こんにちは、Angler Ogiです。
猛烈な暑さの夏が過ぎ去り、いよいよ本格的な秋が訪れました。
私の大好きなトンボも秋シーズンを迎えましたが、秋のトンボ=赤とんぼのイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、赤とんぼの代表格である2種、ナツアカネとアキアカネに注目してご紹介したいと思います!
↓今回の記事はこんな内容です!↓
- 赤とんぼの代表格、ナツアカネとアキアカネの生態をご紹介!
- ナツアカネとアキアカネの見分け方を判りやすく解説!
それでは早速見ていきましょう!
ナツアカネの生態
ナツアカネは33mm~43mmのトンボで、北海道から九州まで幅広く分布。 アカネ属に分類される しているトンボです。
池や沼、湿地状態になった環境など、比較的幅広い環境に適応できる種の為、秋に野山や田圃を歩ていると目にする機会も多いのではないでしょうか。
私の住む兵庫県では6月頃から羽化が始まり、未成熟個体は生まれた池の近くにある山や林の中で過ごしているようです。
ナツアカネをはじめとするアカネ属のトンボ達は、成熟すると赤い体色になる為、赤とんぼの名で親しまれているかと思います。
しかし、未成熟個体は皆(上写真の個体のように)全然赤くないため(雄も同じような色合い)、赤とんぼのイメージは湧きにくいですね。
さらに未成熟個体は、山の中や林の奥深くに行かないとなかなか出会えないため、おそらく一般の方の目に触れる機会は非常に少ないと思います。
しかし、ナツアカネの成熟した雄は、複眼を含めて全身真っ赤になるため、この頃から「赤とんぼ」のイメージを強く感じる事が出来るかと思います。
一方成熟した雌はというと、あまり赤くならないタイプの通常個体と、背中側が赤くなるタイプ(赤化型)の二種が存在します。
繁殖活動の為に水域に現れ始めるのは、兵庫県では8月下旬ごろから。
9月下旬~10月に入ると、産卵活動が一気に活発になります。
雄は水域に現れると、ある程度の広さの縄張りを持って見張りを行いますが、縄張り意識はそこまで強くないのか、雄同士の追尾行動は軽く行われる程度。
運よく雌を見つけて捕まえると、すぐ傍で交尾態となって静止します。
比較的短時間で交尾を終えたペアは、すぐに水域にやってきて産卵を開始。
交尾態(タンデム状態)のまま、連結打空産卵を行います。
産卵場所は湿地状になった場所や水田を好む傾向にあり、大規模な水田地帯に行けば、比較的簡単に産卵活動を観察できます。
暖かい年であれば11月下旬ごろまで観察できる為、実際のナツアカネ成虫の寿命は3~5カ月といったところでしょうか。
アキアカネの生態
アキアカネは32mm~46mmのアカネで、こちらも北海道から九州まで幅広く分布しています。
ナツアカネよりほんの少しだけ早い5月頃末頃から羽化が始まり、未成熟個体は涼しい高山まで集団で一気に移動。
成熟するまではそのまま高山で過ごすため、未成熟個体に出会うには、高標高地に行くしかありません。
私の住む兵庫県では、7~8月頃に氷ノ山や砥峰高原といった1000mクラスの高山で多数確認でき、9月下旬を過ぎた頃、山を降りてきたアキアカネに、平地の水域で出会えるようになります。
アキアカネの雄は完全に成熟した後も、胸部はそれほど真っ赤にならず、腹部のみ濃い赤色に染まり、胸部は褐色になります。
一方の雌は、ナツアカネと同じように、通常の色合いのものと、赤化するタイプが存在します。
10月に入ると、山から下りてきたアキアカネたちは午前中に活発に産卵活動(連結打空産卵)を行うのですが、好む場所は主に水田と池の湿地状の場所。
農薬が使われている水田では繁殖できない為、瀬戸内側では近年急激に数を減らしているのが気がかりです。
既に大阪では準絶滅危惧種に指定され、このままいけば兵庫県でも同じように絶滅危惧種になってしまうかもしれません・・・。
私の体感ですが、県内でも確認できる場所が随分少なくなったうえ、瀬戸内側は多産する場所もほとんどありません。
日本海側はまだまだ多産地があるので、このまま数を減らさずに頑張ってほしいところです。
近畿地方におけるアキアカネ成虫の最も遅い観察記録は、12月上旬。
かくいう私も、数年前の12月2日に確認しています。
計算上の寿命は4~6カ月程度となるので、ナツアカネより少しだけ長く生きている、というのも面白い所ですね。
ナツアカネとアキアカネの見分け方
様々なところで、ナツアカネとアキアカネが混同してしまうシーンに出会います。
名前にナツとアキが入っていますが、先に書いたように、この二種の発生する季節におおきな違いはありません。
ではどのように見分けるかというと、胸部の黒条に注目してください。
上がナツアカネ、下がアキアカネ(共に雄)です。
ナツアカネの黒条がスパッと断ち切れているのに対し、アキアカネの黒条は先端が細くなっています。
この特徴は雌でもはっきりと判ります。↓
成熟した雄のみ色合いで見分けることが可能ですが、未熟個体や雌は胸部の模様で見分けるのが確実ですね!
慣れてくれば、飛び方や静止している姿だけである程度判別が着くようになります。
写真でも少し触れましたが、アキアカネの雄の胸部の模様(黒条の太さ等)はかなり個体差があり、中には胸部の模様が怪しい個体も存在します。
ただ、ナツアカネのようにスパッと断ち切れるタイプはいないので、この点が判別ポイントとなります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、秋に多く見られる赤とんぼ、ナツアカネとアキアカネに注目してみました。
この二種のアカネ以外の赤とんぼたちに注目した「赤とんぼ図鑑」とも呼べる記事も作成しておりますので、是非ご覧くださいね!
兵庫で生息が確認されている全ての赤とんぼをご紹介しています!!!↓
コメント