こんにちは、Angler Ogiです。
3月13日、気温が再度低下し始めた揖保川支流へと釣行したのですが、結果から言いますと5匹の貧果でした。
それよりも少々気になる事がありましたので、その部分にフォーカスしつつ書いていこうと思います。
揖保川の渓流釣りのイマにご興味ある方、お付き合いいただければ幸いです。
川虫は豊漁。
現地周辺に到着したのは夜明けとほぼ同時の6時20分頃。
現地までの気温計は軒並み6度でしたが、予想最高気温は12度(前日比-4度)なので、気温がガクンと下がった印象です。
今回から餌を川虫にしようと決めていたので、毎年キンパク採集に利用しているポイントへ入ります。
下流部に網を立てつつ石を蹴とばし、その後に網を確認という方法で採集するのですが、今年は川虫が豊漁のよう。
キンパクも普通に入りますし、どういう訳か採集方法や場所が違うはずのヒラタが大漁に入るではありませんか!
むしろヒラタをメインに使用できるレベルで採集できるので、僅か20分程で餌採集は終了。
キンパク30匹程度、ヒラタを60匹程度確保してポイントへと車を走らせました。
前回釣行時、(時期尚早と思っていた)いつもの支流で普通に釣果が出たので、今回はその周辺を広く探ってみようという魂胆です。
幸い周辺にアングラーの姿や車が無いので、準備を整えていざ入渓!
この日のタックル①↓
- ロッド・・・シマノ・渓峰 尖 硬調57
- 天上糸・・・1.2号3本ヨリ(オレンジ)2m
- ライン・・・0.2号通し、3.6m
- 目印・・・糸タイプ目印3点(グリーンとピンク)
- オモリ・・・ジンタン1号~4B(2個付けも)
- 針・・・忍ヤマメ4号
- エサ・・・イクラ、キンパク、ヒラタ
比較的広い場所であるという事、扱いに慣れておきたいという理由から、まずは渓峰 尖 をチョイス。
早速、前回アタリが出た周辺を広く探っていきますが・・・反応がありません。
餌を変え、オモリを変え、流す筋やタナを変え・・・と粘りましたが、なんとまさかのアタリゼロ!
これは完全に誤算でした。
ならばと、前回より水位が10cm以上低い為に生まれるポイントを丹念に探りながら釣り下がっていきますが、やはり反応はありません。
この様子だと入渓場所を間違えたか・・・と、試しに水温を計測してみると、

6度ありました。
確かに低いですが、食わないほどではないはずなんですが・・・。
とはいえ、前回釣行時は(おそらく)水温が上がって6度になっていたはず。
今回は逆に、外気温が大きく低下したために下がって6度になったと思われますので、この違いは殊の外大きいようですね・・・!
とりあえずこの区画はダメな気がしたので、やや上流部から入りなおす事にしました。
車と足跡が・・・ない?
手早く仕掛けを片付けて、上流部へと車を走らせますが・・・普段なら多少なりともあるはずのアングラーの車が、1台もありません。
ポイントが選びやすい状況ではあるので、お気に入りの区画から再入渓することにします。
この日のタックル②↓
- ロッド・・・宇崎日清・3Way渓蘭3.4-4.5m
- 天上糸・・・1.2号3本ヨリ(オレンジ)1.5m
- ライン・・・0.2号通し、3m
- 目印・・・糸タイプ目印3点(グリーンとピンク)
- オモリ・・・ジンタン3号~4B(2個付けも)
- 針・・・忍ヤマメ4号
- エサ・・・イクラ、キンパク、ヒラタ
水量は非常に良い感じなので、流れ込みの尻に当たる部分や、緩流帯を狙って仕掛けを通していきますが・・・やはり反応がありません!
さらには、大きな落ち込みのヨレ、流れ込みの尻にあるエグレなど、ここぞ!という場所を流しても、一切反応が無いのです。
いくらなんでもそれはないんじゃないか・・・と思いつつどんどん遡行していきますが、過去の実績場でも一切反応無し。
ここで釣れなきゃもうこの支流はダメ!という箇所が4か所ほどあるのですが、まさかのすべて空振りでした。
正直頭を抱えたくなるレベルの無反応っぷりだったので、再度水温計を突っ込んでみますが・・・やはり6度のまま。
やっぱり5度以下は表示しないんじゃないか?と疑いたくなるレベルですが(苦笑)、確かに指を突っ込んでみた体感でも間違いなく6度くらいはあります。
なら先行者の後だったり、前日までに抜かれてしまったのかと思いきや・・・そう、アングラーの足跡すら無いのです。
「好きなポイントに入れてラッキー!」を通り越して、少々不安になるレベルですねこれは・・・!
結構な距離を釣り歩きましたが、結局何の反応も得られないまま退渓ポイントに来てしまったため、大人しく車へと戻る事にしました。
解禁日のポイントは?
時刻はすでに10時半。
このままだと釣果が大変危ういので、自分自身がテッパンと感じる解禁初日のポイントへ行ってみることにしました。
幸いアングラーの影も無いので、解禁初日に良型が釣れた区画から入渓してみます。
水温は7度あり、水量も落ち着いており良い雰囲気なので、実績のある場所をメインに仕掛けを通していきますが・・・なんとここでもアタリが無いではありませんか!!
ここでサクっと○を逃れて~なんて甘い考えは一気に吹き飛び、2年連続で○を喰らってしまうという焦りが芽生えます。
小さなアマゴでも良いので、とにかく顔が見たい一心で釣り上がっていき、「ここぞ」のポイントで何度も裏切られながら・・・落ち込みのヨレでようやくの反応が!
手首を返してアワセると、小さなアマゴが飛び出してきました!(苦笑)

釣り開始から4時間、12cm程ではありますが、なんとか○を逃れたことに一安心!
多大なる感謝を込めてリリースしようとして気づいたのですが、このアマゴ、随分天然個体に近い模様と雰囲気でした。
そしてリリース直後の1投でも、同じ辺りで反応が!

同じようなサイズですが、立て続けに釣れるとやはり嬉しいもの!
そしてこちらの個体は、おそらく卵放流や稚魚放流から何世代かを経た、野生に近い個体だと思われます。
次の場所では反応がありませんでしたが、解禁日に良型が出たポイントでは、目印が引っ張られます!

サイズが少々ダウンした上に随分細い個体でした。
こちらは卵放流が孵化した物か、2世~3世の可能性が高い体色と模様配置です。
太陽も出てきて、水温は8度に上昇!
これならまだ釣れるはずだと思っていたのですが・・・釣れたのはここまで。
この後はどこを探っても反応が無かったので、また車へと戻ります。
過去ポイントを回っていく
この時点で時刻は昼前。
夕方には自宅につかないといけないので、どうするか考えた結果、「どうせ釣れないなら過去のポイントの様子を見に行こう」という考えに至りました。
まず最初に選んだのは、
まさかの本流。(゜∀゜)笑
どうせ釣れるわけは無いのですが、10年ほど前(成魚放流があった頃)は解禁初日に本流で天然物を含む釣果が出ていたのです。
もしかしたら、大きな淵の底の方をじっくり狙えばワンチャンないか?と考え、物は試しと入渓してみたのですが・・・案の定、雪解け水により水量はかなり多め。(苦笑)
じゃあとんでもなく冷たいのかと思い、手を突っ込んでみると
・・・あれ??そこまで冷たくない??(゜∀゜;)
正直最初の支流と同じくらいだと感じたので、試しに水温計を突っ込んでみると、やはり6度!
これなら反応が出てもおかしくは・・・ないかもしれません!(←過度な期待)
という事でしばしやってみたのですが。当然ながら無反応でした。(苦笑)
本流は10~11度を超えないとダメなイメージなので、もうしばらくお預けです。

こういったトライ&エラーが、後の釣果に結びくのです。・・・知らんけど。多分。笑
次に選んだのは、過去にチビアマゴを1匹だけ釣った支流。
卵放流の実績も過去にあるので、釣れるのでは・・・と思っていたら、なんだか山の深い場所まで木々が伐採されており、以前のポイントがどこか判らなくなってしまいました。
仕方なく車を走らせていたら、どんどん川から離れていく上に雪が残る峠に差し掛かってしまったので、慌ててUターン。
このポイントは諦めることにしました。
このまま帰るのもシャクなので、最後に選んだのは、前回雰囲気抜群でアタリが無かった支流。
水量も落ち着いて反応が出るかもという判断です。
支流に到着し、入渓場所を求めてしばし車を走らせてみましたが、やはり前回入った場所以外は入渓しにくい地形だったので、諦めて同じ場所に入ってみることにしました。
とりあえず川まで降りたかったのですが、降りる場所が少し離れているため、何気なく道路上から仕掛けを放り込んでみたら・・・まさかのアタリが出るではありませんか!!
抜き上げると大変小さな個体で、

見た瞬間にそれと判る、「ザ・放流物(卵放流)」という模様と体色の個体でした。
ダッシュで川の傍まで行き、素早くリリースします。
この支流でもなんとか1匹釣れたことに一安心しつつ、本命ポイントの手前にある落ち込みでも、目印が綺麗にストップ!
アワセを入れると小気味いい引き味で、

ようやくマトモな16cm程のアマゴが釣れたのですが・・・この個体も、天然物に限りなく近い模様と体色です。
普段なら「美しい!天然物!」と喜ぶところですが・・・この日はそんな気分ではありませんでした。
感謝しつつリリースします。
この後本命ポイントを攻めたものの、まさかのアタリは無し。
14時前に納竿としました。
渓流釣りの後は野草摘み!
釣りを終えた後、最近密かにハマっている野草摘みへ。
釣り場と自宅の間にある河川敷へと立ち寄ると、

このようにアブラナの仲間が多数生えているのです!
元々主観雑種を作りやすいアブラナ科のため、種を完全に特定するのは大変難しいのですが、一つ言えるのは、アブラナ科の葉はほぼ食べられるという事。
見た目が近い毒草もほぼ無い為、安心して摘むことが出来ます。
個人的には、上写真のダイコン葉に近い雰囲気の物よりものらぼう菜が大好きなので、

このように、茎が紫がかっていてひょろりと長く、一株から1本の(メインとも呼ぶべき)茎のみが生えている種の先端付近&わき目を摘んでいきます。

河川敷に生えている植物は、基本的に(条例などに触れることなく)採集可能です。
勿論、人の畑や土地の物を採ってはいけません!!
さらに、

野草の王様と呼びたくなるレベルのノビルも、そこかしこに!
これが本当に美味いので、数年前からよく採集して食べています。
ちなみにノビルは、見た目が完全にネギのそれですし、三日月状になっている葉をつぶすととんでもなく強烈なネギとニラを足したような香りがするので、間違える事はありません!
さらには、地下茎が発達した鱗茎という部分が大変目立ちます。
見た目的にはラッキョウやニンニクに似ていますが、これが本当に美味いのです。

という事で、ノビル&のらぼう菜を摘んできたことにより、アマゴの持ち帰りは無くとも、

春の味覚として(個人的に)最上位に持ってきたいご馳走、菜花のからし和えに、

バター炒めが夕飯に!
野菜の価格が高騰している今、こんな贅沢があるでしょうか。(笑)
ノビルは天ぷらにしたり、湯がいて酢味噌で食べたりするだけでなく、ギョウザやラーメンに入れると絶品なので、是非試してみてくださいね。
この日の纏め&私の懸念していること
最終的な釣果は、16cmまでのアマゴが5匹と、なんとか○を逃れることが出来ました。
それより、私が懸念しているのが・・・今年の揖保川のアングラーの少なさと、「発眼卵放流」はどれほどの効果があるのか?という点です。
今年はアングラーが少ない?
いつもなら、「今年はアングラーが少なくて釣りやすい、ポイントを選びやすい」と喜ぶところですが、単純に揖保川が過疎化しているのかもしれません。
その証拠に、ここまで私は3回釣行していますが、まだ一度も他のアングラーとすれ違っていませんし、足跡の数も例年より圧倒的に少なく感じています。
また、1か所目から2か所目に移動する際、それなりの時間になっていることもあり、通常なら車の1台や2台見かけるものですが・・・今シーズンはそれも無いのです。
時期によるもの、といえばそれまでですが、過去10年ほど揖保川に通っている私にとって、今シーズンのこの状況は初めて遭遇する事態なのです。
実際問題として、この日のように釣れない状況になっているため、アングラーの足が遠のいてしまうのも解りますが・・・なんだか少々、今後が心配になってきました。
発眼卵放流はどれほどの効果が?
次に気にしているのは、近年漁協さんが力を入れている「発眼卵放流」の効果。
一昨年までは9万粒の放流でしたが、昨年の放流実績を見ると8万粒・・・減っています。
さらに、どの漁協さんも解禁前には成魚放流を盛んに行い、HPも頻繁に更新されますが・・・揖保川漁協さんは近年、成魚放流を行っておりません。
一昨年頃からは稚魚放流もストップしてしまいました。
今回の釣行で釣れた個体を見ると、1匹を除いて「準天然化」していることが見受けられます。
ちなみにこちらが、天然アマゴ(兵庫県レッドデータBランク)の特徴です。↓
そしてこちらが、稚魚放流・卵放流魚の特徴です。↓
こうしてみてみると、今回釣れた5匹のうち、3匹が天然アマゴの特徴に近く、1匹が明確に「ザ・放流アマゴ」の特徴を備えているのが判ります。
今回釣った個体以外でお話しすると、


解禁日に釣れたこちらの2匹は天然に非常に近く、


同日に釣れたこちらの2匹は、放流個体の可能性が非常に高いと思われます。
天然魚が増えるというのは自然現象としてはとても好ましい事ですが、その一方で、、
「魚自体の数を増やすために行われている放流事業の成果が出ていない」
とも考えられるのではないでしょうか。
もしもこの発眼卵放流の効果が出ているとするならば、放流個体と天然個体の特徴が混じった魚がもっと釣れてもおかしくないのですし、なんなら放流の特徴を持つ個体ばかりが釣れても不自然ではありません。
つまり、放流個体の特徴を持った個体が圧倒的に多い/よく釣れる場合に、放流事業が功を奏して魚影が濃くなっていると言えるのです。
国内外来種問題というものがある中、漁協が管理して遊漁を行える河川で釣りをしている以上、大変デリケートな問題であることは承知していますが・・・。
今シーズン、現時点で釣ったアマゴ(総数52匹)を見てみると、天然の特徴に偏りがある個体が多数となっていました。
これはつまり、放流された個体とは交雑せず(数が少なく出来ない?)、自然の営みの中で天然個体が増えている(もしくは二世・三世と天然個体の交雑が増えている)という事と予測します。
だとすると、今後揖保川で釣れる魚は天然資源に頼る事となり、放流事業とは・・・?という事態になりかねないのではないでしょうか。
正直、どんどん釣れなくなる未来しか見えません。(苦笑)
思い返してみると、昨年私は幸運にも300匹を超えるアマゴに巡り合うことが出来ましたが、美しい天然の特徴を多分に備えた個体が大半だったように思います。↓



特に本流で釣れた個体は、天然の特徴がより強く出ていました。




反面、すれ違う人や馴染みの釣具店の店員さんからは、「そんなに釣れてない」「釣れているのはOgiさんや地元の名手数人では」と言われる機会も増えました。
一方、近年盛り上がっている千種川漁協のインスタを除くと、アマゴ釣り初挑戦の方が20匹越えの釣果を記録していたりと、その差は一目瞭然・・・。
あまりウダウダ書くとグチになってしまうのでこの辺でストップしたいと思いますが(苦笑)、本当にこのままだと揖保川は大変な状況に陥りそうな気がしています。
揖保川漁協の皆様、なんとか「釣れる揖保川」を存続できるよう、心からお願いいたします・・・!m(_ _)m
一先ず水温が上がってくればまた昨年のように爆釣するようになると信じていますし、本流シーズンに入れば良型が竿を大きく曲げてくれるはず。
今シーズンはこのまま揖保川流域での釣行をできる限り続け、よりしっかりと揖保川・引原川とその支流の現状を把握しつつ、良い情報を皆様にお届けできるよう、精進してまいります!
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