エレアコ(アコギ)メーカー13社の特徴を徹底比較!

私のギター。左がタカミネ、右がテイラー。
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こんにちは、ギター講師のAngler Ogiです。

前回の記事で良いアコギについて詳しく見ていきましたが、今回の記事は、メーカーごとのエレアコの特色についてです。

私がエレアコを購入した当時、知っていたギターメーカーはギブソンとフェンダーだけ。(苦笑)

各社の特徴について知識が乏しいまま店を訪れ、選ぶのに随分無駄な時間を使ってしまったという苦い経験から、今回の記事を書こうと思い立ちました。

現在、様々なメーカーからエレアコタイプのアコギが販売されていますので、そのブランドについて、私Ogiの個人的な見解を纏めてみようと思います!

↓【今回の記事はこんな内容になっています!】 ↓

  • 各メーカーの特徴はどんなものが!?エレアコを買う前に是非!!
  • 各スタイルに合うアコギはどのメーカーなのか?に注目してみました!
  • 各メーカーを使用する有名アーティストも併せてご紹介!

〇メーカー(ブランド)は国内製か海外製か

エレアコを販売しているメーカーは、

  • 国内メーカー
  • 海外メーカー(アメリカ、ヨーロッパ各国、オーストラリア等)

このようにざっくり分けられます。

また国内メーカーと言っても、「本社は日本にあるけれど生産は海外」、というモデルも非常に多いのが現状。

「純国産のギターが欲しい」といった場合は、国内有名メーカーのハイエンドモデルや、国内でギターを手造りされている、個人ルシアーの方のギターを手にすることになります。

個人ルシアーの方が制作されているギターの多くは1本ずつ手造りの為、制作に非常に時間がかかったり(予約待ちのケース等)、金額が高額になるケースが多い為、注意が必要です。

各メーカーにそれぞれ特徴がありますし、見た目(色合いやボディシェイプ、ヘッドロゴ&シェイプ)や弾き心地も全然違いますので、お店で試奏して自分にあった1本を見つけてくださいね。

次の項目から、国内メーカー国外メーカーを分けて、細かく見ていこうと思います。

〇国内メーカーのギター

日本国内で製造・販売されているエレアコのメーカーの特徴として、

  • 何かトラブルがあった際に国内工場でリペア(修理)をしてくれる (対応が早い)
  • 取扱店(代理店)が国外メーカーの物よりも多い
  • 日本の気候に合わせて作られているため、比較的トラブルが少ない
  • エレアコに使用する電池の自由度が比較的高い

このような点が挙げられます。

基本的にはギターを使用した後も弦を緩めず張りっぱなしにしておいた方が調子が良い、というメーカーが多いのが面白いところ。

1週間以上ギターを弾かないという場合は、弦を緩めておいた方が安全です弦を留めているパーツの下の部分が浮き上がってきたり、ひび割れたりすることがあります)。
ギターを毎日弾く、もしくは2日に1回程度は弾くという方は、張りっぱなしで大丈夫です。

また、エレアコは電池で駆動するタイプも多いのですが、国内メーカーの場合は9V角電池で駆動するものが一般的な中、単三電池で駆動するものもあります。

特定のメーカーの電池でなければ動かない、というギターが少ないのもありがたいところですね。

有名な国内メーカーをざっと挙げてみます。

【国内メーカー】

  • Takamine(タカミネ)
  • YAMAHA(ヤマハ)
  • Morris(モーリス)
  • K.Yairi(ケーヤイリ)
  • HEADWAY (ヘッドウェイ)
  • HISTORY(ヒストリー)(島村楽器オリジナルブランド)

有名どころだと、このような感じです。
今現在国内メーカーで人気があるのはTakamineとYAMAHAなので、この2つのメーカーをピックアップしてみます。

・Takamineのアコギの特徴

Takamineは同じ型番でも個体差がかなりあるメーカー。

総じて低音がパワフル且つ中域に粘りがある個体が多いように感じられますが、それ以外にも・・・

  • ドンシャリ気味(低音と高音が良く出る)
  • 中音域がよく出る個体(ギッチョンギッチョン・・・という音)

このようなタイプに分かれる印象です。

【中域の粘りとは】
中音域のサスティーン(音の伸び)と、ピッキングした時に中域が目立つ状態の事を指すことが多く、音に密度を感じやすい為、ドンシャリ状態の逆の言葉として、よくプロミュージシャンの間で用いられます。

その為、購入する際は(可能であれば)店にある在庫を弾かせてもらい、その中で気に入ったものを選ぶと失敗がありません。

ヘッドシェイプが特徴的でロゴもお洒落で、国内外問わず多くのアーティストが使用しているメーカーです。

タカミネ

Takamine使用ミュージシャン(一部)
押尾コータロー、大原櫻子氏、前田 亘輝氏(TUBE)、松山千春氏、南こうせつ氏、長渕剛氏、Bobby Caldwell、BRUNO MARS、AVRIL LAVIGNE、JON BON JOVI、KIKO LOUREIRO等

・YAMAHAのアコギの特徴

YAMAHAは日本でも有名な楽器メーカーであり音楽スクールです(私もピアノはヤマハで習っていました)。

楽器はピアノが有名ですが、ギターメーカーとしても老舗であるため、安心できます。

特徴としては、「ザ・ヤマハの音」と言えるほど「メーカーの個性」が強く出ている楽器が多く、基本的には外れ個体がほぼありません。

どの個体も低音~高音域までバランスが良くなり、高音は煌びやかなイメージです。

ネックの握りは握りやすい形をした物も多く、迷ったらとりあえずYAMAHAを選んでおけば大丈夫、というぐらいです。

初心者でも安心して使用できる楽器ではありますが、その分技術がないと個性が出にくいメーカーでもあるので、他のメーカーも含めて試奏してみることをオススメします。

ヤマハ

YAMAHA使用ミュージシャン(一部)
今剛氏、さだまさし氏、miwa氏、SCANDAL、藤巻亮太氏(レミオロメン)、南こうせつ氏、大石昌良氏、高橋優氏、Anly氏、大橋卓弥氏(スキマスイッチ)

・その他のメーカーについて

MorrisHEADWAYは、このところあまり(関西圏では)聞かなくなりましたが、どちらも国内老舗メーカーです。

Morrisは柔らかい音の物が多いイメージで、HEADWAYはやや硬めの音(マーチンとギブソンの間のような音)のイメージです。

どちらも独特な音がしますので、 お店で見かけたら一度弾いて見ると面白いかもしれません。

K.Yairiは国内メーカーの中でも特に音に特徴があるメーカーです。

繊細な個体が多く、管理にはほかのメーカーの物よりも少々気を使いますが、音色は非常にバランスが良いものが多く、キラキラしたサウンドを持つ個体が多いのも特徴の1つです。

Y.YairiはK.Yairiとまったくの別物(のれん分けのようなもの)だったり、A.Yairiは海外輸出用ブランドであったり。

昔はS.Yairiというメーカーもあったりと色々と複雑なのがYairiですが、基本的にはK.Yairiが本家であると考えて大丈夫です。

個人的に面白いと考えるのはHISTORY
全国展開している島村楽器のオリジナルブランドですが、値段以上のクオリティの物が多く存在します。

搭載してあるピックアップは丈夫なものが多く、ギターそのもののの音もやや硬めでパワフル。バンド演奏から弾き語りまで、様々な演奏形態にマッチするように作られています。

トラブルがあった時もお店にて直で対応してもらえるのも強みですし、 老舗ブランドの拘らないという事であれば、初心者には一番のオススメかもしれません。

〇海外メーカー(ブランド)のギター

海外メーカーの特徴ですが、作られている国の風土や音楽に合わせて組まれているため、それぞれ独自のサウンドを持っています。

国内メーカーのものよりも比較的高価なものが多い為、初心者用よりも中級・上級者向けの物が多いのも特徴の1つです。

また、日本の風土(四季がハッキリしていて高湿度の時期がある)にはマッチしにくい個体も多い為、毎日使用しない場合は、使用後に弦を緩めて保管した方が無難です。

ケース内の湿度管理(吸湿乾燥剤を入れるなど)も気を付けましょう。

メーカーによってはトラブルが起こった際に、遠方の代理店直営工場に送られるために修理に時間がかかるケースもあります。

そのため、購入するお店がトラブルに対してどうのように対処してくれるのか、購入前に確認しておくことをオススメします

そして、海外メーカーのエレアコは、デュラセル社の9V角電池でなければ駆動しないギターが多く、この点にも注意が必要です。

Taylorの電池ポケットは、デュラセル社の電池サイズに合わせて作られている。

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では、有名な海外メーカーを見てみましょう。

【海外メーカー】

  • Martin(マーチン)
  • Gibson(ギブソン)
  • Taylor(テイラー)
  • OVATION(オベーション)
  • Guird(ギルド)

圧倒的に有名なのがMartin社とGibson社。

実際に演奏やレコーディングで使用しているミュージシャンも多く、その信頼度と実績は群を抜いています。

代表アーティストを列挙するだけでも、ページが埋まってしまいかねないので(苦笑)、今回は割愛します。

では、2大巨頭であるMartin社とGibson社、現在非常に見かけることの多いTaylor社を見ていきましょう。

・2大巨頭の1つ、Martin(マーチン)

海外アコギメーカーで真っ先に挙げられるのが、Martin社です。

Martin社のギター(音質が良いもの)は基本的に生アコが殆どで、電気処理は後々代理店にて行うか、各リペアショップが受け持ってくれるケースが多いです。

ただ、生アコで値段は30万円前後~と非常に高価となっていますので、買う際にはかなりの思い切りが必要かと思われます。

しかし、それに見合うだけの抜群の弾き心地&サウンドですので、買って損はありません。

気を付けなければならない点として、生アコを購入して電気処理を行う=ボディの下の部分に穴を開けることになる為、音質が大きく変わってしまうリスクも伴います。

Ogi
Ogi

高額な海外メーカーのアコギは、電気処理も非常に高額になる点にご注意くださいね。

Martin社のエレアコは現在、比較的安価なものも販売されていますが、Martin社がエレアコに力を入れ始めたのは比較的最近の話なので、安価なものはそれほど音質が良くないものが多いです。

そのためMartin社のアコギは、後にエレアコ化する前提で生アコで購入する(20万以上の物)か、最初から20万円以上のエレアコを選ぶのがオススメです。

ヤマハ

10万円前後のものであれば、国内メーカーのエレアコの方が様々な面から断然おすすめとなります。

・2大巨頭の1つ、Gibson(ギブソン)

一昔前までは、「良いギター=Gibson」と言われていた時代もあったほど、一時代を築いた老舗メーカーです。

古くはエレキギターの開発の話まで遡り、その歴史は一つの記事を書いてもなお書き足りないほど

弾き語りよりもバンド演奏で利用している人が多いメーカーでもあるのですが、その特徴はなんといっても「ザ・Gibson!!」と判るレベルの個性的な音

名器と呼ばれるJ-45 を始め、そのサウンドは低音がパワフルであり、高音域はジャッキジャキで音抜けも良く、力強いストロークにしっかり応えてくれる個体が多いイメージです。

反面、ガシャーン!!という金属質かつパワフルすぎるサウンドが多い故に、繊細なサウンドはMartin社に軍配が上がる為、

  • フィンガーピッキング主体の弾語りならMartin
  • ストロークでバンドならGibson

このようなイメージが強いです。

Gibson社の場合は生アコのラインナップも充実していますが、エレアコも同じように多数のモデルが存在するため、気に入った1本が見つかりやすいかもしれません。

・Taylor(テイラー)社のエレアコ

Taylor社は、1974年に米国カリフォルニア州で誕生したギターメーカーで、ここ最近かなり人気となっているメーカーです。

2014年には全米でアコギの売り上げNo,1メーカーになったそうですが(楽器屋のバイヤーさんより)、日本でも山野楽器が国内総代理店として存在しているため、海外メーカーであっても比較的国内メーカーに近い形で扱えます

様々なボディタイプがあり、色んなジャンルにマッチさせるための「この1本!」というのを探しやすいのも、Taylorの特徴かと思います。

ストロークは全般に伸びやかでうるさい所もなく、全てのレンジのバランスが良く出ます。

また、ボディや弦に対するレスポンスがすこぶる良く、弾き手のイメージを具現化しやすいようにも思えます。

Gibsonほどのパワーこそないものの、低音の厚みもしっかり出せますし、高音域を単音で鳴らしたときには独特の艶やコシもあります。

その分、弾き手の腕に左右されやすい楽器が多いとも言えそうです。

さらに大きな特徴として、Taylorのアコギは全般にテンションが柔らかめになるよう作られており、他のメーカーよりも軽いタッチで演奏出来るので、疲れにくいのも良いところ。

私の今の愛器は、このTaylor社の314ce Japan Limited Editionです。

コンサートタイプで少々小柄なボディサイズは非常に弾きやすいのですが、ボディヒット時の低音が出にくい為、押尾奏法などには向いていません。

が、弾き語りをする時や、フィンガーピッキングでソロギターを演奏する時等は抜群の相性です。

テイラー

・その他の海外メーカー

OVATION(オベーション)は、普段目にする機会が少ないメーカーですが、ボディが薄いタイプが多い、少々変わった個体が多いメーカーです。

ストローク弾きやメロディ弾きに適したタイプが多いので、スタジオミュージシャンの方が良く使用しているイメージです。

Guird(ギルド)も最近はあまり見かけなくなりましたが、こちらも根強いファンがいるメーカーです。

サウンドとしてはGibsonとMartinの間のような感じで、独特のコシと煌びやかさがあります。ネックに少々クセのある個体が多い為、試奏してみるのが一番かと思います。

エレキギターメーカーとして有名なFender社やAria社のエレアコも現在安価で販売されていますが、これらのイメージは(失礼ながら)「うどん屋さんで出てくるラーメン」みたいなもの。

これらのブランドが大好きであれば問題ないかもしれませんが、アコギとしての評価はミュージシャンの間でもイマイチなので、避けた方が無難です。

エレキギターで有名なメーカーでアコギも有名なのはGibsonくらい、という所に、Gibson社の凄みが表れているようにも感じられます。

Ogi
Ogi

2019年11月に、エレキギターで有名なアイバニーズ社から、本格的なエレアコが発売されて話題になっています。
これからはエレキメーカーも、続々と本格的なアコギ商戦に参戦するかもしれません。

〇どのギターを選ぶか、まとめ

メーカーごとの特色やサウンドカラーなどを踏まえつつ、私Angler Ogiが、独断と偏見で考えるエレアコの選び方は!!

バンドでアコギをジャカジャカやりたい!→本命:Gibson、対抗:YAMAHA、HISTORY

ソロ弾き語りで気分良く歌いたい!→本命:YAMAHA、対抗:Taylor、Takamine

フィンガーピッキングメインで繊細に!→本命:Martin 、対抗:Yairi、Taylor

押尾奏法をやりたい!→本命:Martin、対抗:HISTORY、Takamine

すべてやりたい!困ったら→見た目で選ぶ。(笑)

こんな感じになります。好きなアーティストで選ぶのも一つかと思いますし(miwa=YAMAHAかGibson、秦基博=Martin等)、とにかく大事なのはフィーリング。

ビビッときたギターであれば、それがおそらく皆さまにとって、一番マッチギターのはずです!

〇最後に

いかがでしたでしょうか。

エレアコメーカーについて、個人的な見解を交えて詳しく書いてみました。

また、良いエレアコについて、という形で、前編・後編方式で記事にしてみました。

ギターの音色や弾き心地の「良い/悪い」というのは個人の主観による部分が圧倒的に大きい為、実際にお店でギターを手に取り、様々なメーカー、型番を試奏して頂くのが一番だと思います。

ただ、お店で買うよりもネットで購入した方が安値で買える世の中ですし、通販で買ってみるのも面白いかもしれません。

お世話になっていたギターショップの方曰く、良い型版は通販でも外れが非常に少ないようです。

ギターは一生の付き合いになる、とても大事な楽器であり、相棒です。妥協などせず、本当に良いギターに皆さまが出会えるよう、心から祈っています!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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