ヒメクロサナエ&ムカシトンボ捜索(2012年5月)

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本日は、2012年5月28日に県北部を捜索した際の記事を引っ越してきました。

この日は確認できた種は少なかったのですが、それは狙いをキッチリ絞っていたから。

いつもは産地にいる種全てを確認し、さらに多種が見れるポイントをウロウロ、という感じですが、この日はピンポイントに生息する二種を見に行ったのです。

一種はヒメクロサナエ

生育環境がかなり特殊な種で、通常の狙い方をしていてはまず狙えないのです。渓流域まで登ってきた後、産卵したり♂がテリトリーを形成する場所をピンポイントで探さないといけないのです。

この日私が発見できたのは偶然による要素も大きいのですが、友人が連れてきてくれたヒラサナエ(兵庫県Aランク)ポイントのすぐそばの所で、「多分この場所なら見られるのでは」と謎のカンが働いたのです。

もう一種はムカシトンボ。こちらも渓流域(源流域)に生息する種で、摂食するタイミングと、飛翔する場所の目星をつけておかないと平気で空振りを食らってしまう種です。

この日は産卵まで確認できたのですが、写真の方はどうだったのか??

早速、本編をご覧ください!!↓

2012年5月28日:県北リベンジ~ムカシトンボ・ヒメクロサナエ~

この日は何処に行くか随分と悩んだのですが、ムカシトンボはリベンジに行っておくべきだろうという事で、友人と共に県北へ遠征する事になりました。

二週間前ヒメクロサナエの羽化殻を確認しているので、ヒメクロサナエも本命の1つです。

昼前に現地に到着、早速ムカシトンボポイントをうろうろしてみたものの、見られるのはアサヒナカワトンボばかり。

時間帯が悪いのだろうということで、一度ヒラサナエが多産する湿地に行ってみました。すると、

入り口付近で幸先良く交尾体になっているヒラサナエを発見!友人と共にデジ一で撮影しまくりです!

と、そろりと指を出す友人。何をする気かと見ていると・・・

手乗りヒラサナエ!(゜∀゜)(笑)

警戒心が低いのか、友人の指に乗ってもそのまま交尾を続けています。なんとも面白い光景・・・。(勿論この後ちゃんと木に戻しました)

近くの草むらでは、ウスバシロチョウが多数飛んでいました。どうやら多産地だったようです。

メインの湿地に入っていくと、オタカラコウが以前より遥かに成長してワサワサになっていました。そんな中、

♂。
♀。
交尾体も多数見られた。

多数のヒラサナエが元気に出迎えてくれました。(^^)

ヒラサナエは兵庫Aランク(絶滅危惧Ⅰ類)の超希少種です。オタカラコウが生育する湿地でしか見ることが出来ず、我々も県内で確認している棲息地は2か所だけ。この場所でも年により多い年と少ない年があるので、今後が非常に心配です。

さらに湿地のすぐ後ろにある廃棄田では、

♀の産卵 ...

シオヤトンボが活発に活動中!湿地全域で多数見られました。

調子に乗って前回友人がサラサヤンマの羽化殻を発見した場所を覗いてみますが、残念ながらサラサの姿は無し。標高がある場所なので、飛ぶ時期はもう少し遅いのかもしれません。

この後ヒラサナエのヤゴを探すという友人と二手に別れ、僕はムカシトンボポイントへ。水が染みだした場所でヒメクロサナエを待つ事にしたのです。

途中川をムカシトンボらしき影が通り抜けましたが、残念ながら一瞬ホバリングしただけですぐに飛び去ってしまいました。

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気を取り直してヒメクロが見られそうな場所へ向かいます。

ヒメクロサナエが好むと思われる環境その1。

しばらくはボケーっと待っていたのですが、12時半を過ぎた頃、突如川の石の上にサナエが降り立ちました。

ひょっとして・・・と慎重にカメラを向けると、

ヒメクロサナエキターーー!!!!!(゜∀゜)

警戒心が非常に高く、すぐ樹冠部へ上がってしまう事で有名ヒメクロサナエが、すぐ近くに制止したのです!これにはテンション上がりまくり!!

飛び上がって戻ってきたところ。

ストロボを焚くと驚くかもしれないと思い、薄暗い中撮影したのが上の2点。シャッタースピードは1/25という超スロー、さらに手持ちでの撮影だったのでかなり苦労しました。(^^;)

この個体はすぐに飛び去ってしまったのですが、また来るはず・・・という事で網を持とうとすると。なんと網の上で2頭の♂がケンカしているではありませんか!(゜Д゜;)

網を持ち上げて回すだけで1頭の♂を捕獲、友人の元に連れていき、経過を報告です。この場所でヒメクロサナエが見られたことに、友人は驚いていました。(ヒラサナエのヤゴも確認済みでした!)

そして再びポイントに戻り、じっと待っていると・・・

次々に♂がやってきてはケンカを繰り返し、勝った方が縄張りを持つ、といった光景が繰り広げられました!

これ幸いと撮りまくります!

納得のいく写真が撮れたので、再び友人と合流。ムカシトンボヒメクロサナエを求めて川を遡って行きます。

ヒメクロサナエが好む環境その2。

ヒメクロサナエは先ほどよりも数が減っていたものの、頻繁に水場にやってきます。そして途中友人がアサギマダラも発見!!が、薄暗い森の中をすぐに飛び去ってしまったので、

こんなヒドイ写真を撮るので精一杯でした。(泣)

やはり原生林に来ると色んな生物がやってきて楽しめますね!!が、

一緒にスズメバチもやってきます。((((゜∀゜;)

ヒメクロサナエのポイントはどうやらハチ達の水飲み場になっていたようで、幾度となく襲われそうになりました。足場は非常に悪いため、恐怖もいつもの二割増し・・・。

それでもめげずにヒメクロを追いかけていると、川の方を見ていた友人が何かを発見!そして素晴らしいスピードで移動して網をスイング!!

やらせ写真。

ム・カ・シ・ト・ン・ボ・キターーー!!!!!(゜∀゜)

ついにやりました(友人が)、ムカシトンボです!(^^)前回空振りだったので今年は見られないかも・・・と思っていた為、喜びもひとしお。

様々な角度から撮影を楽しむ。

特筆すべきはやはり複眼でしょう。

成熟しても灰色のままで、不思議な魅力があります。友人によると、この個体はどうやら探雌していたようで、川の縁を丹念に見て回っていた、との事でした。

ならばもうじき♀が来るかもしれないと言うことで、しばらく待ってみると・・・来ました!あちこち場所を変えながら、♀が産卵にやってきました!

産卵中の♀。

あまりに薄暗いためストロボを炊いたのですが、この♀はストロボが嫌いなよう。川を遡りながらどんどん場所を変える為、友人と共に僕らも川を遡っては撮影を繰り返します。

後ろ姿。

しかし良い写真が撮れた手応えを得る前に飛び去ってしまいました。残念・・・。写真を確認してみると・・・。

なんとピントはズバッとあっているのに、顔が岩影に隠れてしまっているではありませんか!なんたる悲劇・・・。(´Д``。)

しかもピントの合った写真はこの1点だけ。後はどこに何が写っているかすら判らないものばかり・・・ガクッ。

♀がダメなら♂を!という事で、探雌に来た♂の撮影に挑んだのですが、こちらもヒドイピンボケで終わってしまいました。来年に持ち越しです。

時刻は15時を過ぎており、見られる種はかなり限られてきます。

なのでとりあえず今後に活かせるよう、周辺地を回って終了としました。キイロヤマトンボが飛びそうなポイントを発見できたのは収穫といえそうです。後日の捜索で、友人がヤゴを発見しました!

この日確認したトンボは、アサヒナカワトンボ・ムカシトンボ・ヒメクロサナエ・ヒラサナエ・シオヤトンボの計5種類。

種類数こそ少ないですが、目的だった2種を撮影する事が出来たので良しとします。

次回予定は未定ですが、早くホンサナエを探さないとシーズン終了間近な為、ホンサナエを狙えればいいなと思っています。(^^;)

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いかがでしたでしょうか。

この日は前年に友人が発見していたヒラサナエポイントの周辺で、ムカシトンボ、ヒメクロサナエも同時に撮影でき、とても満足のいく捜索となりました。

私はヒメクロサナエに割と縁があるようで、別のポイントでムカシトンボを捜索している時も、ヒメクロサナエの羽化に巡り合ったり、オオルリボシヤンマポイントで樹上にいるサナエを捕獲したらヒメクロサナエだったりと、ちょくちょく出会っています。

が、この場所のように、♂が明確にテリトリーを形成しつつ目の前に降りてくる、というポイントはありません。それほどこの場所はレアだと思われます。

こういった素晴らしい環境がいつまでも続くといいのですが、継続してトンボ達を見守っていけたらなと思います。

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