オオルリボシヤンマの生態や観察方法をご紹介!

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こんにちは、Angler Ogiです。

お盆を過ぎたためか、暑さが少し和らいできたように感じるこの頃、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

トンボシーズンは、早くも秋の様相を感じられるようになってきました。そこで今回は、秋を代表するヤンマ・オオルリボシヤンマについてご紹介していこうと思います。

何故唐突にオオルリボシヤンマの紹介なのか?といいますと。

  • 7月頃から羽化が始まり、毎年8月半ば~9月頭に発生のピークを迎える。
  • 元々北方種である為、近畿地方では場所により11月頭頃まで長く楽しめる。
  • 産卵が13~16時頃活発に行われる為、雄・雌とも観察しやすい。
  • 雄が美しいのは勿論、雌は水色型と黄緑型の2タイプが存在する。
  • サイズが90mm越えと大型で、見ごたえバッチリ!
  • 兵庫県は比較的産地が多いので、あちこちで見られる。

ここには書ききれないぐらい、魅力がいっぱいです。

夏休み期間中にトンボの魅力にハマってしまった皆さまだけでなく、昔からのトンボファンの皆さまにも、オオルリボシの魅力を情熱の限りお伝えできればと思います!

↓今回の記事はこんな内容です!↓

  • オオルリボシヤンマの生態と、 雄・雌を個別に詳しく解説!
  • 狙うべき場所、 捕獲する際のポイント等を考察!
  • 近縁種であるルリボシヤンマとの見分け方をご紹介!
  • 産卵活動の様子を詳しくご紹介!
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オオルリボシヤンマの生態は?どんなトンボ?

オオルリボシヤンマは、体長が76mm~94mm、近畿地方の物はほぼ9cm前後になる大型のトンボ。この大きさは、近畿地方で見られるトンボの中ではオニヤンマに次ぐサイズです。

近畿地方での卵期は200日前後、幼虫期は400日程度。 羽化するまでおよそ2年かかります(2年1世代型)。

北海道などの寒い地方では、幼虫期が3年に伸びたりする事もあるようです(2~4年1世代型)。これはエサが少なかったり、成虫として活動できる期間が(北海道では)6~8月と短かったりするため、環境に適応したものだと考えられています。

近畿地方では、低標高地~高標高地まで幅広く生息していますが、やはりやや標高がある場所の方が産地が多いように思います。

発生自体は7月頃から始まっているようなのですが、この頃は水域にやってくることはあまりなく、目にする機会はかなり少なめ。

時折、早朝や夕方に摂食飛翔している姿を見かける程度なので、未成熟個体の捕獲は比較的難しいのではないでしょうか。

若い雄。

名前の由来は、この美しい背面。

翅の付け根の辺りに美しい星を散らしたような模様があり、近縁のルリボシヤンマよりも大型であることから、オオルリボシという名前になったとされています。

複眼の色合いもすごい。

棲息環境としては、樹林に囲まれている事が必須条件。大きな池でも小さめの池でも観察できますが、どの場所も「山中にぽっかり存在する池」といった感じです。

さらに、浮葉植物が繁茂しているのも外せない条件。こちらは雌の産卵場所になったり、生まれてきたヤゴたちの隠れ家になっているようです。

↑こちらは、とある山中(標高1000m弱)にある泥底の池。浮葉植物が繁茂しており、池の周囲は草むらとなっています。

8月からはオオルリボシ、9月半ばからはルリボシヤンマが多数見られる産地です。

上写真の場所の水色型雌。
別ポイント、産卵中の黄緑型の雌。 こういった場所が大好きなよう。

ちなみに、私がオオルリボシヤンマを観察する場合、季節は8月下旬~9月頭。時刻は14時頃を狙います。

オオルリボシヤンマは午前中から活動はしているのですが、活動が最も活発になるのがお昼過ぎなので、それまでは別のトンボを観察し、昼過ぎにポイント入りすることが多いです。

雌が産卵を活発に始めるこの時間帯に、多くの雄が水域にやってきて縄張り飛翔をしている為、この時間が一番の狙い目となるのです。

静止する時は枝にぶら下がらないのも大きな特徴。
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オオルリボシヤンマの雄

オオルリボシヤンマの雄。

実際に捕獲してみると判るのですが、オオルリボシヤンマは本当に大きなトンボで、かつスタイリッシュな体つきなので非常にカッコイイのです。

手に持つとその大きさがよく判る。

若いうちは翅が透明で、先端近くだけほんの少し褐色なのですが、老熟個体になると、翅全体が薄い褐色に色づくものもいます。

上空を飛ぶオオルリボシヤンマの雌。翅の先端が褐色になっている。

シーズン中は、比較的長い時間水域を飛び回っているので、時期と場所を外さなければたいてい見られます。

特にシーズン序盤は、(多産地では)水域の上空で旋回するように飛んでいるのですが、これが圧巻!!是非見て頂きたいシーンの一つです。

仲良く飛ぶ訳ではないので、小競り合いは絶えない。

そして旋回する高度を徐々に下げつつ、

そのまま水域に入ってきて縄張り飛翔をします。

向かい風に向かってホバリング中。

ちなみに、2013年7月末に北海道旅行に行った際にも比較の為捕獲してみたのですが、

ご覧の通り、(当たり前ではありますが)本州産となんら変わりない見た目でした。(笑)

オオルリボシヤンマの雌

黄緑型の雌。昼過ぎに道の上を飛んでいた。

オオルリボシヤンマの雌には、青色型と黄緑型の2タイプが存在していますが、これは成熟度合いなどによる色合い変化ではなく、変異という扱いになっています。

夕方、摂食中の2頭を捕獲して比較。

上が青色型の雌、下が黄緑型の雌です。複眼の色、胸部の微妙な色合い、腹部の色合いに至るまで、かなり差があるのが面白いところ。

この色彩変異は雄の個体には見られないのですが、明確な理由は判っていないようです。

ただ、近畿地方では水色型が多く、高標高地では黄緑型が多いとされている為、標高に関係があるのかもしれませんね。

Ogi
Ogi

私がよく訪れる兵庫県北部の産地(標高1000m近く)では、黄緑型6:水色型4くらいの割合。姫路市内の複数の産地(標高100~300m程度)では、水色型しか見ていません。

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近縁種ルリボシヤンマとの違い

縄張り飛翔中のルリボシヤンマ雄。

近畿地方で見られるオオルリボシヤンマの近縁種には、ルリボシヤンマがいます。

こちらは体長が75~90mmと、オオルリボシヤンマに比べるとほんの少し小さく、 発生時期が7月下旬~11月で、ピークは9月末~10月半ば。

オオルリボシヤンマと時期的(場所によっては時間帯も) な棲み分けが見られるのですが、好む環境はほぼ同じであるため、時折同じタイミングで確認することがあります。

色合いである程度判別可能ですが、オオルリボシヤンマとルリボシヤンマの違いを確実に見分けるなら、胸部の模様に注目しましょう。

上:オオルリボシ、下:ルリボシ。共に雄。

オオルリボシヤンマの胸部の模様は少し下に突き出るような形になっており、ルリボシヤンマの方は突き出ることなく鋭利に尖っているような模様になっています。

明らかに色が違うから見分けられるだろう!と思われる方もおられるでしょうが、時に微妙な色合いの個体もいるのです。

特にオオルリボシヤンマの黄緑型の雌とルリボシヤンマの雌は、カラーリングが非常に似ており、かつサイズも同じくらいのものがいるのです!

こちらはルリボシヤンマの雌ですが、胸部の模様を見ずに同定するのは、なかなか難しいのではないでしょうか。

しっかりと同定するためには、胸部の模様だけではなく、尾毛(尻尾の先端)も見分けるポイントとして覚えておきたいところです。

上:オオルリ、下:ルリボシの尾毛。

雌はほぼ捕獲しないので、角度のよくないこの写真しか見当たりませんでしたが(苦笑)、尾毛の違いがお判りいただけますでしょうか。

オオルリは比較的細く尖った形状をしており、ルリボシは丸みを帯びた幅広の形状をしています。

トンボファンであれば、やはりしっかりと見分ける方法を会得したいところですね!

Ogi
Ogi

兵庫県や岡山県では、高標高地の場合、オオルリボシヤンマが棲息する場所にルリボシヤンマも高確率でやってきますが、ルリボシのヤゴしか確認できなかった池もあります。ルリボシがいる池=オオルリがいる池、という図式は成り立たないのかもしれません。

オオルリボシヤンマの産卵活動

オオルリボシヤンマは前述した通り、昼過ぎから活発に産卵活動を開始します。

午前中に産卵観察を行った事もありますが、(時期的な物もあると思いますが)昼過ぎの方が圧倒的に個体数も多く、活発でした。

産卵にやってきた水色型の雌

雄が旋回しているのをしり目に、雌は比較的低く飛びながら、スッと水場に現れます。

雄は雌がやってきても 意外と気づかない。この時下に雌がいた。

そして産卵に適した場所を物色し、

様々な角度で、抽水植物や浮葉植物に産卵していきます。このポイント(兵庫県北部)には緑色型もやってくるので、被写体には困りませんでした。

物色して・・・。
降りたって産卵し・・・。
また物色。腹部先端が濡れている。
産卵場所はコロコロ変える。

水色型と黄緑型が混生しているポイントでは、時間帯や場所による棲み分けというのも特にありません。

枯れ葉や朽ち木などにも産卵する。

産卵に熱中する雌は非常に動きが鈍いのですが、時には、

こちらは岡山県北部で撮影。ここでは黄緑型は確認できていない。

このように、腹部が半分程度水没してしまう事もしばしば。浮葉植物の葉よりも、水没している茎の方が安心なのでしょうが。

基本的にはこの姿勢が多いように思う。

こういった雌たちを狙って、雄がやってきます。意外と気づかずスルーしてしまう事も多い雄ですが、

雌が産卵場所を変える為に飛び上がったところを捕捉!そして背後から近づいていき、

このような状態に。

一見すると警護飛翔(自分と交尾した雌の産卵を警護する)に見えなくもないですが、オオルリボシヤンマは警護飛翔をしませんし、ギンヤンマのように連結産卵を行う事もありません

そして、この後雌を連れ去って連結、といった事も非常に低確率なのです。

かくいう私も、上空で交尾態が飛び去るのを見た事はありますが、撮影は出来ていません・・・。

環境を入れて撮影。見事な擬態色。

周囲が薄暗くなる16時過ぎまで産卵は続き、その後雌は軽く摂食飛翔を行い、飛び去って行きます。

そうすると雌の数は一気に減りますが、雄は17時頃まで水場をうろついています。

そして、ミルンヤンマが飛び始めるような薄暗い時間になると、山の中へ消えていくのです。

暗くなった山中で雄のやらせ写真。

シーズン初期は、黄昏時に飛翔する若い個体を見かけることがありますが、成熟個体はあまり黄昏時には見かけないような気がしています。

産卵している雌を探しに来る雄は比較的撮影もしやすいので、是非一度、観察に出かけてみてくださいね。

Ogi
Ogi

産卵中の雌は本当に動きが鈍いのですが、捕獲などはせず、見守ってあげてくださいね。今回登場している雌は、日中に飛翔していた個体と、夕方摂食していた個体を捕獲・撮影し、その後リリースしています(雄も全てリリース)。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

兵庫県では比較的普通種であり、近畿地方でもあちこちに産地がある北方減産種である、オオルリボシヤンマについて詳しくご紹介しました。

これからがまさにオオルリボシヤンマの最盛期となりますので、是非産地を探してみてくださいね。

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