10月14日、朝から姫路市&加西市の定点を回り、アカネ属を探してきました。
最初に訪れた姫路市の定点は完全なる空振りだったり、昼以降に訪れた場所はどこも芳しい成果はなし。
結果的に、二か所目に訪れた池が大当たりだったため、そこから動かなければ良かったという捜索となりました。
数年ぶりに訪れる池は様相が変わっていた
最初のポイントである姫路市の定点に到着したのは9時半頃。
数年前の10月はオオルリボシヤンマが見られたので(飛来かもしれない)、見れないかなぁと思いつつ探してみたものの、トンボの姿はゼロ。
奥の方の湿地には本来ヒメアカネやアキアカネがいますが、こちらも全くおらず、完全な空振りとなりました。
仕方なくポイントを変更して、前回マイコアカネを多数確認したポイントへ向かいます。
と、その道中に数年前一度訪れただけの池を通り過ぎ・・・かけて、一度立ち寄ってみることに。
数年前と比べて明らかに植生が豊かになっているように感じたので、入っていくと・・・
素晴らしい環境になっているではありませんか!
数年前はたたの水抜きした池という雰囲気でしたが、池の周囲に背の高い草むらがあり、一部湿地化・流れ込みあり・泥底・パっと見は外来種が見当たらないといった雰囲気。
あちこちにコイが泳いでいたのが少々気にはなりますが、水草も豊富に生えている上に何故かオイカワが多数泳いでいたので(川からの流れ込み?)、水質も良いようです。
時折大きな雲が太陽にかかるのが気になりますが、池の上ではあちこちにアカネ属が見られます。
この辺りではどの池でも普通に見られるレベルのオオキトンボが産卵していたり、
今回狙いの1種であったコノシメトンボも、あちこちでホバリング。
しかしこの日はコノシメトンボの雌を見る事はありませんでした。
さらに、
以前この場所を訪れた時には見られなかったマイコアカネを多く発見。
そりゃまぁ池の周囲があちこち湿地化しているので、ある意味当然かもしれません。
ひょっとしたら、前回のポイントに行かなくてもこの場所で産卵を観察できるかも・・・と考えていると、ガッチリした雰囲気のアカネ属が水面近くを飛び回っているのが見えました。
その正体はタイリクアカネ。
前翅の縁が赤っぽく色づいているので、ホバリングしていてもよく目立ちます。
タイリクアカネは個体数がかなり多かったので、産卵も見られるかなと池の周りを歩いてみると・・・いました、産卵中のペア!
しかし、時折雲が太陽にかかってしまったり、時折日差しが出たタイミングでは逆光になってしまったりと、中々上手く撮影できません。
ペアをゆっくりストーキングしつつ、とりあえずシャッターを切っていくと、
ある程度の写真は撮れましたが、そもそもこの日の目的はタイリクアカネではありません。(苦笑)
タイリクは12月頃まで見られるので、今が最盛期であるマイコアカネ(産卵中のペア)を探すことにしました。
産卵するマイコアカネはすぐ見つかったが・・・
マイコアカネは湿地化している場所で産卵するはずなので、
流れ込みのそばにあるこの辺りをうろついてみようとしたところ、なんと歩き始めて僅か数秒で産卵中のアカネ属を発見!
これはマイコアカネだろうと確信し、カメラを向けてみますが・・・
本命のマイコアカネではあったものの、草むらの中なので見事に被写体と被ってしまいます。(苦笑)
さらに、小さくて動きがかなり俊敏なので、追いかけてピントを合わせるのにも一苦労。
やっとピントが合ってきたと思ったら、
とんでもなくブレッブレな写真になってしまいました。(苦笑)
それでもめげずに、打泥する瞬間をとらえようと追いかけて撮影していきます。
面白いのは、こういった環境であれば手当たり次第に産卵するかと思いきや、ちゃんと場所を選んでいるようなのです。
気に入った場所で数回打泥したかと思えば、ホバリングを交えつつあちこち物色(その間は産卵せず)して、場所が決まったら産卵を再開・・・そんな感じでした。
これはマイコアカネ全般に言えるのか、このペアだからこそなのか・・・観察していて楽しい瞬間です。
上写真の赤丸の場所に向かって、結構な高さから打泥を繰り返していたこのペア。
打泥の瞬間の写真は見事全滅だったので(苦笑)、この撮影は次以降の課題です。
上のブレまくりの1枚を撮影した直後、このペアは連結を解いて大空へと飛んでいきました。
5分くらい産卵していたにもかかわらず、ちゃんとした写真が少ないのは悲しい限りです。
この後、すぐ近くにまたアカネ属が交尾態で降り立ったので、マイコか!とカメラを向けたものの、
こちらはマユタテアカネでした。
このままここで粘るのも面白みがないので、一先ず移動。
前回のポイントを目指します。
移動先でもマイコアカネは産卵していた
次の場所に着いたのは11時頃。
前回多数のマイコアカネがいた場所へ行ってみると、雄が盛んに争っているのが見られます。
これなら期待できるかと思っていたら、交尾態のペアがすぐそばに降り立ちました!
が、あまりに近すぎたため、ピントが合いません・・・なんとか距離をとって、
とりあえず撮影したものの、背面からのイマイチなカットに。
真横から撮影したかったので、そ~~っと角度を変えようとしたら・・・残念ながらすぐに飛び立ち、草むらの奥の方へと入ってしまいました。
このペアの他にも交尾態や産卵中のペアはいないか見て回りましたが、どこを見ても雄の姿ばかり。
ちょっと来たタイミングが悪かったかなと思っていると、おそらく先ほど交尾していたと思われるペアが突如登場!
そして産卵を開始したのですが・・・このペア、何故か打泥ではなく打空産卵をしているではありませんか!
マイコアカネは打泥とばかり思っていたのですが、驚きながらもとりあえずカメラを向けて・・・撮影に四苦八苦。
なんせこのペア、1回打空する毎に30~50㎝ほど移動という動きを繰り返すので、全くピントが合わないのです。
とにかく追いかけまわしながらひたすらシャッターを切り、
なんとか撮影・・・したものの、これでは打空しているかどうかが判りません。(苦笑)
よくよく見ると雌はかなり若い個体だったので、ひょっとしたらちゃんと産卵していなかったのかも・・・なんて考えてしまいます。
この場所ではクルクル回りながら産卵しており、
数秒後に撮影したのに先ほどとほぼ同じ写真という謎ミラクルがおこる事に・・・。
そしてこの1枚を撮影した直後、ペアはすぐに連結を解いて草むらの方へ。
産卵自体が1分ちょっと(ずっと打空産卵?)いう事から考えても、やはりまともに産卵していなかったのかもしれません。
このペア以外にも産卵している個体はいないか探しましたが、残念ながら産卵中のペアはおらず。
草むらではオオキトンボの雌が静止していたくらいで、もう一方の本命であるノシメトンボは1頭も見られませんでした。
そこでこの後、ノシメトンボを探して過去に訪れた池を数か所訪れてみたのですが、駐車スペースが(開発により)無くなっていたり、水抜きをしていなかったり、池そのものが人工的になっていたりと散々な結果に。
一番いい時間帯をフイにしてしまい、結局最初の池に戻ることにしました。
最初の池にノシメトンボはいた
1時間近くの時間を無駄にした後、12時過ぎに最初の池へ。
そもそも先ほどは見られなかっただけで、環境的にはノシメトンボがいてもおかしくない環境なのです。
そこで、草むら付近を丹念に見て回ると・・・リスアカネに混ざって、少し黒っぽいトンボが草むらに静止しました!
カメラを向けてみると・・・
完全に逆行で判りにくかったのですが、狙いのノシメトンボです!!
このところめっきり数が減ったようで、過去に見られていた池では全く見られず、焦っていたところでした。
もっと「ザ・ノシメトンボ」という写真が撮りたかったので、今度はストロボを焚いて撮影してみましたが、
特に変わらず、やっぱり地味な写真に・・・。
この写真の後、あちこち飛び回っていて見失いそうだったので、ちょっと失礼して網を一閃!
5~6年前まではあちこちで見られたのに、随分久しぶりの対面となりました。
見た目的には池の環境が変わっていなくても、彼らにとっては「何か」がおこっているのかもしれません。
全体的に茶色っぽいノシメトンボですが、背中はこの様に赤茶色に。
翅の模様や色味と相まって渋い印象を与えてくれるノシメトンボ、私のお気に入りです。
この個体をリリースした後、他にもノシメトンボがいないか歩き回ってみましたが、
確認できたのはリスアカネ(とにかく多数)とマイコアカネ(雄のみ)、そして、
タイリクアカネにオオキトンボ、
コノシメトンボにアオイトトンボ、アオモンイトトンボ(多産)でした。
この他には目ぼしい成果も無かったので、この後コバネアオイトトンボの産地を訪れてみましたが、
いるのはアオイトトンボばかりで、コバネアオイトの姿は今回もゼロ。
昨年は10月末に数頭確認したので、これにめげずにもう少し探してみるつもりです。
さらに驚いたのは、ナニワトンボに混ざって活動していた・・・
オオシオカラトンボ。
8月のイメージが強く、毎年9月末には見られなくなるようなトンボですが、「近畿のトンボ図鑑」によると11月まで活動する事もあるとか。
意外と長い期間見られるトンボだったという事に驚きました。
後は最後に訪れた池でアキアカネとネキトンボを探しましたが、アキアカネはゼロ。
代わりにあちこちにナツアカネが静止していた他、
ネキトンボも2頭だけ確認できました。
ネキトンボはまだちゃんと産卵を観察していないので、今シーズン中にこの場所を再訪する予定です。
時刻も14時となったので、この日はこれにて終了としました。
アカネ属捜索まとめ
結局この日はマイコアカネの産卵やコノシメ・ノシメといった本命を確認できたものの、全体を通して考えると少し微妙な捜索となりました。
とりあえず今月中にノシメトンボ・コノシメトンボ、ネキトンボの産卵辺りは観察したいので、次の捜索ではこの辺りを狙っていこうと思います!
絶滅危惧種のコバネアオイトトンボはいずこへ・・・。(泣)
コメント