。
クロツツトビケラは小さすぎるので、釣りエサとしては使用できません。
春先に釣り場でアマゴがパチャパチャとライズしている事がありますが、大抵はこのカゲロウとクロツツトビケラを追いかけているようです。
クロカワムシとオニチョロ(小)
キンパクやヒラタが(羽化のため)激減する3月半ば以降には、クロカワムシやオニチョロ(小)を試してみましたが、やはりこれらは初夏以降の本流でこそ効く餌。
特にオニチョロは小型でも身が硬いせいか、残念ながら、3・4月の支流ではほぼ反応無しに終わっています。

6月以降になると、採集できる川虫の種類も限定的になる為、この時期でも採集できるクロカワムシが本流での人気のエサとなります。
私は支流での釣りがメインなので、今後ちょくちょく支流でも効果があるか試してみる予定です。
私Ogi大注目のスナムシ
面白い所では、スナムシの仲間(モンカゲロウの幼虫)。
様々な渓流釣りのサイトや番組、雑誌等を調べましたが、紹介されているところを殆ど見た事がありません。


スナムシは、淀みの落ち葉の下でよく採れます。
細長くて身は柔らかく、大きさは(終齢幼虫で)2.5㎝くらいとやや大きめ。
このスナムシは3月31日の釣行で大活躍!アタリの数も多く食い込みも良かったので、今後は3月末~4月頭の定番エサとなる予感です。
よく採れる割に何故かメジャーなエサではありませんが、非常によく釣れるエサなので、採集出来た際は是非試してみてくださいね。
スナムシで連続ヒットした釣行↓
ブドウムシ
他には昨年までよく使用していたブドウムシ。
比較的高価ではありますが、2020年シーズンは初夏以降に数度使用しました。
ブドウムシは大きく柔らかいので、
- 水に浮きやすい(沈めるなら大きめのジンタンを使用)
- スレている時は食いこむのに少し時間がかかる(アワセはゆっくり目)
- 体液の臭いが強いため、初夏の濁り時・夏の渇水時に強い印象
- 白くて非常に目立つため、時に見釣りが可能
このような特徴があり、非常に面白い餌。
5月以降は落下昆虫が渓流魚たちのメインエサとなるので、私は4月半ば以降の雨後や、夏の渇水時に使用しています。
キジ(ミミズ)(2020年9月追記)
虫系で最もよく使われるのがキジ(ミミズ)。
昔学校の花壇や近所で大量に採集していた経験から、私Ogiはなんとなく購入を躊躇ってしまうため(苦笑)、山に入って自分で採集しています。
キジはよく動く上に臭いが非常に強いため、雨後の超一級エサ。
また、6月以降は川に流されるキジを魚たちが積極的に捕食する常食エサのため、警戒されにくいのも大きな特徴です。
エサが他の物よりも大きくなる分、アタリの出方は比較的鮮明。
エサのサイズに合わせて、即アワセ(小さいエサ)をするか、食い込ませてアワセる(大きいエサ)かを選択しましょう。
針への刺し方は、小型のものはチョン掛けでも大丈夫ですが、大型の物は縫い刺し(通し刺し)にする必要があるので、慣れるまではエサ付けに苦戦するかもしれません。
どうしてもさしにくい場合は、専用の器具を使用するのも一つの手です。

エサによるオモリの選択について
基本的に、イクラは比重が重いために沈みやすく、ブドウムシや川虫は軽いために沈みにくくなります。
狭い支流を攻める際の基本的な考え方として、
- イクラ/キジ・・・オモリは軽め(ジンタン3号~5号)
- 川虫・・・オモリはやや重め(ジンタン1号~4号)
- ブドウムシ・・・オモリは重め(ジンタンB~2号)
私はこのように使い分けています。
イクラは2粒掛けの時と1粒掛けの時でオモリの重さを変えた方が自然に流れますし、ヒラタをメインで使用する時は(底が取り辛いため)やや重めの2号がメインとなります。
目安としては、水深が目測で1m以内の落ち込みや淵であれば、ジンタンは2号~3号で十分。
体感では3号が最も使用しやすく感じています。
流れが緩やかな場所であれば、3号~5号程度で底を捉えられるギリギリの重さに設定すると、食い込みが一気に良くなるので、試してみてくださいね!

流れが複雑な小場所ではこの重さを目安にしつつ、やや重めのオモリ選択がカギになります。(前編の記事に詳しく書いています!)
エサによるアワセ方の違いについて
個人的にここからが特に重要だと考えているのですが、私は使用するエサによって、アワセを入れるタイミングが違うように感じています。
昨年やシーズン初期はずっと同じ流し方、同じアワセの仕方で釣っていた為か、とにかくフッキング率が悪く、多くの釣りこぼしをやってしまいました。
上手な方はそれさえも感覚でアジャストされるのでしょうが、私はアワセのタイミングと流し方を変化させることで、フッキング率を大幅に向上させることに成功。
アワセ自体は手首を強めに返すだけとシンプルですが(竿の反発で掛けるイメージ)、私の体感のアワセのタイミングとしては、こんな感じでした。
- 自作塩イクラ(即アワセ)
- ヒラタ・キジ(小)(早め)
- ヒラタカゲロウ(成虫)(やや早め)
- キンパク(小)(ちょっとゆっくり目)
- キンパク(大)/スナムシ/キジ(大)(割と送り気味)
- ブドウムシ(割と遅め)
自作塩イクラは皮が柔らかいためか、目印が止まったり引き込まれた瞬間にアワセないと掛からない印象でした。
これは元々のイメージとして定着している「渓流釣りの早アワセ」を体現する感じです。
続いてヒラタ/成虫のカゲロウやキジ(小)ですが、この二種は元々かなり身が柔らかめなので、反応があればすぐにアワセるとフッキングしやすくなる印象です。
市販品の釣り餌用イクラも、皮がしっかりしているのでこのタイミング。
面白いのがキンパク/スナムシで、これらのエサは咥える時間が長めなのか、一瞬待つくらいのイメージで遅アワセにするとバンバン掛かりだし、一気にフッキング率が向上!
キンパクで素針を引いていた時はエサが綺麗なまま残ることが多かったので、じっくり目に食い込ませてやるのが大切です。
また、キジ(大)はエサそのものにボリュームがあるので、アマゴがエサに対し数回噛みついてくるようなイメージをもつとフッキングしやすくなりました。
最後にブドウムシ。
大きい上に食い込みに時間がかかるので、上記に挙げたどのエサよりも遅くアワセるとフッキングします。(渇水時は一気に食い込むこともあります)
とはいえ、(どの餌の場合でも)どれだけ遅くてもアワセは(体感で)1秒以内なので、反射神経を研ぎ澄ますためにも、前日の睡眠が非常に大事ですね!(苦笑)
ごく稀に、
「アワセそびれて諦めたけど、実はフッキングしていた!(゜ロ゜;)」
なんてこともありますが(笑)、基本的にはこちらから掛けにいく釣りですので、しっかりアワセましょう!
口のサイドにフッキングしている時が、良いアワセが決まった目安となります。

イクラの場合はヒットする場所を予め予想しておき、反応が出た瞬間に反射神経でアワセるとフッキング、という感じでした。
体感で0.2秒くらいで、これは近似種のヤマメがエサを吐き出すまでに要する時間と同じです。

アタリの出方も様々
アワセはアタリに反応して行う物ですが、そのアタリの出方も様々なパターンがあります。
目印の動きでアタリを取りますが、大別すると・・・
- ピタっと止まる
- 僅かにおさえ込まれる
- モゾモゾッと流れながら動く
- 底に向かってグイッと引き込まれる
- フワっと一瞬浮き上がる
- 離れた場所に向かって引っぱられる
この6パターン。
1~4のアタリが出るときは、仕掛けを流す場所、流し方等が完璧に一致していると考えてOK。
いわゆる理想的なアタリです。
5は活性が高い時や、ミニアマゴが食った時に出るアタリで、遭遇する機会は今のところ多くありません。
6の場合は流すレンジや流し方がズレてしまっている時に、活性の高いアマゴがこのようなアタリを出します。
そのため、常に1~4のようなアタリが出るように流し方を工夫することにより、釣果を伸ばすことが出来ます!
渓流釣りで使用する針について
2020年シーズン、最も悩んだのが、どの針を使用するかということ。
魚と釣り人とをつなぐ唯一の接点たる針は、各メーカーから様々なタイプが市販されており、アマゴ釣りの場合は・・・
- 細軸が通常タイプか
- ネムリ(ヒネリ)があるタイプか否か
- 軸がストレートか、湾曲するタイプか
- 半スレか、通常タイプか
- 角ばったフォルムか、丸みを帯びたフォルムか
- 色はどうか
このように、実に多くのチェック項目があります。
そもそもが警戒心が高いために針を咥えている時間が短い魚であるうえ、時期によって食べるエサもバラバラ。
必然的に、使用するエサに合わせて針を選ぶ必要性が出てくるのです。

私が昨シーズンまで使用していた針は、上写真②・がまかつ社のナノアマゴ(4号~6号で、5号メイン)。
この針は細軸で湾曲しているため、ややネムリ形状になった針先が咥えたエサを吐き出す瞬間に口に掛かりやすいというのが大きな特徴。
イクラメインで釣っている時は最も針掛かりが良い様に感じていました。
「イクラ専用」や「アマゴ半スレ」「一刀アマゴ」等も使用しましたが、イクラ使用時はナノアマゴが断トツで使用しやすかったです。
ただ川虫がメインとなると、「アマゴ半スレ」や「一刀アマゴ」「ナノアマゴ」は軸が湾曲している為にエサが不自然な形となるためか、食い込まずすぐに吐き出してしまうケースが多発。
そこで登場したのが、ナノヤマメ(⑤)・川虫専用(④)・カッパ極
(③)の3種の針。
それぞれこのように違った特徴があります。
イクラ・川虫全般でこの3種の針を使用してみたところ、川虫専用は軸が太いため、小さな川虫を使用するのに向いていませんでした。
この針は6月以降の本流で、クロカワムシ等大きめのエサを使用する際に効果を発揮するのではないでしょうか。
ナノヤマメ・カッパ極は共に川虫を刺しやすく(弱りにくい)、イクラを使用しても特に違和感なく使用できましたが、個人的にはカッパ極の方がフッキング率が高くなっています。
そのため、今シーズンの今後はカッパ極をメインフックとしつつ、時折他の針も使用してみようと思います。

今私が注目しているのは、忍ヤマメというオーナー社から発売された針。
入手出来たら使用してみたいと思います!
渓流釣りのエサ・針・アワセ方まとめ
いかがでしたでしょうか。
私が考える、エサや針の使い分けと、エサごとのアワセ方について纏めてみました。
大自然と一体となり、自然の息吹を全身で感じながら楽しめる渓流釣りに、今すぐ出かけましょう!!
前編/支流選びのコツ・仕掛けの流し方について↓
揖保川での実釣(8月末)はこちら↓
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