ギンヤンマの生態や観察方法、捕まえ方をご紹介!

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こんにちは、Angler Ogiです。

梅雨が明けて、いよいよ本格的な夏が到来しました!小学生のお子様がおられるご家庭では、

夏休みに昆虫採集に出かけたい!!

という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、私の大好きな昆虫であるトンボの中から、ギンヤンマについてご紹介しようと思います。

何故ギンヤンマなのか?と言いますと・・・!

  • 普通種のため、多くの場所で観察することが出来る上に、春~秋まで見られる
  • その反面、子供のころは捕獲するのが大変難しく、子供たちにとって憧れのトンボ
  • 実はギンヤンマは一種類ではない!!
  • 奥が深い生態なので、自由研究の題材にも最適!
  • レアな同色型♀を捕獲出来たら超ラッキー!!

いかがでしょう、普通種でありながら実に魅力的な種だと思いませんか??(笑)

トンボ家として約10年活動している私の、ギンヤンマに対する個人的見解を纏めていきたいと思います!

↓【今回の記事はこんな内容です!】↓

  • ギンヤンマの生態について詳しく解説!
  • 近畿で見られるギンヤンマの仲間もご紹介!
  • ギンヤンマの捕獲方法も解説!
  • 夏休みの自由研究のテーマにいかがでしょうか?

ギンヤンマってどんなトンボ?

飛翔中の雄。旧ブログからの転用。

ギンヤンマは、沖縄から北海道まで広く分布する、ヤンマ科のトンボです。

体長は65mm~84mmで、トンボとしては中型~やや大型なサイズ。胸部がガッチリした体格の為、比較的大きく見えるトンボです。

背面からみると、春~夏型はこのサイズ。

カラーリングとしては、胸部も複眼も黄緑色。ではなぜ「キミドリヤンマ」ではないのかと言いますと、

赤丸のカラーに注目。

ご覧の通り、腹部の付け根(裏側)が銀白色なんです。

この部分が水色の部分と共にかなり目立つため、ギンヤンマと名付けられたと言われています。

開放的な環境を好み、大きな池や沼の他、淀み(ワンド)がある川、湿地、果てはプールや大きめの水溜まりでも生息できるほど、適応環境が広いのも大きな特徴です。

飛翔スピードはかなり速く、条件が整ったときの飛翔速度は時速約60㎞に達するともいわれています。

その反面、狭い池で雄が雌を探している時(探雌飛翔)は、時折ホバリングを交えながらゆっくりと飛翔する姿も見受けられます。

ギンヤンマはどの時期に見られるの?

近畿地方でのギンヤンマ春~夏と秋頃に二度発生する、という興味深い生態があり、我々トンボ家の間ではこれを「年二化」と表現します(1年に2回羽化する、という意味)。

幼虫で越冬したと思われる個体が4~5月頃羽化し、5~7月にピークを迎える通称:春型(夏型とも)。

早生まれの春型が5~6月に産卵、1~3週間程度の卵期、2~3カ月の幼虫期を経て、7~8月に羽化し、9月に活発に活動する通称:秋型

この秋型が9~10月に産卵、多くのヤゴが終齢幼虫として越冬、春に羽化する、というサイクルが出来上がっているのです(終齢手前で越冬するヤゴもいます)。

羽化はどちらのタイプも夜間~早朝に行われるため、羽化観察をする場合は、ヤゴを捕獲して自宅で観察するのがオススメ。

私の経験上春型のギンヤンマは、秋~春に飽食するせいか大型が多く(80mm程度の物が多い)、二化目のギンヤンマは幼虫期間が短いせいか小ぶりな個体が多いのも、特徴の1つかと思います。

Ogi
Ogi

比較的大型になるヤンマ科の他のトンボ達は、幼虫である期間が半年~2年程度と長いものが殆どなので、ギンヤンマの幼虫期の短さは特筆すべきレベルです。

この記事を書いている7月末の時点では、まだ一化目の個体が多く飛び交っているので、全体的に大きなギンヤンマを観察することが出来るはずです。

南西諸島では年中成虫が発生しているようで、年に何度も産卵→羽化している為(年多化)、当然ながら春型と秋型の区別などはありません。
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ギンヤンマの雄と雌

交尾中のギンヤンマ。上が雄、下が雌。雌の腹部にも銀白色が見える。

ギンヤンマの雄は比較的どこでも見られるため、観察するチャンスは多いかと思います。

ギンヤンマの雄(2019年7月撮影)

こちらがギンヤンマの雄です。

棲息地に行けば時間帯を問わず飛んでいる姿が見られます。

とりあえずある程度の規模の池に行けば出会うことが出来る、というレベルですが、朝8時~10時頃と、14時~16時頃が最も捕獲しやすいイメージです。

一方、

ギンヤンマの雌(2011年8月撮影)

こちらがギンヤンマの雌。

雄よりもずんぐりむっくりしており、脚の赤茶色と腹部の枯れ枝色が比較的目立ち、水色の部分がほぼ無い為に、胸部の黄緑色がより強調されて見えます。

雌は「池の周りを飛び回る」という事はほぼない為、産卵に訪れた所を狙うか、黄昏飛翔の時間帯を狙うかの2パターンとなります。

黄昏飛翔とは、黄昏時(夕方18時~19時半頃)に大空を飛び回りながら摂食(時に求愛行動や生殖活動)を行っている様子のことを言います。黄昏時に活発なトンボの殆どは、暁(夜明け前後)にも活動しています。
交尾帯での産卵。
こちらも交尾態での産卵。姿勢は特に関係ない。
単独で産卵中の雌。

ギンヤンマは黄昏飛翔性も比較的強い為、18時~19時ごろに開けた池の上空を飛んでいるところを狙うのも、実は効率が良い方法かもしれません。

Ogi
Ogi

出来れば産卵中の雌は捕獲せず、黄昏飛翔時を狙ってもらえると嬉しいです!捕獲した場合は、観察後リリースしてあげてくださいね。

ただ、たまに公園の草原の上や、池の間のあぜ道を普通に飛んでいたりもするので、どこで捕獲できるかわからないのも面白いところ。

黄昏飛翔については、こちらのページでも別のトンボを題材に詳しく解説しています。↓

同色型の雌

さらに、ギンヤンマの雌には面白いタイプの個体もいます。それがこちら。↓

2011年9月に撮影。

同色型と呼ばれる、雄と同じ配色パターンの雌です。

激レアというほどではないものの、通常の雌と比べると圧倒的に少ないので(多産する池もあるようですが)、見つけたら超ラッキー!といった所でしょうか。

午前4時半に発見した羽化中の同色型雌(後翅欠損個体)。独特の色合い。

私も年に数度見かける程度なので(見れない年もある)、是非狙ってみてくださいね。

交尾中の個体を見かけたら、そっと見守ってあげてくださいね!

ギンヤンマの捕まえ方

捕獲する場合は、ギンヤンマの生態を軽く把握しておくことがポイントとなります。

そのポイントとは、

雄の飛翔ルートはある程度決まっており、池の周囲を(比較的)直線的に飛び、ある程度の距離までくるとUターンする為、ターンする場所を把握するか、岸に近い所にくるポイントを見定める。

これだけです。

実際に捕獲する時は、トンボは(後方を含めて)ほぼ全方位を複眼で捕捉している(見えている)ため、唯一の死角となる斜め後方・やや下向きから網を素早く被せるようにします。

こんな感じで、斜め後方に網を持ってくるのが一番のポイント。

実際のやり方ですが、

  1. 早い段階から網を出しているとトンボに警戒されるため、ギリギリまで引き付ける。
  2. 捕獲可能距離に入る少し前から、網のスイング軌道をイメージして網の角度を調整
  3. 射程圏内に入ったら、矢印の方向へ素早く網をスイング!!

こんな感じでしょうか。

剣道有段者である親友Takaのように、網のスイングスピードが速い方の場合はどの角度からでも捕獲が可能なようですが(苦笑)、基本的には死角から狙いましょう。

また、トンボの進行方向に向かって網をスイングする関係上、ネットイン後も逃げられるリスクがあります。

そのため、

  • 斜め下から斜め上に突っ切るように網をスイングすること
  • 網に入ったら、逃がさないよう網をクルッと回して閉じ込める

この2点を特に意識してみてくださいね。

雌を捕獲する場合は、多くが黄昏飛翔時になると思うのですが、この時ばかりは「来たトンボに対してとにかく網を振る」くらいしか対処法がありません。(苦笑)

何度もポイントに通って、トンボの斜め下からスイング出来るように頑張ってみてください!!

ギンヤンマが棲息している場所の多くは水辺です。小学生の皆は、大人と一緒に採集に行きましょう!また、立ち入り禁止の場所、昆虫採集が禁止の場所では、絶対に採集を行わないでくださいね。

近畿で見られるギンヤンマの仲間

近畿地方に生息しているギンヤンマの仲間に、クロスジギンヤンマ(通称クロギン)というトンボがいます。

飛翔中の雄。

こちらはギンヤンマと比べると、

  • 複眼が青い(雄)
  • 雄の腹部には青、雌の腹部には黄緑色の斑紋が入る
  • 胸部に黒い模様(黒筋)が入る(雌雄)
  • 腹部に銀白色の部分が無い(雌雄)

このような違いがありますので、見た目ですぐに判断が出来ます。

産卵中の雌。光の加減で複眼が青っぽく見える個体。

また、ギンヤンマよりも閉鎖的で薄暗い環境を好み、発生時期も4月~7月頃まで(高所では9月まで)、さらに一年一化という生態的違いもあります。

ただ、クロギンが棲息できる場所にはギンヤンマも棲息していたりするので、一概に「棲息環境が違う」とは言いづらい所があります。

ややこしいことに、ギンヤンマが棲息する開けた場所=クロギンが棲息できない可能性が高い、となりますが、クロギンが棲息する閉鎖的な場所=ギンヤンマも棲息できる、という図式は成り立ちます。

薄暗く閉鎖的、さらにやや標高があり(300m以上)、水生植物が豊富な池を見つけたら、大抵クロギンが棲息していますので、是非こちらも探してみてくださいね。

Ogi
Ogi

クロギンは発生する時期的な事もあり、黄昏飛翔を行っているところを見た事がありません(夕方、高所をたまに飛び去る程度)。この時期に狙うなら、早朝か、夕方17時半以降がオススメです。

見れたら超絶ラッキー、オオギンヤンマ(迷入種)

近畿地方で確認されているギンヤンマの仲間、その中でも激レアとされるのが、南西諸島のみに棲息する(とされている)オオギンヤンマです。

オオギンヤンマ雄(2011年8月撮影)。奇跡的に捕獲した1頭。勿論リリースしたが・・・。

オオギンヤンマは移動性の強いトンボのようで、台風等の強風に乗ってごく稀に迷い込んできます迷入といいます)。

実際私も兵庫で捕獲個体を目にしたのはわずか二度、やはり近畿地方ではかなり珍しい部類に入ります。

私が目にしたのはいずれも2011年。 7月や8月に台風が上陸し、その影響でオオギンヤンマが運ばれてきたのだと思われます。

名前がオオギンヤンマというだけあって、サイズは79mm~90mmとかなり大型。

捕獲した当時、興奮しすぎて全身が震えたのを今でも覚えています・・・!

背面から。デカイ・・・!

ギンヤンマにはない腹部の斑紋がトレードマークですが、

左がギンヤンマ、右がオオギンヤンマ。

額を見れば一目瞭然、ギンヤンマは顔(前額)に黒い模様が入るのに対し、オオギンにはありません。

飛び方も、池の周囲の広い範囲を大~きく旋回するように飛んでいたので、捕獲する前からギンヤンマではないことが判りました。

1998年には大量に飛来していたようなので、もしかしたら、どこかで発見できるかも・・・?しれません。普通種の中にレアな種が混ざっているかと思うと、ワクワクしてきますね!

Ogi
Ogi

8月~9月にかけて、オオギンヤンマっぽい個体は数度目撃しているので、捕獲できるチャンスはあると思います!

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

おそらく多くの方がご存知のトンボでありながら、その生態を詳しくご存じない方も多いと思いますので、私なりの見解を纏めてみました。

子供のころは、ギンヤンマを捕獲出来ればヒーロー!みたいな所がありましたが、改めて注目してみると、本当に魅力いっぱいなカッコイイトンボです。

やすやすと捕まえられるほど捕獲が簡単な種ではありませんが、棲息場所を見つけたら、あとは通い詰めるだけ!いつか捕獲のチャンスは訪れます。

夏休みに入った事ですし、是非!お子様と一緒に、トンボ捕りに出かけてみてくださいね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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