赤とんぼ(アカネ属)の種類と生態、見分け方を徹底解説!

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こんにちは、Angler Ogiです。

9月も半ばにさしかかり、いよいよ秋本番。
そんなシーズンに合わせて、先日ナツアカネとアキアカネに注目した特集記事を書きました。

今回の記事では、(上記二種を除く)兵庫県に棲息している16種もの赤とんぼ(アカネ属と言います)について、100枚近い写真を用いて見分け方や生態に注目してご紹介していきます!

また、赤とんぼと勘違いされやすい3種のトンボも併せてご紹介!

↓ナツアカネとアキアカネについてはこちらをご覧ください↓

↓今回の記事はこんな内容です!↓

  • 近畿地方(主に兵庫)で確認できるナツ・アキ以外のアカネ属(赤とんぼ)13種を徹底紹介!
  • 近畿地方に生息していない迷入アカネ属3種も勿論紹介!
  • 赤とんぼと間違えられやすい3種のトンボをご紹介!
  • 各アカネ属達の生態、見分け方を記載しているので、赤とんぼ図鑑として活用してくださいね!

そもそも赤とんぼって?

静止するコノシメトンボの雄。

赤とんぼとは、アカネ属に属するトンボたちのこと。

大きさは30㎜~40㎜ほどのやや小型の種が多いですが、中には50㎜を越える中型の種もおり、現在兵庫県では、有名なナツアカネ・アキアカネを含む18種(在来15種、迷入3種)が確認されています。

大半の種は、成熟すると全身(もしくは腹部)が真っ赤になるため、その見た目から赤とんぼとして認知されています。

当サイトでは、赤とんぼたちのことを、正式名称であるアカネ属としてご紹介していきます。

種類によって全く生態が違う

アカネ属は、見た目が似ていても生態はそれぞれ違っており、棲息する条件も実に様々。

ただ、中には似た環境を好む種もいますし、大きな池などでは場所によって環境が大きく変化するため、同じ池に複数のアカネ属が見られることも多いです。

基本的な生態としては初夏頃に羽化、成熟するまで山中で過ごした後、秋頃に水域にやってくるというのがアカネ属としての特徴となります。

リスアカネやネキトンボが棲息する池。

成熟度合いで見た目が大きく変化

アカネ属のトンボ達は、未成熟の間は黄色味や橙系の色合いがかなり目立つ淡い色をしていますが、成熟すると多くの種が別種のように赤く染まります

大半の種は腹部が上写真のヒメアカネのように真っ赤になるのですが、胸部は真っ赤になるものの他に、褐色になるものもいます。

観察する季節によって見た目が変化するのも、アカネ属の面白い所ですね。

また、「青い赤とんぼ」と言われるナニワトンボは、成熟すると青灰色に!!アカネ属は、実にバリエーション豊かです。

ナニワトンボの成熟した雄。
Ogi
Ogi

今回の記事では、様々な種の成熟度合いが違った個体をご紹介しているので、見比べてみてくださいね!

未熟雄と成熟雌はそっくり?

未成熟なアキアカネ雄。
成熟したアキアカネの雌。

未成熟な雄はまだ真っ赤になっていないのですが、この時のカラーバランスは成熟雌と非常によく似ています

そのため、他のトンボのように体色で見分けようとすると間違えやすいため、 雄の生殖器や尾部付属器の有無等で確認した方が確実です。

初夏~冬に入っても観察できる・・・!?

2012年12月3日に確認したタイリクアカネ雄。

多くのアカネ属は5月半ばごろから羽化が始まり、テネラル(羽化直後)個体は6月に入るまでちらほら見かけます。

逆に何月まで見られるかというと、場所によっては12月に入っても観察することが出来るのです。

実はアカネ属の成虫の多くは、他のトンボ達よりも比較的長生きなんですね。

Ogi
Ogi

過去の記録によると、キトンボは1月末頃まで確認された年もあったようです。私の観察記録でも、オオキトンボは12月頭タイリクアカネやヒメアカネは12月半ばまで確認できていますので、冬のトンボ捜索も面白いですよ!!

観察できる時間帯について

アカネ属が活発に活動するのは、

  • 初夏の羽化・・・午前中(10時ごろまでが多い)
  • 夏場(山中や茂みの中に避暑時)・・・9時頃~12時頃。
  • 8月~9月・・・8時半頃~11時半頃
  • 最盛期の10月~11月頭・・・10時~12時頃
  • 11月半ば~下旬・・・11時~13時頃
  • 12月・・・12時~13時頃

このような感じになります。

本格的な観察が行えるこれからの時期は、私の体感では10時~11時がベストタイム

この時間は多くの種が活発に産卵行動を行っている為、観察と撮影の大チャンスです。

どの月でも午後になると急に数が減ったり、産卵活動が見られなかったりするので、10時過ぎにはポイントに到着していたいところ。

そうすれば、目標の種に出会える可能性がグッと近づくはずですよ!
次の項目からは、アカネ属を一種毎に詳しく紹介していきます!!

↓代表種であるナツアカネとアキアカネについての記事はこちら↓

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アキアカネ似?タイリクアカネ

タイリクアカネは、体長が39mm~49mmと少し大きめで、アキアカネを一回り大きくしたような雰囲気のトンボです。

翅の前縁が褐色気味に染まり、胸部や複眼は褐色。
慣れるとすぐにアキアカネと見分けがつくようになります。

一応九州から北海道まで分布していることが確認されていますが、内陸の方ではほとんど記録が残っておらず、近畿地方でも瀬戸内海側を中心に分布しています。

赤というより褐色っぽい色合いの雄。
全体的に地味な印象を受ける雌。

兵庫県では5月下旬頃から羽化が始まるのですが、私は未成熟な個体に一度も出会った事がありません。

神戸のトンボ様HPによると、集団で移動する例は報告されていない為、おそらく山中に分散して棲息しているであろうという予測があります。

兵庫県では10月頃から水域でよく見かけるようになり、寒さに強いのか12月を過ぎても普通に観察ができる種です。

石の上で暖をとる個体。2012年12月撮影。

好む環境もかなり特殊で、開放的な大きな池や沼の他、汽水域やプール、コンクリ固めの無機質な池で確認されることもあるほど。

海沿いの池でよく見かける、という記載をよく目にしますが、今回掲載している写真を撮影した場所は加西市の内陸部にある大きな池。

近年、少しずつ生息域が広がっているのかもしれません。

連結打水産卵中のペア。時折打泥産卵も行う。

翅に特徴のあるノシメトンボ、コノシメトンボ

池というよりは、池の外周の畦道や畑、田圃脇の草むらなどでよく見かけるのがこの2種。

どちらの種も、翅の先端にノシメ斑と呼ばれる褐色斑(もしくは黒っぽい斑)が入ります。

ノシメトンボは体色が渋めの褐色。コノシメトンボは胸部の模様が勾玉(?)みたいになるという特徴があるので、比較的同定は容易です。

同定とは、生物学における種名を調べる行為の事を指しています。

ノシメトンボ

池の近くに静止する雄。

ノシメトンボは、体長が37mm~52mmとやや大きめのアカネ属です。

成熟した雄の特徴は、なんといっても茶褐色の体色。
これほどまでに渋みのある体色のトンボは他にいません。

九州から北海道まで広く分布しており、どこにでも産地があるかと思いきや、多産地は意外と見つけるのに苦労します。

兵庫県では6月頃から羽化が始まり、未成熟個体は低山地や林縁部で過ごしているようですが、未成熟個体に出会うケースは少ないかと思います。

飛んでいる時は黒っぽく見えるほど。

体色以外での多種との見分け方ですが、翅の先端にはかならずノシメ斑が入るため、成熟雄の同定は比較的容易です。

一方の雌はというと・・・。

他のアカネに比べて、多少褐色気味かなといった程度。リスアカネやマユタテアカネ(ノシメ型)の雌とよく似ていますが、

  • 胸部の黒条が太く目立ち、かつ翅の付け根までしっかり届いている
  • 顔に眉状の模様はない(もしくはかなり薄い)

この2点で見分けることが可能です。

好む環境はやや特殊で、開放的な湿地・水田・池や沼。

かつ近くに草原のような草むらがないとだめであったり、水抜きされた池の縁の草むらで産卵したり、といった具合です。

水域にやってくるのは8月下旬~9月頃とされていますが、体感的には10月の頭が最も活発に活動しているように思います。

湿生植物の間で産卵中のカップル。卵がうっすらと見える。

産卵は連結した状態で行ったり(上写真)、

雄が警護飛翔する状況下で単独で産卵したりします。

活動自体は、11月下旬ごろまで行っているようです。

コノシメトンボ

コノシメトンボは体長36mm~48mmのアカネ。

胸部の模様は胸部中央でつながるような形状をしており、翅にはノシメ斑が入るので、比較的見分けるのは容易な種です。

九州から北海道の一部まで棲息していますが、兵庫や東北、九州、北海道の一部では記録されていない地域があります。

兵庫県では6月半ばから羽化が始まり、未熟個体は林縁部で生活しているため、山歩きをしているとちょくちょく未成熟な個体に出会います。

成熟雌。胸部の模様が特徴的。

棲息環境ではないような場所で突然1頭だけ発見といった事がちょくちょくあるため、移動力が比較的強い種だと思われます。

好む環境は開放的な水田や池・沼で、時折プールからヤゴが発見されるケースも。
植生はあまり関係ないんですね。

雌を探す成熟雄。

水域にやってくるのはノシメトンボと同じような時期で、10月頭によく目にします。

連結打水産卵中のペア。
雌の腹部はかなり深くまで水没している。

産卵形態は基本的に打水・打泥。

連結したまま産卵するのが一般的ですが、雄の警護飛翔のもとで雌が単独で産卵したり、最初から単独産卵を行う事もあるので、特に明確には決まっていないのかもしれません。

記録上は12月頭まで見られる種ですが、いつも11月下旬頃には激減している印象です。

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よくみかけるマユタテアカネ、リスアカネ

この二種は、アカネ属の中では最もよく見かける二種と言っても良いかもしれません。

大きな池の周囲に薄暗くなっているところがあれば大抵棲息しており、マユタテアカネに至っては、河川の淀みなどでも普通に見かけることがあります。

マユタテアカネ

交尾態。

マユタテアカネは、体長が30mm~43mと小型の種で、九州全域~北海道全域まで非常に広く分布しています。

適応できる環境は池や沼、湿地といった場所から、河川の淀みや水田。開放的でも閉鎖的でも棲息でき、適応範囲も広いのが大きな特徴でしょうか。

そのため、どのトンボポイントを訪れても大抵棲息しているというほど、ポピュラーな種なのです。

マユタテアカネの名前の由来となったのは・・・

公園の草むらなどでも見かけたりする未熟な雄。

この特徴的な額の眉毛模様(濃いめ)。
この模様は成熟しても変わることなく、

雄雌ともに常に目立っているので、見分けやすいと思います。

また、雌の翅の模様は2タイプあり、翅全体が透明なタイプと、

このように翅の先端部が色づくタイプ(ノシメ斑型と言います)が存在するのも面白いところ。

雄は尾の先端(尾部付属器)が上に反り返っている為、静止しているシルエットだけでも同定が可能です。

兵庫県では5月から羽化が始まり、6~7月には未熟個体が至る所で見られ、8月下旬には水域に出て産卵活動を行っています。

河川での産卵活動。2013年10月に撮影。

雄は比較的縄張り意識が強く、静止している際に他のトンボが近づくとすごい勢いで追い払いに行きます(時折追い払われます)。

11月下旬頃までは安定して見られるため、トンボ家にとっては一番目にする機会が多いアカネ属かもしれません。

リスアカネ

こちらも、マユタテアカネと並んでよく見かけるアカネ属です。

体長は31mm~46mmという普通のアカネサイズで、九州~北海道の一部まで分布しています。

北海道の個体群は翅にノシメ斑がなかったり、本州の物より一回り小さいため、ヒメリスアカネという別亜種として扱われています。

北海道富良野で確認したヒメリスアカネの雌。明らかに小さい。

兵庫県では5月下旬ごろから羽化が始まり、未熟個体は池の傍の山中や林道に入って生活しているのですが、成熟が早いのか8月頃から産卵を観察できる種でもあります。

連結したまま産卵。この後雌が単独産卵に移った。

樹林に囲まれた池や沼を好み、秋に岸部が露出する状態(池の水抜きを行う環境など)の池等でよく見かけます。

また、樹林に囲まれた環境の小規模河川の淀み等でも見かけるため、(兵庫県下においては)比較的適応範囲が広い種ではないでしょうか。

成熟した雄。

成熟した個体でも胸部はほとんど赤くならず、翅の先端に黒い斑(ノシメ斑)が入り、かつ胸部の黒条は翅の付け根(胸上部)まで到達しない、というのが見た目の特徴。

様々なアカネ達の特徴を少しずつ持ったようなトンボなので、トンボ家を始めたときは見分けるのに少し苦労した思い出があります。

年に二度見られるネキトンボ

成熟した雄。

ネキトンボは、体長が38~49mmの中型のアカネ。

1年1世代型が基本のアカネ属において、珍しく1年に2化(初夏と秋)することもある種で、名前の由来は翅の付け根が濃く色づくことから、根黄トンボとなったようです。

ネキトンボはとにかく枝の先端が好きなようで、池脇にある樹林の先端部に、よく静止しているところを見かけます。

枝の先端に静止する成熟雌。やはり翅の付け根の色は濃い。

兵庫県では4月下旬と9月頃に羽化の時期が来るようで、最も早い時期から見られるアカネ属でもありますが、 秋の方が圧倒的に個体数は多いように感じます。

未熟個体たちは生まれた池の近くの山中に入るようですが、かなりの高標高地でも未熟~成熟個体を確認出来ているため、棲息環境に標高は関係ないのかもしれません。

胸部の太い黒条も特徴の1つ。

成熟すると全身真っ赤になり、胸部がガッチリしている印象を受けます。

8月に縄張り占有していた雄。

好む環境は、平地~産地にある、樹林に囲まれた池や沼。

どちらかというと閉鎖的な環境を好むような印象があり、大きく開けた池ではあまり見かけません。

産卵にやってきたカップル。

タンデム状態で池を訪れたペアは、そのままのスタイルで打水産卵を行う事もあれば、上写真のように雄が警護飛翔するケースもあるようです。

少し珍しい?ヒメアカネ、マイコアカネ

比較的よくみられるアカネ属が多い中、近年数を減らしているのが、ヒメアカネとマイコアカネ。

どちらの種も、池の一部が湿地状になった環境を好むというやや特殊な生態をしており、湿地が減ってきている現状では種の存続が心配になります。

それでもため池の数が多い兵庫県では、まだまだどちらの種にも出会えるので、頑張って探してみてくださいね。

ヒメアカネ

ヒメアカネは、体長が28mm~38mmと、アカネ属の中でも特に小型のトンボ。

九州~北海道まで分布していますが、北海道や四国では棲息している場所がかなり限られるようです。

他の種よりも発生が少し遅めで、羽化が始まるのは6月下旬~7月頃。

未成熟な個体は、羽化場所周辺の林縁部で過ごしている為、林道を散策しているとよく未成熟個体に出会います。

未成熟な雄。額は真っ白で模様はない。
こちらは未成熟な雌。

羽化が遅い分、水域に出てくるのもかなり遅めの時期で、兵庫県では10月半ば~11月頭が最盛期

11月下旬でも産卵活動を確認できるだけでなく、12月半ばまで棲息を確認できるので、寒さにはかなり強いと考えられます。

11月下旬に確認した個体。

好む環境は、周囲を樹林に囲まれた湿地や廃棄水田、休耕田など。

多少水の流れがあった方が良いようで、山中にあるそういった場所は、大抵多産地になっています。

寒い時期は白い所に止まって輻射熱を得る。

近年は湿地の減少や、休耕田の乾燥化などの原因で大きく数を減らしており、今後の動向が非常に心配な種です。

マイコアカネ

半成熟の雄。

近年、兵庫県内でも特に数や産地が減ってきているのがこちらのマイコアカネ。

体長は29mm~40mmとやや小型で、分布域は広いものの産地はかなり限られています。

近畿地方でも大阪と奈良ではすでに準絶滅危惧種に指定されていますし、絶滅危惧Ⅰ類やⅡ類に指定されている県もあるほど

成熟した雄。

好む環境はかなり厳しめで、抽水植物が繁茂する池や沼、湿地

ごくまれに流水環境でも発生しているようですが、それは湿地のような状況になっている場所だと考えられます。

兵庫県では6月中旬辺りから羽化が始まり、未成熟個体は発生源の近くの草むらや、付近の林の中で過ごします。

このことからも、発生源である池は植生が非常に豊かでないといけない、といった事などが判ります。

マイコアカネの大きな特徴は、この青白い顔。

この顔が舞妓さんのように見える為に、マイコアカネと名付けられたようです。

さらには、胸部の模様も非常に特徴的。

捕獲が刺激になって産卵を始めてしまった雌。即リリースした。

雄も雌も、このように非常に複雑な模様している為、見間違えることは無いかと思います。

交尾中のペア。

兵庫県では9月頃から水域に現れ始め、9月末~10月の頭頃に活発に活動しています。

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珍しく流水を好むミヤマアカネ

成熟した雄。

ミヤマアカネは、体長が30mm~41mmの小型のアカネ。

アカネ属では非常に珍しく、植生が豊かな緩い流れや田圃脇の用水路、大河川の河川敷などの流水環境を好みます。

標高はあまり関係ないようで、海の近く~平地~低山地、果ては標高800mを超えるような高山地でも確認できています。

が、兵庫県を含む近畿地方の各県では準絶滅危惧種に指定されており、近畿地方全域で数を減らしているため、今後の動向が気がかりです。

兵庫県では6月下旬頃から羽化が始まり、流れ付近の草むらや、水辺から少し離れた草地などに固まって棲息しているシーンによく遭遇します。

さらには、なんの変哲もないため池や、明らかに生息環境が近くに無い場所で1頭だけ発見したりもするので、棲息場所を求めて移動することもあるのかもしれません。

若い雌。

種としての特徴は、なんといっても翅のバンド状の模様。
この翅の模様はアカネ属ではミヤマアカネだけですから、見間違えることはありません。

半成熟だと、このようにまだら模様になるものも。

水域で活発に活動を始めるのは、高標高地だと8月下旬~9月下旬、平地だと10月頭が最盛期。

棲息地である流れのすぐ脇に静止し、交尾を行います。

その後、連結状態のまま産卵を開始。基本的には打水産卵を行いますが、

時折打泥産卵も行うため、上写真のように腹部を深く突き刺す姿も見受けられます。

記録上は12月上旬まで残っていますが、11月以降になると一気に数が減少し、11月中に姿を消しているイメージです。

青いアカネ!?ナニワトンボ

ナニワトンボは体長が32mm~39mmの小型のアカネ。

アカネ属は赤いトンボが多い中、 ナニワトンボは成熟すると青灰色になるため、青いアカネと呼ばれています。

日本特産種で、瀬戸内海に面した場所と、四国・広島の一部でしか確認されておらず、棲息環境のあまりの特殊さから、近年さらに数を減らしている絶滅危惧種(全国でⅡ類)です。

兵庫県では6月下旬頃から羽化が始まり、未熟個体は羽化場所からあまり離れずに林縁や枝先等をウロウロ。

8月~9月には既に水域に出てきており、池の水が落とされるのを待っているのです。

2011年7月23日に確認した羽化直後の個体。まだ青くない。

棲息環境ですが、周囲に松が茂っている平地~丘陵地にある池を好みます。そのため、産地を探すときはまず松林を探すところから始めるほど。

また、ナニワトンボが好む産卵場所も非常に特殊。

水が落とされて底が露出した池の岸辺に好んで産卵するため、秋に水抜きをされる灌漑用水用のため池が最適なのです。

額にはマユタテアカネと似た模様がある。
単独で産卵する雌。

近年はため池の水抜き管理がなくなった場所も増えてきたため、それに合わせるように、ナニワトンボの産地も減ってきているように感じます。

産卵中に休止する若い雌。
成熟雌はうっすらと白っぽくなる。

雌の翅は基本的には透明ですが、中にはノシメ斑が入ったタイプも存在するようです。

超貴重種であるマダラナニワトンボ

マダラナニワトンボは、全国で絶滅危惧ⅠA類に指定されている、超が付く貴重種です。

今回ご紹介している写真は、親友Takaが県外の某産地を訪れた際に撮影した写真を譲ってくれたので、そちらを使用しております。

私自身はまだ生きている個体に出会った事はありませんが、いずれは出会ってみたいトンボです。

体長は32mm~40mm、アカネ属でありながら、成熟すると黒っぽくなるのが最大の特徴。

かつて近畿地方に産地が多数あったころは、7月下旬から羽化を開始し、9月下旬~10月が最盛期、11月あで観察できる種であったようです。

兵庫県下では、数年前に1か所でだけ成虫が目撃されており、その後は観察記録が残っていません。
兵庫県内では絶滅してしまった可能性すらあります。

その1か所を今年6月に訪れた所、環境が壊滅的な状態になっていました(植生がほぼ全滅)。
もう兵庫のマダラナニワトンボは絶滅した可能性大です・・・。

全体的に黒っぽいシルエット。

このむ環境としては、周囲が松林に囲まれている水質の良いため池。

一部が湿地化していたり、植生が豊かであることが条件な上、水抜きなどの管理も行われていないと棲息できないようで、こういった特殊な生態が、数を減らしている大きな要因。

現在は日本全国に視野を広げても産地は20か所程度しかないようで、各地で保護が叫ばれている種です。

私個人的な目標としまして、なんとか兵庫県内で成虫を確認・撮影したいと思っていますが、果たしてその目標は叶うのでしょうか・・・。

産卵にやってきた雌。

水辺での活動時間は10時~12時頃が特に活発なようで、実際に観察を行ったTaka曰く、観察日は13時前の段階でほぼ消え去ってしまった、との事です。

兵庫県でも出合える日が来るのか・・・!

マダラナニワトンボの詳しい生態については、神戸のトンボ様HP、マダラナニワトンボのページに詳しく紹介されておりますので、そちらをご覧ください(外部サイトに飛びます↓)。

黄色いアカネ!?キトンボとオオキトンボ

ナニワトンボが青、マダラナニワトンボが黒っぽく、ノシメトンボは茶色っぽい。

そして次にご紹介する二種は、なんと黄色~橙色っぽい体色をしています。

キトンボ

キトンボは体長36mm~47mmのトンボで、前身が黄色っぽい体色をしているのが特徴。

成熟する頃には、黄色っぽい体色は鮮やかな橙色におり、目立つ体色は枯れ草に静止した時に保護色になります。

本州を中心に、九州や北海道、四国にも分布しており、寒さに非常に強い種として知られています。

好む環境としては、水質の良い植生が豊富な池。
ただ、それほど植生が無い水抜きされる池でも目撃することがあるので、一概には言えません。

兵庫県では6月下旬~7月から羽化が始まり、未成熟な個体は水域を離れて生活。
羽化直後を除き、あまり人の目に触れる機会はないと思われます。

過去に、県内の高標高(800mクラス)の山中にある池脇の草むらで未熟個体を確認したことがあるのですが、その池で発生したのか、移動してきたのかは定かではありません。

未熟個体。

水域にやってくるのは10月頃で、特に11月頃に多いように思います。

その後気温が下がり始めても活動を続け、遅い年では年が明けた1月に産卵が確認されたことも!!

11月下旬でも元気にホバリング。この時の気温は13度程度だったように思う。
ペアで岩場に静止し、輻射熱を得てから産卵に移る。

私の観察記録でも12月半ばまで確認できているので、毎年いつごろまで見られるのか、興味は尽きません。

オオキトンボ

オオキトンボは体長44~52mm。アカネ属としては比較的大きくなるトンボです。

日本全国で絶滅危惧ⅠB類に指定されており、絶滅してしまった県もあるほど数を減らしていますが、兵庫県では比較的産地が多く残っている種でもあります。

それでも絶滅危惧Ⅱ類(Bランク)に指定されているので、いつ数が減ってしまってもおかしくない状態なのが気になるところ。

キトンボと比較すると茶褐色っぽい体色が目立ち、かつ翅の付け根が濃く色づかないので、この点で容易に見分けることが出来ます。

雌を探してホバリング中の雄。

兵庫県では7月上旬から羽化が始まり、羽化後しばらくは周辺の草むらで見かけますが、夏場どこで過ごしているかはまだ判っていません。

移動力が比較的強い種なので、山中や樹冠部で生活しているといった予測が立てられています。

好む環境としては、水抜きを行う(もしくは水位が著しく低下する)池であるという事が絶対条件。

さらに開放的な環境で、かつ抽水植物があったり、周囲に草むらがあるといった好条件が整えば、多産する可能性もあります。

兵庫県の水域にやってくるのは10月頃からで、兵庫県では10月半ばあたりにピークを迎えますが、これは多くのため池で水抜きを行う時期と重なります。

Ogi
Ogi

過去に本種を確認している産地であっても、水抜きが行われるまではほとんど姿を見かけないのが面白いところです。

産卵は必ず池の浅瀬(底が露出しているような場所)で行われ、連結状態のまま打水産卵や打泥産卵を行うほか、時折雄の警護飛翔下で、雌の単独産卵を見かけることもあります。

ダイナミックに泥に突き刺すような動き。

記録上は11月下旬まで観察できるようですが、私の感覚では11月半ばには数が激減しているイメージなので、最盛期は短く感じています。

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迷入種:スナアカネ、オナガアカネ、タイリクアキアカネ

近畿地方では、南西諸島からの迷入種として3種類のアカネの飛来が確認されています。

かくいう私も、数年前に親友Takaとあちこちを探し回り、見事3種の撮影に成功しました。

スナアカネ

2017年10月に撮影した成熟雄。

スナアカネは、アジア各地方やアフリカ、インド、ヨーロッパ等にも生息している、体長37mm~46mmのアカネです。

極まれに日本国内でも羽化が確認されますが、基本的には南西諸島を含めて定着していないと考えられており、ほぼ全てが海外からの飛来(迷入)だとされています。

特徴としては、何と言ってもこの体色。

赤い胸部に砂のような白っぽいラインが入る上、複眼の下半分が白っぽく色づいているため、同定は比較的容易。

日本海側や九州、瀬戸内海、太平洋の一部などで飛来が確認されており、鹿児島などでは毎年飛来が確認されています。

9月~10月の台風が過ぎ去った後、海沿いの開放的な池に多数飛来していることが過去に何度も確認されているため、風に乗って飛来してくる説が今のところ有力です。

交尾中のペア。

2017年、私がTakaからの情報で兵庫県内のとある池を訪れたところ、池中にスナアカネがおり、「この池で発生しているのでは」と思ってしまうほどの多産ぶりでした。

後に判明した事ですが、2017年はスナアカネの記録的飛来年だったようで、全国各地でも同じような状況が報告されたようです。

産卵場所を探すペア。
浮かぶゴミに向かって打水。

この時の捜索の様子は、過去記事ブログからリライトした記事を掲載していますので、是非ご覧ください。↓

オナガアカネ

2012年10月半ばに観察した成熟雄。

オナガアカネは朝鮮半島・中国・台湾・ロシア辺りからの飛来種。
日本国内では対馬でのみ定着が確認されています。

体長は29mm~42mmのやや小型なアカネで、雄は尾の先端近く(腹部第7節)が下方に張り出しており、雌は産卵弁が後方へ突出。

その姿から、尾長アカネと名付けられました。

雄。ヒメアカネやマイコアカネと少し似ている。
雌。明らかに産卵弁が長い。

尾以外にも、雄の額面が真っ白というのも大きな特徴の1つ。

雌も多少白っぽいですが、雄ほどではありません。

驚くほど白い顔。ヒメアカネとは質の違う色合い。

私が確認したのは京都の日本海側で、瀬戸内海や兵庫県の日本海側ではまだ確認できていません。

北西季節風が吹いた後に大陸から飛来してくる説が有力なため、風の情報に注目しておくのが、出会える確率を上げる方法でしょうか。

遠目からでも腹(尾)の部分が張り出しているのが判る。

近畿地方では10月頭頃から北西季節風が吹くため、日本海側の開けた水田や湿地、植生豊富な池などを訪れると良いかもしれません。

タイリクアキアカネ

タイリクアキアカネは、オナガアカネと同じく朝鮮半島・中国・台湾・ロシアの他、ヨーロッパにも生息する飛来種。

日本国内では対馬でのみ定着が確認されている、体長29mm~40mmのアカネです。

見た目はアキアカネに酷似しており、慣れないと見分けるのが大変ですが、

  • アキアカネに比べて胸部が小さい(バランス的に腹部が長く見える)
  • アキアカネに比べるとかなり胸部の毛量が多い(個体差あり)
  • 額面はやや白っぽく、黒い模様の凹凸が目立つ(個体差あり)
  • 胸部の黒条は短め
  • 翅脈の色が濃い目(橙色っぽい)

このような特徴があります。

個人的には観察機会が少なく(上写真個体を含め、この時の捜索で雄を2頭捕獲したのみ)、色々と謎に包まれたままのトンボですが、平地の植生豊富かつ開放的な湿地や水田を好むようです。

瀬戸内側では記録がかなり少なく、10月頃に日本海側で確認されることが多いようなので(私も京都の日本海側で発見)、ご興味あります方は探してみてはいかがでしょうか。

赤とんぼではない、赤(っぽい)トンボ

赤とんぼ=赤いとんぼ、と認知されている方も多いかとおもうのですが、生物分類学上は、「赤いとんぼ=アカネ属」ではありません。

では、アカネ属に属さず、赤とんぼと勘違いされやすい種はどのトンボなのか??3種類ご紹介します。

ウスバキトンボ

一番多いのが、こちらのウスバキトンボ

お盆を超えた頃から急激に数が増え、秋口になるとあちこちを飛び回っている為、秋=トンボのイメージをお持ちの方は、大抵このトンボの事を言っておられます。

成熟しても橙色のままで赤くなることはなく、草むらどころか駐車場や都会の道路の上までどこでも見かけますが、なんとウスバキトンボは本州には定着していないのです!

南西諸島で羽化したウスバキトンボは、命の続く限りひたすら北上を続けて産卵。
卵から成虫になるまでは、なんと僅か1カ月半程度

その後羽化した成虫はまたひたすら北上していき、毎年北海道に入った辺りで気温が下がってくるため、全て力尽きます。

水中に残された卵やヤゴは、気温や水温の低下に耐えきることが出来ず(低水温で越冬できない)、全て死滅してしまうのです。

こんな生態をもったトンボはウスバキトンボしかいませんが、あまりの普通種ぶりに、この種の凄さを忘れてしまいそうになります・・・。

ショウジョウトンボ

このトンボを赤トンボと呼ばずしてどうする!!というレベルの、真っ赤なトンボです。

翅の付け根まで橙色に染まり、複眼~尾の先まで見事に真っ赤になるこちらのショウジョウトンボですが、種としてはシオカラトンボに近い仲間となります。

雄の色合いはネキトンボにかなり近いですが、ネキトンボは胸部に太い黒条が走るのに対し、ショウジョウトンボの胸部はただの真っ赤。

本当に、赤一色のトンボなのです。

一方、雌は赤くなく、どちらかというと黄色味が強く感じられるカラーリング。

慣れていないとオオキトンボと見間違えてしまいそうですが、ショウジョウトンボは翅の付け根が濃く色づきますので、この点で見分けることが出来ます。

ハッチョウトンボ

日本最小のトンボとして知られるハッチョウトンボ。

こちらも真っ赤な体色ですが、分類学上はアカネ属ではありません。

体長はわずか18mm~22mm程度で、1円玉と比べると、その大きさがよく判ります。
他の種と見間違えることも無い、驚きのサイズ感をご覧ください!↓

驚きのサイズ感。

水質が酸性に傾いている湿地や休耕田という非常に特殊な環境を好むため、近年各地で数を減らしています。

兵庫県でも長年Cランク(準絶滅危惧種)だったのが、近年Bランク(絶滅危惧Ⅱ類)に格上げされてしまいました。

半成熟雄の色合いは独特で美しい。

以前観察できていた場所で、今年は確認できなかったのが非常に気がかりです。

2020年6月、有名な産地である網引湿原にて観察を行っています↓

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アカネ属を観察できる場所の条件とは?

ここまで各種ごとに特徴を挙げてきましたが、実際にアカネ属が棲息している場所の条件はどのようになっているのでしょうか。

兵庫県の棲息地を実際に見ていきましょう。

池その①

こちらは、ご覧の通り植生はあまり無く、本当にただの「ため池」といった雰囲気です。

周囲を樹林に囲まれている他、大きなポイントとして、秋に水抜きが行われるという事と、周囲には松が豊富にあるということ。

このポイントで実際に見られるアカネ属は・・・。

ナニワトンボ、リスアカネ、マユタテアカネ、ナツアカネ、アキアカネ、ネキトンボ、ヒメアカネ、キトンボ

このようになります。

松林に囲まれた、水抜きをする池を好むナニワトンボは比較的多く、同じように水抜きされる環境を好むリスアカネも多産。

マユタテは大抵の環境で生息できますし、ナツ・アキ辺りは実際の繁殖地ではなく、避暑に訪れていたものだと思われます。

ネキやヒメは産卵こそ確認できていませんが、棲息環境としてはある程度整っているため、この池で発生している可能性が高いと感じています。

また、環境的にはコノシメトンボやタイリクアカネが棲息していてもおかしくない環境です。

池その②

こちらの写真は、数年前の10月に訪れたときの様子です。

ご覧のように、水抜きされた池の底が露出しており、近くには木々が存在。さらに、ところどころ湿地のような状態になっています。

このポイントで実際に見られるトンボは・・・

オオキトンボ、キトンボ、コノシメトンボ、ナツアカネ

アカネ属の時期にしか観察に来ない為、実際に確認した種のみになります。

やはり水抜き管理がしっかり施された池なので、オオキトンボが多産。キトンボも混ざり、コノシメトンボやナツアカネもそれなりに確認できました。

ノシメトンボやタイリクアカネなんかもいそうな雰囲気だったので、上記に挙げた以外のトンボがいても、何ら不思議はなさそうです。

→2020年10月に再訪したところ、予想通りノシメトンボ・タイリクアカネ(多産を発見しました!
さらに、リスアカネ・マユタテアカネの他、マイコアカネも多産するほどの素晴らしい池でした。

池その③

こちらは、池というよりは傍の草むらがメインのポイント。

背丈の高いこの草むらの中から出てきたアカネ属は・・・。

オオキトンボ、マユタテアカネ、ノシメトンボ、マイコアカネ、ナツアカネ、アキアカネ

この池も水抜き管理されるためか、オオキトンボは豊富。

その他、池と草むらの間が湿地っぽい状態になっていたためか、ノシメトンボやマイコアカネもちらほら見られました。

ナツアカネやアキアカネは、この池から水を弾くであろう近くの水田にも棲息していたため、棲息地と言っても良いのかもしれません。

→2020年10月に再訪したところ、開発が進んで入れなくなっていました・・・。

池その④

こちらの池は、私の定点観察地。10月に訪れた際の写真です。

この池は本当にアカネ属が豊富な他、多種多様なトンボが確認できます。その中からアカネ属をピックアップすると・・・。

ナツアカネ、アキアカネ、マイコアカネ、マユタテアカネ、リスアカネ、キトンボ、オオキトンボ、タイリクアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ナニワトンボ(ネキトンボ、ヒメアカネ)

継続的に観察できている種は、なんとアカネ属だけで10種
ネキ・ヒメアカネは数度しか確認できていませんが、それでもすごい数です。

山間にあるそれなりのサイズの池で、秋には勿論水抜き管理が行われています。

近くには林道があるため、この林道にリスやマユタテが集まり、付近の草むらにはノシメやコノシメ、マイコアカネが。

さらに、池の上ではオオキトンボやキトンボの他、タイリクアカネも多産。ナツアカネやアキアカネは少数を毎年確認しています。

正直なところ、アカネ属観察は殆どこの池で事足りてしまうレベルの池なのです。

植生もある程度大事ではあるものの、やはり水抜き管理されているという事と、底が泥底であるという事。

さらには、池の周囲に草むらや林道があるというのも、非常に大きなポイントのようです。

ミヤマアカネの環境

こちらは、高標高地にあるミヤマアカネが多産する場所。

草むらの間に細流が流れており、この付近を中心にミヤマアカネが飛び交います。

また、この場所はアキアカネの避暑地にもなっており、ミヤマアカネとアキアカネのみが多数確認できる場所となっています。

樹林が隣接して、細流(礫底)が草むらに囲まれているような状態の場所を見つけることが出来れば、ミヤマアカネに出会える確率がアップするかもしれません。

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終わりに

いかがでしたでしょうか。

今回はナツ・アキアカネ以外の、近畿地方で確認できる赤とんぼ全てを写真付きでご紹介しました。

これからの季節は、実に多種多様な赤とんぼ達の全盛期!!是非、フィールドで探してみてくださいね!!

長い長い今回の記事、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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