こんにちは、Angler Ogiです。
2022年6月頃、息子と共に近隣の雑木林でコクワガタやミヤマクワガタを捕獲。
10月頃に産卵セットを組み、コクワガタの繁殖を狙ったところ、無事成功!
レポート形式で書いていこうと思います。
2022年6月、コクワガタ捕獲→9月に産卵
2022年6月半ば頃から、幾度となく雑木林へ捜索に向かい、コクワガタ数頭を捕獲。
左端を除く4頭と、別日に捕獲した雄1頭、さらに、
7月1日に捕獲したこちらの雌、さらにミヤマクワガタも我が家に迎え入れ、息子と共に飼育をスタートしました。
ミヤマクワガタは気温が一気に下降した10月下旬頃、寿命を迎えて☆になり、さらに一番大きいコクワガタ雄も(おそらく寿命で)☆に。
ですが、それ以外のコクワガタ達は非常に元気。
繁殖を狙うため、8月末頃に産卵セットを組んでおきました。
☆産卵セットを作成するにあたり、こちらのサイト様を参考にさせて頂きました。↓
(外部リンクへ飛びます)
9月頭頃から、産卵セット内の朽ち木に雌の噛み跡が目立ち始め、下写真のような状態に。
表面がボロボロした感じになってきたので、9月29日、満を持して割り出しを開始!
すると、
いました、コクワガタの初齢幼虫!
さらに、
数日前に孵化したのであろう1齢幼虫も。
最終的に24匹の幼虫が見つかったので、
ホームセンターで購入したこちらのMサイズのプラケース と、
セリアで多めに購入しておいたこちらの小プラケースへ、熟成マットと産卵木の破片を詰めて、幼虫を移動。
振り分けは、Mサイズプラケースに12匹、小プラケース1つ当たり3匹(×4つ)という形にしてみました。
成虫たちも越冬させるためのセットを組んだ直後、自宅近くの路上でコクワガタ雌1頭を拾うという幸運(?)が!
この子も我が家に迎え入れ、共に越冬してもらうことにしました。
幼虫の成長度合いに変化。
約2カ月が経過した12月の頭頃、一度エサのマットを交換するために掘り出してみると、既に特大サイズ(終齢)になっていた物がいた半面、トータルの数は減って17匹に。
クワガタの幼虫は状況によっては共食いする事もあるようですが、干からびた死骸が見つかったり、振り分けた時点でブヨブヨ病になっていた物もいたので、ある程度は仕方ないようです・・・。
この段階で、Mケース→9匹、小ケース→3・2・2・1匹という変則的な振り分けに変更し、成長に影響が出るか確認してみることにしました。
Mケースで纏め飼育が正解?
気温が上昇し始めた3月頭頃、またエサ用マットを取り換える為に掘り出してみると、3頭を入れていた小ケースの1匹と、Mケースの1匹が死骸に・・・。
ですが、その他の個体は元気そのもの。
2匹だけ小さめの幼虫がいましたが、それ以外は全て終齢幼虫になっていました。
ここで驚いたのは、Mケースに纏めて入れていた個体が大きく育っており、小ケースで2匹・単独という少数で飼育していた個体が思いの外小さかったこと。
使用していたマットは同じ、ケースの設置場所も同じ玄関。
Mケースの方が、マットの総量が多かった=エサが豊富だった為かもしれません。
小プラケースを買い足しておいたので、蛹になる事を見越して、Mケース→6匹、小ケース→2・2・2・2・1という振り分けにしてみました。
越冬していた成虫、活動開始
丁度同じくらいのタイミングで、この幼虫たちの母親である雌が☆になってしまいましたが、他の雄達は徐々に冬眠から目覚め、活動を開始し始めます。
3月半ばには、気温が上がる時間帯に盛んにエサを食べ始めたので、今回は無事越冬成功の様です。
秋頃~春の間は、3~4日に1回、霧吹きでしっかりと表面を湿らせていた他、エサのゼリーも定期的に交換(時々食べていました)。
玄関は気温の上下が少ない為、これだけで越冬できたようです。
やはりコクワガタは丈夫で飼育しやすいですね。
☆7月4日、古参のコクワガタ雄が1頭☆に。
5月頃から徐々に動きが鈍り、体色もくすんできていたので、寿命だったようです。
5月、ようやく蛹に
3月末~4月に入った頃から幼虫たちの動きが鈍くなり、蛹室のような空間の中でじっとしている事が増え始めました。
体色も黄色っぽくなり、前蛹(ぜんよう)と呼ばれる状態のため、もう間もなく蛹になるよーと息子に伝え、今か今かと待っていましたが・・・前蛹期間は思ったより長く、中々蛹になりません。
なにか間違えたかな・・・と少々不安になっていましたが、5月15日、ようやくMケースの1頭が蛹になっているのを発見!
事前情報から、前蛹期間は2週間~4週間と考えていましたが、我が家の場合は4週間~6週間とやや長めでした。
この1頭を皮切りに、大半の幼虫が蛹に。
何故かマットの表面で蛹化しているものもいたので、急遽マットを霧吹きで固めてくりぬき、簡易蛹室のような状態にしておきました。
そして、1カ月程度は蛹期間が続くと思っていたら・・・!
6月4日、一番最初に蛹になった(と思っていた)個体の体色に大きな変化が!
かなり赤茶色になっているので、間もなく羽化するようです。
6月、ようやく羽化スタート!
これなら他の個体もすぐに・・・と思って小ケースの1つを覗き込むと、
既に雌が1頭、羽化してました!(苦笑)
単純に羽化が先になったのか、それともかなり早い段階で蛹になっていたのかは分かりませんが、初めて飼育下での羽化に成功したのは喜ばしい事です。
クワガタは羽化後しばらくは蛹室に留まる為、この個体はそっとしておくことに。
そして6月5日、仕事から帰宅してケースをチェックすると・・・
まさに羽化が始まったところではありませんか!!
時刻は21時27分、寝る直前だった息子にも声をかけ、一緒に観察します。
意外と時間がかかるので、翌日に学校がある息子はここでタイムアップ。
ここからは私一人で観察を続けていたのですが、
・・・お腹、引っかかってない??
気になったのですぐに調べてみたのですが、
蛹室は見た目以上に広いから、羽化に手出しはしなくて良い
という記事と、
雄は羽化不全を防ぐためにも掘り出した方が良い
という記事が散見。
また、掘り出すタイミングに関しても、「蛹になったタイミングで」や「羽化直前で」「不全になりそうだったら」と、完全にバラバラ・・・!
こうなると自己判断するしかないわけですが、写真の個体は明らかに蛹室が狭そうだったので、勇気を出して掘り出してみることに。
そ~っと丁寧にプラスプーンで掘り出しを進めていくと、柔らかいマットの感触が、硬い感触に変化。
その直後、
いました、新成虫!
やはり危惧していた通り、蛹室は明らかに狭くて引っかかっています。
傷つけないよう丁寧にマットを剥がしていくと、自ら顔を出してくれました。
ここぞのタイミングでプラスプーンに乗せて、小ケージへと救出成功!
鮮やかな赤茶色とクリーム色っぽい翅をしていますが、まだ羽化直後ということもあり、非常に弱々しい印象です。
独特の色合いを観察していたいところですが、ストレスを与えないよう、転倒防止用の割り箸を入れて、そっとしておくことにしました。
羽化ラッシュ!
この個体を皮切りに、蛹たちは次々に羽化を開始。
明らかに蛹室が小さいものは、マットを人口蛹室のようにくりぬいた場所へと救出し、
こちらの個体のように、「大丈夫そうな個体はそのままに」という形でいってみたのですが、残念ながら雄が1頭羽化不全になってしまいました。
どうやら首を起こすほどの縦のスペースがなかったのが原因の様で、そのまま体が固まってしまったよう。
翅パカの状態の上、首は完全に曲がったままなので、この1頭は天寿を全うするまで自宅で飼育しようと思います。
6月18日には、蛹の状態で救出していた大型の個体も無事に羽化。
お腹を乾かす為、このように定期的にひっくり返っています。
ほぼ動かない為、死んでいないか・・・と心配になりますが、蛹室内で羽化した個体・掘り出した個体とも同じような姿勢でじっとしているため、クワガタにとってはこれが普通のようですね。
一方、6月21日にようやく蛹になった個体も。
そしてこの個体、7月5日に羽化しました。
蛹の期間はピッタリ二週間です。
この時点で大半の雌雄が判明したので、纏めると・・・
- 雄7頭(うち1頭羽化不全)
- 雌7頭(全て無事に羽化)
- 雌雄不明幼虫(おそらく雌)1匹
このように、15頭の幼虫の雌雄は、ほぼ半々の割合でした。
元々24匹の幼虫がいたわけですが、この記事を書いている7月5日時点で13頭が無事成虫になったので、コクワガタの産卵・育成はある程度成功と言えそうです。
ちなみに、
この子が一番大きな雄なのですが、デジタルノギス で計測してみると、
サイズは42.7ミリ。
100均のマットで、Mケースで纏め飼育していたうちの1頭ですが、結構大きくなるようですね。
もっと大きく育てたい場合は菌糸ビンが有名なので、試してみても良いかもしれません。
まぁ私は元気に羽化してくれたらそれでいいんですが。(苦笑)
大体35mm~40mmくらいのサイズの個体が多いのですが、野生のコクワに比べるとやはり多少は人に慣れているせいか、動きが穏やかな子が多い印象です。
掌に載せるとトコトコゆっくり歩く姿、可愛すぎる・・・。
こちらは30mmを切る程度の雌。
ピカピカで、野生の個体よりふくよかな体型に見えます。
羽化後3週間程度経過した個体は徐々に活動を開始し、最初に羽化した個体はエサも食べ始めました。
今後、この子たちは数頭を我が家に残し、後は親を捕獲した雑木林に返してやる予定です。
コクワガタは簡単に繁殖が狙える
実は2022年も繁殖にチャレンジしていたのですが、木を割り出すタイミングを見誤っていたようで、割り出した時点で大半がブヨブヨ病でした。
今回は最適なタイミングで割り出しを行い、その結果が今回の羽化成功に繋がったので、重要なのは割り出しのタイミングだけだったように思います。
ただ、私の個人的な感想ですが、明らかに蛹室が狭いと判断できる場合は、蛹のうちから掘り出して救出してやる方が良い様に思います。
掘り出した後も、蛹室のようにくりぬいたマットで普通に羽化が成功していますので、不全を確実に防ぐならコレしかありません。
割り出しと羽化にだけ注意してやれば、産卵セットに使用した産卵木とマットは100均の物ですし、一番大きく育った個体は纏め飼育していたりと、コクワガタは本当に手が掛からない種。
今年はぜひ、家族で捕まえてきたコクワガタのブリードを楽しんでみてはいかがでしょうか。
私の昆虫観察・フィールドワークはこちら↓
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