エレアコ選びのポイント解説!/前編:いいエレアコとは~【プロ講師の目】~

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こんにちは、Angler Ogiです。

皆さんは、エレアコを選ぶときに、どのような事を基準にしますか?値段メーカー(ブランド)見た目など、選ぶには様々な観点があるかと思います。

このページを見てくださっている皆様は、

エレアコが欲しい!でもどんなメーカーや種類を選べばいいの?

普通のアコギからエレアコに変えたいけど、どれくらいの値段のものがいいの?

このような内容で悩んでおられるのではないでしょうか。

今回の記事では、プロギター講師である私Ogiが、そういった疑問に全て応えていこうと思います。この記事を読み終わる頃には、皆様の理想の1本が見つかっているといいですね!!

ギターの良し悪しは、個人の主観による所が大きく関わってきます。それをご理解いただけますと幸いです。

エレキとアコギ、どちらか迷っておられる方はこちらをご覧ください!≫↓

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〇そもそもエレアコって?

私のエレアコ。左:Takamine TDP512、右:Taylor 314ce Japan Limited Edition。

エレアコとは、アコースティックギター(以下、アコギ)に電気的処理を施すことによって、エレキギターのようにケーブルを通して音を(スピーカー等から)出力できる状態にしたアコギの事をいいます。

お店で売られているアコギは、電気的処理がされていないアコギ(通称生アコ)と、最初から外部出力を意図して作られているアコギ(エレアコ)の2種類があります。

エレアコ自体は、ケーブルを繋がなければ普通のアコギとなんら変わりない為、普段の練習に使う事も(当然ながら)可能です。ステージに上がるときだけ音量を大きくできる、といったイメージですね。

また、生アコに後から電気的処理を加え、エレアコとすることも出来ます。

〇エレアコが必要な理由/メリット

家庭で1人で演奏を楽しんだり、練習をする程度であれば、アコギでも十分に音が大きいので問題ありません。ところが、ステージの上に立ったり、ストリートライブを行うとなれば話は別

生のアコギの音だと小さすぎて、お客さんの耳に音が届かないのです。

そこで登場するのがエレアコ。ケーブルを通してスピーカーやアンプから出力するという事は、ギターの音色はそのままに、音量を大きくすることが可能となるのです。

勿論、生アコにマイクを立てることで音量を大きくすること自体は可能ですが、

  • 他の楽器の音をマイクが拾ってしまい、クリアな音になりにくい
  • マイクとギターの距離をずっと一定に保ちながら弾かなければならない為、演奏技術が要求される他、ステージパフォーマンスがやりにくい
  • セッティングに時間がかかる

このようなデメリットがあります。対して、エレアコであればケーブルを挿し、音色を希望の物に調整するだけ。後はステージ上を(ケーブルが届く範囲で)自由に動くことが出来ますし、音の混ざりもありません。

私はよく演奏でステージに立ちますが、ほぼずっとエレアコで演奏しています。

2019年4月27日、姫路駅前広場にて。テイラーのエレアコを演奏中。

〇エレアコのデメリット

万能とも思えるエレアコですが、多少のデメリットがあります。

  • 電池駆動の物が多く、このタイプは定期的に電池を取り換えなければならない
  • 夏場など高温になる場合は、電池の液漏れにより故障のリスクがある
  • 電気処理されている分(プリアンプ、内臓マイク等)、生アコより少し重い
  • ケーブルを挿す場所(ジャック部)は、錆びたりホコリが入ったりしないように注意
  • 生アコに比べてやや高価なモデルが多い

生アコであればギターそのものの管理だけでOKですが、エレアコは電気楽器。電池駆動タイプの物が多いのですが、やはりこの部分が一番トラブルが多い為、電池のチェックは欠かせません。

エレアコ内部に搭載されたピックアップ。

ピックアップが搭載されている分、少し重めであるという事も覚えておきたいポイントです。

また、生アコの値段+電気処理分の値段、という計算方式が成り立ち、通常は生アコよりやや高価なものが多いです。

ただし、元々「生アコであっても高級品」、という物も多いので(マーチンやギブソン等)、この部分はエントリーモデルを購入する際にデメリットとなりえる箇所です。

〇エレアコ選びのポイント

エレアコを買おう!と思われる皆様はきっと、購入後にライブに出たい!という明確な目標、強い意志があるのではないでしょうか。

エレアコ購入の際に考えるべきポイントは、

  • 予算・・・幾らまで出せるか、という事はもちろん、いいギターが見つかった時に幾らまでなら予算オーバーしても買えるか、まで考えておきたいところ。
  • ボディシェイプ・・・ボディサイズ、カッタウェイか否かはあらかじめ決めておきたい。

では、順に見ていきましょう。

予算

エレアコは総じて、アコギより購入価格が高くなります(特にエントリーモデル)。その理由は先述した通り、 生アコの値段+電気処理分の値段、となる為です。

そこで、エレアコを買う際の最低予算ラインは4万~5万だと思ってください。

何故なら、一般的に言われる「ちゃんと鳴らせるアコギ」というのは、生アコでも最低2~3万円程度。そこに電気処理を加えるわけですから、当然その分の材料費や工賃分だけ、値段が上乗せされる訳です。ざっくり考えると・・・

3万円の既存の生アコギ+プリアンプなどの材料1万+工賃1万=5万円

つまり、5万円程度のエレアコで、3万程度の生アコの音がスピーカーから出るようになる、というようなイメージです。

勿論メーカーによって多少の差異はありますが、この値段帯は殆ど音的にも使い心地的にも大きな差はありませんので、おおよそこんな感じ、とイメージして頂ければ大丈夫です。

もし3万円のアコギを既に所有していて、ちょっといいエレアコを買いたい、という事でしたら、最低7~8万程度の予算が必要、という事になりますね。

これなら、ギターの音自体は5~6万程度の生アコと同程度の物になる為、ランクアップかつエレアコとして使用できる、という意味で価値があります。

しかも、 7~8万のラインはちゃんとエレアコとして組まれたギターも多いので、安心です。

・憧れの10万越え~20万のエレアコ

そして、10万円を超えたあたりから、エレアコは世界が変わり始めます。

この値段帯になると、そもそも取り付けられる電気部分(プリアンプ)が一気にランクアップし、電気を通したときの音質が格段に良くなります。

そして、エレアコ用に作られたギターに、その型に合わせて作られるプリアンプが初めから搭載されるため、当然相性は抜群。値段以上に、いい音のギターに出会えるようになるのも、この価格帯からです。(予算オーバーしやすいのもこの価格帯です)

国内メーカーであれば、ちゃんと国内で製造したり、検品してくれる機種も増えるため、外れ個体が圧倒的に少ないのも大きなメリットです。

もし「プロを目指しているわけではない、でも本気でエレアコを楽しみ、ステージにも立ちたい!」という事であれば、この価格帯がオススメです。

・20万円以上のエレアコ

20万円を超えると、プロが演奏で使用するレベルの物が手に入るようになります。

ギターを手にした後、定期的にステージに立ち続けるであろう方や、プロを目指す方は、迷わずこのラインより上の物を購入すると、損はないかと思います。

ただもし30万円を超えるラインとなると、それなりの覚悟がいるかと思いますので、懐事情と相談したうえで決めて頂ければと思います。(有名ミュージシャンの多くは、この30~40万円ラインのアコギを使用しています)

50万以上となると、もはやその存在や音は芸術品や骨董品の域に達します。見た目にもアバロン(アワビ貝の内側)のバインディング(ギターを囲むような装飾)が施されたり、使用されている木がとんでもなく希少なものであったり、といった具合です。

それ以上の物となると今回の趣旨から逸れてしまいますので、ご興味あります方は、是非お店の方と相談してみてくださいね。

ボディシェイプ(形)

エレアコには色々な形がありますが、まず決めたいのは、カッタウェイタイプか否か。

カッタウェイというのは、ハイポジションの部分が深く抉れているタイプのことで、この処理があることによって、ハイポジションのフレーズが弾きやすくなるのです。

四角で囲んだ部分がカッタウェイ部。

私が使用しているアコギ2台は両方カッタウェイタイプ。やはり仕事で様々な曲を演奏するため、コード弾きだけでなく、ハイポジションを多用するメロディ弾きや押尾コータロー氏の楽曲演奏に、カッタウェイは欠かせません。

ただ、ノーマルなボディタイプの方が総じてサウンドが良い(あたたかみがある)傾向にあるので、純粋な弾き語りのみに使用するのであれば、ノーマルタイプをオススメします。

そして次にボディサイズ。アコギには、ドレッドノートタイプと呼ばれる、大きめのボディ且つくびれが少ないものから、フォークタイプ(コンサートタイプ等)と呼ばれるやや小さめでスマートなもの、さらに小ぶりなものまで様々なサイズが用意されています。

ドレッドノートはやはりボディが大きな分パワーがあり、押尾奏法含め様々な演奏に使用できますが、小柄な方は演奏するのが大変!いうケースもあり得ますので、実際に試奏して決めてみてください。

フォークタイプはやや繊細なものが多いので、フィンガーピッキングやソロギターに向いています。ただ低音がドレッドノートタイプに比べるとかなり控えめになる為、やはり試奏して決めて頂くのが一番かと思います。

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〇良いアコギは何が違う?

講師である私Ogiが、生徒の皆様からよく受ける質問があります。それは。

「良いギター」、高いギターって何が違うんですか?初心者の私に、違いは判るんでしょうか??

というものです。

確かに私も、初めて良いギター(TakamineのTDP512という機種。当時12万8千円)を手にするまでは、そんなに違いが判らないだろうと思っていたのですが、現実は違いました。何が違うのか、4つのポイントに注目して見ていきましょう。

その1、音色

まずは騙されたと思って、一度10万越えのギターを弾いてみてください。3万代、7万代、10万代とジャンプアップしていくと、その違いがよく判ります。

安いギターはボディの表面だけが鳴っているイメージですが、良いギターになるとボディ全体が共鳴するような感覚になり、ギターに触れている個所全てから、共鳴の振動を感じ取ることが出来ます。

そして、音量はあるのに耳に優しく、強く弾いていなくてもよく鳴り、ピックをあてる強弱によってガラっと音色の雰囲気が変わるのです。

弾き始めると吸い込まれるような錯覚に陥り、気が付くと「ずっと鳴らしていたい」という催眠術にかかったかのような状態になります。(笑)

その2、見た目

高級ギターになると、美しい装飾が随所に散りばめられたモデル(Martin D-45等)から、余計な装飾は一切ない重厚な木のオーラをまとったもの(Gibson J-45やMartin D-28等)が登場します。

同じように木で出来ているとはいえ、安いギターと高級ギターでは、明らかに見た目に差があります。

ヘッドロゴを見るだけでも、そのカッコ良さを知って頂くことが出来るかと思いますし、付属品として付いてくるハードケースも重厚なものとなるので、見た目の面でも差がついてきます。

その3、ピックアップ

安いエレアコには安いピックアップ(音を拾ってくれる部分)が搭載されていますが、高級エレアコにはそれに見合った良いピックアップが搭載されています。

中には2か所(2タイプ)のピックアップが搭載されているモデルも多いので(Taylor社製等)、弾いた時のタッチからピックの擦れる音、ボディを叩く音まで、しっかりと拾ってくれます。

さらに、エレアコの良いピックアップの条件=生アコの状態の音をそのままスピーカーに出力、という図式が成り立ちますが、高級エレアコのピックアップは正にそれ。

ケーブルをただスピーカーに繋いだだけで、生のアコギの音がそのままスピーカーから出てくれるので、音作りは非常にシンプルなもので済みます。

この部分で音のバランスを調整。左からLow,Mid,Hiとなっています。

安いエレアコのピックアップは、アコギを弾いているのにエレキギターみたいな音になってしまう物も多い為(弦振動を完全に電気信号に置換してしまっている)、購入の際は必ずアコギ用アンプやスピーカーに接続した状態での試奏をオススメします。

その4、弾き心地(弾きやすさ)

最後に弾き心地です。

安いギターはどれだけ弦調整やネック調整を施しても、何とも言えない弾きにくさが拭えません。特に左手の力具合は深刻で、2万円以下のアコギだと、ギターのネックを握りつぶすイメージの握力が必要なものさえあります。

それに対し高級ギターは、左手をネックに添えた瞬間から、質感が違います。そして実際に弦を抑えてみると、その柔らかさに驚いて頂けるかと思います。

実際の話ですが、私の生徒様で、今まで2万円のアコギや5万円のアコギを使っていた方に、私のTaylor(定価35万円程)を試奏してもらった時の表情が忘れられません

皆さま満面の笑みとなり、左手の感触に感動、音に感動した後、しばらく私のギターを返してくれなくなるのです。(笑)それほど良いギターの弾き心地には心惹かれるものがあるのです。

安いギターを批判するのではなく、良いギターは「あまりに良すぎる」ためにおこる事態。皆さまにも、是非体験していただきたいなと思います。

〇前編の纏め

いかがでしたでしょうか。

前編では、エレアコのメリット・デメリットや、エレアコを選ぶ際のポイント、「良いアコギとは何か」といった事にフォーカスしてみました。

後編では、エレアコメーカーについて詳しく書いていこうと思いますので、後編の記事も是非ご覧くださいね!!

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