マルタンヤンマに狂った1日in岡山@2012年7月

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こんにちは、Angler Ogiです。

トンボ家にとって楽しみな季節が近づいてきました。そう、夏が大好きなヤンマ科のシーズンです。

子供のころからトンボ好きで、社会人になってからかれこれ10年ほどトンボを追いかけている私ですが、その中でも別格のトンボがいます。

それがこちら、マルタンヤンマ

6~8cmほどのトンボで、翅はやや褐色気味。雄の複眼は目が醒めるような青色(通称マルタンブルー)をしています。

また、雌も独特の複眼の色をしており、翅は濃い褐色。雌雄どちらも、非常に魅力のあるトンボです。

前のブログをやっていた時は、このマルタンヤンマに対する問い合わせが毎週のようにあり、その中には素敵な愛好家の方からの問い合わせもあれば、非常に不快な物も多くありました

私はトンボを捕獲・撮影後リリースする派ですが、標本否定派ではありません。ただ、「マルタンヤンマを捕獲したら郵送で送ってくれ」といった連絡や、「標本が欲しいので産地を教えてくれ」といった、トンボを物扱いする問い合わせも多くあり非常に辟易したのを忘れません。

今回の記事は、そんな問い合わせが多く来るきっかけにもなった記事。

前ブログに2012年7月16日に掲載した、岡山の友人・通称トンボ刑事(デカ)との合同捜索の様子です。

ブログを通じて知り合ったデカにマルタンヤンマの産地を案内していただき、初めてマルタンに出会った時の衝撃は、(7年も前ですが)今でもはっきり覚えています。

当時の文章はあまりに若すぎましたが(苦笑)、多くの方にこのトンボの素晴らしさを知って頂きたく、今回この記事を懐かしい記憶と共にリライトしてみました。

タイトルはお気になさらず(笑)、早速ご覧ください!

マルタン!マルタン!!マルタァアアアアン!!!(゜Д゜)

日曜の仕事の合間に天気予報を見てみると、祝日である月曜は晴れの予報!友人であるデカに電話し、岡山に遊びに行きたいと言うと、快くOKのお返事を頂きました。

時期的にもそろそろマルタンヤンマが出ると言うことで、気合い&期待MAXで出掛けてみました。

思いがけないマルタン雄との初遭遇。

行きの電車に乗る際、デカから「マルタンが出た」との報告を受け、ますます気合いが入ります!岡山駅まで迎えに来ていただき(ありがとうございます)、合流。

走ってきてくれる息子さんの手の中には・・・

マルタン♂が。(゜д゜)

見れなかった時の保険に、とわざわざ連れてきてくれたお兄ちゃん。ありがとう!!(´∀`;)

デカの車に同乗させていただき、目的の場所へ。早速マルタンヤンマ♂のやらせ写真を撮影です!!

まさにトンボ界、いや昆虫界の至宝!!素晴らしい色合いです。(^^)

多くの人がこのトンボを見て、トンボ家になっていくのも頷けます。そして、人生が狂ってしまう魔力が、このトンボにはあります。(苦笑)

様々なアングルで一通り撮影した後、休止個体を探します。時刻は13時半、気温は明らかな30度越え。これは期待できそうです。

経験上、マルタンヤンマの休止個体捜索は、気温が高ければ高いほどよく、35度を超えるとフィーバーになることが多いです。
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念願の休止個体を発見!

しばらく捜索を続けていると、一緒に捜索していたデカの息子さん(お兄ちゃん)が休止しているマルタン♂を発見!!

捕獲したいはずですが、僕に譲ってくれました!なんていい子なんだ!!(´д`。)

こちら、やらせではありません!実際に休止している、念願のマルタンヤンマ♂(野生個体)です!!

この個体、どんな感じで休止していたかというと・・・

こんな感じです。木陰にぶら下がっている、という表現が実にしっくりきます。

何点か撮影した後、無事捕獲!手元で改めて観察します。

側面から。
背面から。

これぞマルタンブルー!!あまりの美しさにしばし呆けてしまいます。

が、この日はこれだけではありませんでした。

マルタンヤンマ雄のバーゲンセール状態・・・。

この日はよほど条件が良かったのか、あちこちでマルタンが休止している姿を発見。

飛び上がった個体を皆で見つけて追いかけたり、誰が網を使うか相談したり。見つけたらとりあえず撮影→捕獲→個体数記録付け→リリースを繰り返していきます。

この日3頭目のマルタン♂。 若くてピカピカな個体。
コヤマトンボ♂。 マルタン以外のトンボも多数。

そうこうしていると、デカの師匠であるKさんがアイスの差し入れを持って来てくださいました。Kさんありがとうございます。(^^)

猛暑の中、マルタンを眺めながら食べるアイスは最高です。(笑)

マルタン♂の複眼。この青さの秘密は一体・・・。

そして皆がアイスを食べ終わった頃、Kさんが流石の眼力で2頭のマルタン♂を発見!

やや高い位置で休止するマルタンヤンマ♂。

そして皆で捜索を再開し、すぐに2頭を発見します。まさに、

マルタンヤンマのバーゲンセール。(゜∀゜;)

途中エゾトンボやオニヤンマを捕獲しているのですが、そういった事が吹っ飛んでしまう程のフィーバーぶり!!もう最高です。(´∀`)

エゾトンボ♂。
オニヤンマ♀。

とここで、デカのご友人、ぎんやごさんからデカにメールが。別方面から合流されるとのことで、皆でマルタンを眺めながら待ちます。

気温はおそらく37度前後かと思いますが、不思議となんともないんです。トンボ家って、こんなもんですよね。(苦笑)

2頭のやらせ。このあと仲良く(?)飛び去った。

また、少し離れた場所から戻ってきたデカとお兄ちゃんは、

未成熟なミルンヤンマ♂を持って登場!もう発生が始まったんですね。

ぎんやごさんと合流後も、マルタンの観察&撮影を行います。(お茶の差し入れ、ありがとうございました!)

休止個体、ストロボあり。素晴らしい複眼。
ストロボ無しだと味わい深い色合いに。

移動した先にもマルタン雄が。

しばし皆と会話を楽しんだ後、場所移動。マルタンが休止するもう一ヶ所のポイントへ移動します。

と、先にポイントに着いていたKさんとぎんやごさんが、屈んで何かを観ています。そう、

ここにも当たり前のようにマルタンがいたのです!あまりのフィーバーぶりに笑いが止まりません!!

2頭いたのですが、1頭は風が吹いた瞬間に驚いて飛び差ってしまいました。1頭は弟君が捕獲にチャレンジするも失敗・・・。また次回頑張って!(^^;)

さらに別の場所に飛び込むマルタンの♂♀も確認!!この日未確認だった♀を探すべく皆で頑張ってみたのですが、残念ながら♀は見当たりませんでした。

高い場所で休止していたコヤマ♂。

結局この日確認したマルタンヤンマ♂は10頭以上。シーズン初めとしては異例の多さではないでしょうか。

ここでデカの息子さん達とぎんやごさんはタイムアップを迎えたため一度お別れ。僕はKさんの車に同乗させていただき、別のポイントへ案内してもらいました。

その場所は数年前まで最高のポイントだったそうですが、6年前の台風で駄目になってしまったのだとか。

それでも奥の方は湿原になっており、シーズンが合えばトキソウが見られるそうです。この日は、

外来種であるナガエモウセンゴケが沢山生えていました。昔は生えていなかったそうです。なんか悲しい・・・。(´д`;)

ここで子供達を送り届けたデカと再合流、Kさんとお別れです。( Kさん、色々とありがとうございました!!m(__)m )

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黄昏タイム前にアオヤンマと遊ぶ。

時刻は16時半。

僕とデカは黄昏飛翔とマルタンヤンマの産卵を観察すべく、通称アオヤンマの池へ。暑さと湿度にダウンしそうになりながらも、マルタンが来ないか目を凝らします。

と、ここで心優しいデカが取り出したのはおにぎり!!なんと僕の分まで買ってきてくださったのです!ありがたやありがたや・・・。(´~`)

エネルギーを補給した後、適当にギンヤンマやアオヤンマと遊びます。

この胸部に特徴的な色が付いた個体、なんとこの後三度も僕に捕獲される事になります。(苦笑)あまり危機感が無いのでしょうか・・・。(゜∀゜;)

アオヤンマは7月とはいえまだまだ沢山おり、その数は優に二桁を越えています。

ひっきりなしにやって来る為、捕獲出来そうな個体は捕獲→個体差を見る→すぐにリリースという作業を繰返し行った結果、上写真の個体以外は全て別個体でした。

さらに、

すぐ近くの木に制止する個体も。黄昏時に備えて体力を温存しているのかもしれません。

コヤマトンボ♂も制止していたりして、本当に飽きません。最もこの個体、全く身動ぎせず長時間このままだったので、寝ていたのかもしれませんが・・・。

池の方にはウチワヤンマ♀が登場!実はウチワヤンマを捕獲したのは、個人的に2年ぶりだったりします。

背面から。

黄昏飛翔タイムにはヤブヤンマが登場!

そうこうしていると時刻は18時半を過ぎ、池の雰囲気が徐々に変わり始めました。これは前回と同じです。

そして19時頃、低い位置を飛ぶ1頭のトンボを捕獲してみると・・・。

昼間にどこでも捕獲できるオオヤマトンボでした。ヤンマを狙っているだけにかなりの残念感が・・・。(苦笑)

しかしこのオオヤマを皮切りに、あちこちからヤンマが飛び始めました!シルエットを見る限り、アオヤンマとヤブヤンマ、ハネビロエゾトンボの♂♀が混ざっています。

そして時折判断が難しい個体も。捕獲してみないと判りません。(^^;)

とりあえず射程距離に入ってきた、

ヤブヤンマ♀を無事捕獲!!まだ若い感じですね。この固体を撮影・リリースした後、さらに2頭のヤブヤンマ♀を捕獲!!

3頭目の個体。そこそこ成熟?
低い位置を飛んでいたアオヤンマ♀。

とここで、かなり低い位置を旋回する褐色の翅!!その姿は紛れもなくマルタンヤンマではありませんか!

あまりに焦ってしまった僕は

マ、マ#◇◎タ∵※♀!!!(゜Д゜;)

等と訳のわからない事を口走り、デカを困惑させてしまう・・・だけに止まらず、なんと

盛大に三度空振り。(゜Д゜)

網を伸ばしすぎた結果、網の内側を飛ばれるという大失態をやらかしてしまいました。デカ、本当にスイマセン・・・。(´∀`;)

さらに上空を見上げると、明らかにマルタンヤンマと判る個体がかなり高い場所を数度通過。いると判っていて捕れないというのは本当に歯がゆいですね・・・。

ここでデカも1頭を捕獲!・・・しますが、残念ながら(?)アオヤンマでした。中々狙いの種を捕獲するのは難しいものですね。(^^;)

この後もパラパラと高い場所を飛ぶトンボ達(時間経過と共にビロエゾばかりになる)を見ながらそろそろ終わりかな~と考えていると・・・。頭上にやや大きなトンボが!!

咄嗟に網を出すものの、届かない高さを飛んでいたそのトンボのシルエットは見紛う事なきコシボソヤンマ!!(゜д゜;)

そういえばコシボソヤンマはシーズンインした上、黄昏飛翔性が強いトンボだということを失念していました。今後は黄昏メンバーにコシボソも加わりそうです。

次第に空を飛ぶビロエゾも姿を消していったので、これにて終了としました。

【この日確認したトンボ(計24種)】

  • イトトンボ科・・・モノサシトンボ、キイトトンボ、クロイトトンボ
  • ヤンマ科・・・マルタンヤンマ、コシボソヤンマ、アオヤンマ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、ヤブヤンマ
  • エゾトンボ科・・・エゾトンボハネビロエゾトンボ、オオヤマトンボ、コヤマトンボ
  • オニヤンマ科&サナエ科・・・オニヤンマ、コオニヤンマ、ウチワヤンマ
  • トンボ科&アカネ科・・・シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ウスバキトンボ、ショウジョウトンボ、チョウトンボ、マユタテアカネ

念願だったマルタンヤンマを沢山見ることが出来、素晴らしい1日となりました。デカ、色々とありがとうございました!m(__)m

次回もおそらくヤンマを見に行く事になると思いますが、発生が始まっているであろうネアカヨシヤンマの状況が気になります・・・。

振り替えって

この後の捜索では幾度となくマルタンヤンマ雄を確認でき、2017年には遂に姫路で黄昏飛翔に来ていた個体を捕獲することが出来ました。

生態を理解した上で、何度もポイントに足を運ぶのが、捕獲への一番の近道と思われます。

近いうちに、マルタンヤンマやヤブヤンマなど、黄昏飛翔を行うヤンマ科の特集記事を書こうと思いますので、トンボ家の方はご期待ください!!

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