ホンサナエ捜索@兵庫県北部:2013年5月13日

この記事は約11分で読めます。

※当ブログの記事にはプロモーションが含まれています。

本日は、2013年5月13日の記事を引っ越してきました。

先日の記事にも書いたのですが、予想以上に過去ブログ(数年放置)の方を訪れてくださる方が多い為、こちらのブログで過去の記事を紹介したくなったのです。

今回の記事は、今から6年前にあたる2013年5月13日に、一人で兵庫県北部を捜索した時の記事です。

この日の狙いはホンサナエ兵庫県ではAランク(絶滅危惧Ⅰ類)に指定されている超希少種で、親友と共に、産地を見つけるのにかなり苦労した記憶があります。

この場所を訪れたことにより、棲息地のサンプル情報が得られ結果としてこの後複数の産地を発見(主に親友が)出来た事は、当時大きな収穫であり自信となりました。

当時まだ私は25歳、文章はアレな感じですが(苦笑)、早速ご覧ください!↓

2013年5月13日:遂に登場、ホンサナエ!~初の県北ソロ遠征~

この日は前々から決めていた県北遠征日。

一昨年・昨年も5月半ばにムカシトンボヒラサナエを狙って出掛けていますが、今年の本命はホンサナエ。3年間で何度も辛酸を舐めてきた、もはや怨敵にも等しい種です。(苦笑)

が、昨年から目星を付けていた場所の近くで友人がヤゴを多数捕獲していた為、今年は絶対に見れるはず!と思い、朝一から出掛けてみる事にしました。

いきなり友人に教わった場所に行くのも情けない為(苦笑)、目星を付けていた場所まで一直線。現地の気温計が既に22度を示す中、7時50分頃現地に到着です。

子育て真っ盛りのツバメ達があちこちを飛び回る中軽い気持ちで川に入ると、泥が堆積した理想的な環境を発見!これはいるだろうと確信を持つものの、ホンサナエの活動時刻は8時を過ぎてからのはず。

のんびり待ってみるか・・・と思った矢先、

ここからしばらくノートリミングで。

石の上に太短いシルエットを発見!興奮しながら近づいてみると・・・

見紛う事なきホンサナエではありませんか!!(゜Д゜;)

緊張して手がブルブル震える中、網を伸ばそうとしただけでさっと飛び上がって移動するホンサナエ!噂に違わぬ敏感さです。それでもじりじりと忍び寄り・・・

はっきりとその姿が確認できる距離まで近づく事に成功!!

それでは改めて・・・

ホンサナエキターーー!!!(゜∀゜。) (笑)

苦節3年、ついにまともに捉える事が出来たホンサナエ!!その姿はずんぐりとしていて愛らしく、愛嬌のある顔はなんともいえない魅力に溢れています!!(^^)

胸部もガッチリしている印象です。その割にサイズは5cmほどと小さく、見れば見るほど(コサナエ属ばかり見ていたため)不思議な感じ・・・。

まともに撮影出来たため、今度は捕獲作戦。するりと網を近づけたものの、すぐに飛び上がって何処かへ行ってしまいました・・・残念。

スポンサーリンク
泥が堆積していて理想的な環境。

それでもこの1頭だけではないはずだと思い、川の中をウロウロしてみると・・・

斜め向きの石にべったりと貼り付くホンサナエを発見!早速忍び寄って捕獲しようとしたものの、すぐにこちらに気づいて飛び上がってしまいました。

これは苦戦しそうだと思った矢先、

ヒュンッ

パクっ!!

ツバメに食われるホンサナエ1号。(゜Д゜)

兵庫Aランクの貴重種であっても、ツバメにとってはただの獲物のようです。これには思わずガックリ・・・。(´∀`;)

気落ちしつつも雰囲気的にはまだまだ見られそうな感じだったので、川の中をウロウロ。そして8時を回った頃・・・

川べりで見られるホンサナエの姿が徐々に増えてきました。

ニホンカワトンボ淡橙色翅♀も発見。

そして、

ボッケボケ・・・。

水面を探雌飛翔する個体もチラホラ見え始めたのですが、いかんせん動きが高速。まともに捉える事が出来ません。

それならばとカメラを置き、網を構えて真剣に捕獲を狙います。砂の上に静止した捕獲しやすそうな個体に狙いを定めて・・・捕獲!!

ようやく手元で観察する事が出来ました、憧れのホンサナエ!!やっぱりなんとも言えない魅力があります。これはお気に入りの種リストに仲間入りですね。(´∀`)

特徴的なシルエットの背面。
愛嬌MAXの顔。

様々な角度から観察させてもらった後、携帯でも撮影。そしてすぐトンボ仲間であるデカに写メール!!(笑)

震える手で送ったメールでしたが、デカはお忙しい中すぐに返信をくださいました。ありがとうございます!!

そして朝のお忙しい時間にすみませんでした。(^^;) (苦笑)

この後はツバメに食われないように慎重にリリース。無事に飛んでいきました。(^^)

この砂地の空間の上を、何頭かの♂が行ったり来たり。砂地の雰囲気を見ていると、メガネサナエを発見した琵琶湖の湖岸と雰囲気が似ているように思います。

実際近畿のトンボ図鑑にも「琵琶湖にも棲息」との記載があるので、このような環境があれば止水・流水は関係ないのかもしれません。

時刻も8時半に差し掛かった頃。石の上にいるホンサナエ♂をじっくり観察していると、突如草むらに飛び込む影!!これはもしや、と思いカメラを向けてみると・・・

ホンサナエ♀キターーー!!!(゜∀゜)

♂よりもさらにずんぐりむっくりした体型の♀です!!この時間にこんなところにやってくると言うことは、産卵に間違いありません!!

さらに良い角度で撮るためににじり寄ろうとすると・・・

ホンサナエ♀は飛び上がり、川が見える位置までやってきました!!これならこの場所から動かなければ観察できるかも、と思っていると・・・

狙い通り、足元の石まで降りてきてくれました。なんたる幸運!!驚かせないようにそ~~~っと角度を変えてみると・・・

腹部の先端には卵塊が見えます!!やはり産卵の為にやってきたようですね。

中腰の体勢が辛いものの、驚かせないようにじっと観察を続けていると・・

時折翅を震わせて力をいれるホンサナエ♀の腹端の卵塊が、徐々に大きくなっていきます。そして上の写真を撮影した直後、飛び上がって水上を飛び回る♀。

放卵するためのこの動きを撮影すべくカメラを構えたのですが、ものすごい速さの為に撮影は叶いません。

仕方なくカメラは諦めて観察していると、放卵→石の上で休憩(数秒)→水浴び→山の方へ飛び去る、という図鑑通りの行動を見せてくれました。

この後もホンサナエ(♂)の観察を続けます。

縄張り占有中。
他の♂を追い払って戻ってきたところ。
顔。
まるで首を傾げているよう。(笑)
個体数はかなり多いため、被写体には困らない。
飛翔写真、唯一撮影できた割とマシな1枚。

この時点で撮影枚数は150枚程度個体数としては20頭近く確認できたと思われます。しっかりとホンサナエ♂を観察できたため、大満足!!この場所を立ち去る前に、思い出としてもう1頭だけ捕獲してみました。(笑)

撮影後勿論リリース。ツバメに襲われることもなく元気に飛び去った。

先ほどの個体よりもまだ若く、翅もピカピカです。とは言ってもシーズンが短いトンボなので、おそらく6月頭までしか見られないんでしょうね・・・。

機会があればまた見に来たいと思います。(^^)

この場所を後にし、次に目指すのは以前友人と訪れたことのある池。とは言っても正確な場所は覚えていないので、適当に車を走らせていると、少し良い感じの川を発見。

一先ずなにも持たずに川に近づいてみると・・・突如川の方から飛び上がる巨大なトンボのシルエット!!(゜∀゜;)

一瞬何のトンボかと驚きましたが、そのシルエットはよく見ると今年初確認のコオニヤンマでした。早くも発生が始まった・・・というか始まってしまったんですね、河川型中型トンボ達の天敵が・・・。(苦笑)

一度車にカメラ&網を取りに戻り、周辺を散策してみると・・・

シーズン真っ盛りのニホンカワトンボがあちこちに見られました。そして、

コサナエはこの1頭だけ発見 。

ダビドサナエかと思って捕獲したサナエは何故かコサナエ!!(苦笑)しれっと兵庫北部にしか生息しないCランクが登場する辺り、流石県北です。(^^;)

スポンサーリンク

コサナエがいるということは近くに池があるはず、と思ったのですが、残念ながら池はどこにもありません。ヤマサナエの未成熟個体が2頭飛び去った他は収穫も無し・・・。仕方なくまた移動します。

道中にはハッチョウトンボがいそうな良い雰囲気の湿地があったり。(→この日はシオヤのみでしたが、後日ハッチョウトンボモートンイトトンボが多数棲息するパラダイスだった事が発覚しました!)

ここはヤマメやイワナの棲息地だそう。

藪こぎをして急斜面を降りた(というか途中から落ちた)場所には(苦笑)、ヒメサナエが出そうな渓流も。まぁ登るのも一苦労だったのでもう見に来ないかもしれませんが・・・。(´∀`;)

特に目立った成果も無かったので、一気に場所移動。ヒラサナエが見られる湿地へ行ってみました。11時半頃湿地に入ったのですが、

成虫の姿は全く見られず、羽化殻がチラホラみつかっただけ。この時点で道中の気温計は29℃となっていたので、暑さに耐えかねてどこかに避難しているのかもしれません。

それでも湿地を歩き回っていると、

樹上に飛び上がる羽化直後の個体を発見!!したのですが、羽化不全個体と併せて2頭発見しただけで終わってしまい、なんだか妙な空振り感を味わってしまいました。

それならばという事で、割と近くにあるムカシトンボが出る渓流へ入ってみる事に。

昨年ヒメクロサナエが見られた場所。

木々が鬱蒼と茂る中で、ヒメクロサナエが縄張りを張る少し開けた空間で待ってみることにしました。ここだけ翅虫が活発に飛び回っていたので、ムカシトンボは必ず摂食に来るはずです。

アサヒナカワトンボ♂ 。
ニホンカワ橙色翅♂。この場所は珍しいことに、この2種が混生している。

時折ヒラヒラと飛び回るカワトンボ2種を眺めつつしばらく待っていると、空間の上をヒュンヒュンと小さな影が飛び始めました!!

ここぞとばかりにカメラを構えますが、薄暗い上に動きが速すぎて撮影はままなりません。(苦笑)

まぁこうなるだろうな~とは思っていたので、早々にカメラを諦めて網を一閃!!姫路市のムカシトンボポイントですでに捕獲=動きに慣れていた為、1発で捕獲できました。(^^)

が、網から取り出すと・・・

なんか腹部が長め・・・?(゜д゜?)

スケールを持参していなかったので正確な大きさは分かりませんが、姫路市産の個体と比べて明らかに大きいような気がします。次回来るときはきちんとスケールを持ってくるべきですね。(^^;)

一頻り観察した後、恒例のやらせ写真を撮影しようとしたところ・・・

ワタワタと動き回るので微妙な角度の写真になってしまいました。しかもこの個体は翅がしっかりしていた為、僅か1分程度で飛び去ってしまいました。う~ん、もう少し撮りたかった・・・。(苦笑)

この後川の方を注視していると、時折探雌飛翔をする♂がチラホラ。既に繁殖期に入っているようなので、朝や夕方にくると産卵中の♀が見られるかもしれません。(写真撮影は当然のように失敗です・・・泣)

昼を回るとムカシトンボの数が一気に減った為、また移動。僕らが「某所」と呼ぶポイントでクロサナエを探してみることにしました。

が、源流部も湿地もカラッカラに干からびており、ポイントはもはや壊滅状態。

追い討ちをかけるように足元にはマムシが登場したり、今年初のOSB(オオスズメバチ)がものすごい勢いで向かってきたり・・・散々な目にあいました・・・。(´д`。)

それでも諦め切れない僕は、少し水が残っている辺りをウロウロ。

すると、その周辺をヒュンヒュンと飛び回る小さな影が4つほど。これはまさか、と思い正面から来た個体をアッパースイングで捕獲すると・・・

まさかのムカシトンボ。(゜Д゜)

このポイントは夏以降になるとオオルリボシルリボシ、タカネが飛び交い、流れのほとんど無い川にはミルンヤンマオニヤンマ、クロサナエがやってきます。

その上、マルタンヤブのヤゴも見られたというなんとも謎なポイントなのですが、ムカシトンボまでやってくるとは思ってもみませんでした。

この事を後に電話で友人に話したところ、友人も苦笑い。別のポイントから飛んできたのか、はたまたこの河川の上流部に棲息しているのか・・・ナゾです。

折角なので木に静止させ、やらせ写真に再チャレンジ。

翅も自然な感じで閉じてくれ、非常に良い雰囲気の写真が撮れました。(^^)しかしこのすぐ後から翅を振るわせ始め、そのまま山の方へ元気に飛び去りました。

この後周囲にあるポイントを少し回ったものの、目立った成果はなし。15時過ぎに終了としました。

この日確認したトンボは、ニホンカワトンボ・アサヒナカワトンボ・ヒラサナエ・ホンサナエ・コサナエ・ヤマサナエ・コオニヤンマ・ムカシトンボ・シオヤトンボ・シオカラトンボの計10種。

念願(というか悲願?)だったホンサナエを撮影・捕獲できたので、非常に充実した1日となりました。(゜∀゜)帰る頃に30度を記録していたのはご愛嬌でしょうか・・・。(苦笑)

次回は・・・未定ですが(苦笑)、姫路市産ムカシトンボの産卵を観に行くか、トラフトンボの産卵を観に行こうか、ダビドサナエクロサナエを探しに行こうかと思います。(^^)

~~~~~~

いかがでしたでしょうか。

当時独身だった私は免許を取得して丸一年が経過したところで、一人で愛車を飛ばして県北を捜索したのですが、予想以上の収穫があり、大満足の捜索となった1日でした。

新しい産地を発見するのも楽しいですし、見たことがある種でも見方を変えると違った側面や生態が見えてくるのも、トンボの面白いところです。

今年は家族サービスもあるので(笑)、どれほど捜索に行けるかはわかりませんが、また自然の中に出てトンボ達と触れ合いたいと思います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました