アコギ弦交換・虎の巻【プロ講師直伝】

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こんにちは、ギター講師のAngler Ogiです。

皆様は、アコースティックギターの弦交換、上手く出来ていますか??

私も最初の頃は、綺麗に巻けなかったり、ペグを回したら逆向きに巻いていた事が発覚したり、といった事は日常茶飯事。

それだけでなく、誤ってメイン弦を切ってしまったり、切れた弦で指や目をケガしてしまったりと、散々な目に・・・。

当時はまだYoutube等も無く、教則本を見たりして悪戦苦闘していました。

弦交換を失敗してしまう要因は、

  • 弦をどれくらい緩めるかがわからない
  • 弦の巻き付け方巻き量がわからない
  • そもそも正しい手順がわからない
  • チューニングの正しいやり方がわからない

この辺りが多いかと思います。

しかし、今回ご紹介する弦交換の方法を学生の頃に覚えてからは、全くミスすることなく、しかも短時間(10分程度)で弦交換が出来るようになりました!!

今ではレッスンの合間に6~7分あれば弦交換が出来ています。

↓今回の記事はこんな方内容です!↓

  • 一度トライして失敗、弦交換が不安。そんな方にオススメの記事です!
  • 正しい方法をきちんと覚えたい方の為に、写真・文章で徹底解説!
  • 弦交換の速度を上げたい方の為に、効率よくやる方法も解説。
  • 自分で出来るようになるための、気を付けるべきポイントとは?

この記事を読んでいただければ、きっとあなたもアコギの弦交換が出来るようになります!
早速見ていきましょう!!

アコギの弦を自分で交換しよう!!

弦交換の工程は大まかに分けて7つありますので、一つずつ解説していきます。

1、弦を緩めて外す

愛用の弦はディーンマークレー・ブルースティールです。

用意するものは交換する弦、ニッパー、チューナーの3点。

弦を緩めるスピードを速めるストリングスワインダーという器具もありますが、私は手でやるのと大して速度が変わらなかったため、使用していません。

最初の行程ですが、まずはギターの弦を緩めていきます。

問題はどれくらい弦を緩めるか、という事ですが、この時、1本の弦だけを全て緩めるといった形はNG!!

何故なら、弦は6本でバランスを取っているもの。そのうち1本だけをベロベロに緩めると、弦が切れて跳ね返ってくるリスクがあります。(私はこれで目をケガしました(泣))

そのため、全ての弦を満遍なく、1~2周ずつくらい回して(細く切れやすい1弦から6弦→全て緩めたらまた1弦から6弦へ)、全ての弦の音程が無くなるまで緩めましょう。

オーソドックスなアコギの弦の配置。

続いて、緩めた弦を軽く持ち、サウンドホールの上辺りで、ニッパーで切っていきます。

これなら、跳ね返ってきた弦でケガをすることはありません!

上から見た図。この辺りで弦をカット。

切った弦は、ペグとブリッジから外して丸めておき、各市町村の指定に従って処分してくださいね。

この状態で処分。先端でケガをしないよう注意!

☆ブリッジから外す時は要注意!すぐに外れる事もありますが、弦が食い込んで固くなっており、エンドピンが抜けないと言うこともしばしば。

弦を押し込んだらピンが浮いた。

そこで、ギターの角度を変えたり、弦を押し込みつつピンを引っ張ってみたり、サウンドホールの中に手を入れて、エンドピン部の裏側をかるーくコンコンと叩いてやったりすると外す事が出来ます。

どうしても抜けない場合は、布などをかませたペンチなどで、テコの原理を使って引き抜くという方法もありますが、ブリッジ部に傷が入ったり、ボディが割れるリスクもありますので、最終手段として、自己責任で行ってください。
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2、ネック(指板とフレット)の手入れ

弦が外れたら、フィンガーイーズや手入れ用オイルなどを使って、指板やフレットなどを綺麗に磨きます。

サウンドホール周辺(弦の下にあたる部分)やヘッド部(特にペグの間)はホコリが溜まりやすいため、この機会に乾いた布で拭き取っておきましょう。

続いてネック部。

人によるかと思いますが、オイルを直接ネックに吹き付けると、フレットの隙間などにオイルがたまったりしてトラブルの原因となります。

出来れば布にオイルを染み込ませて拭く→その後軽く乾拭きと言うのが理想です。

また、指板は強くこすりすぎると傷んでしまうこともあるので、やりすぎないよう、適度にしておきましょう。

3、ブリッジ部に新しい弦を留める

クリーニング作業が終わったら、いよいよ弦を張っていきます。

どの弦でも、間違えないように↑のような記載がある。

私はいつも、予め弦を全てギターのブリッジ部に突っ込み、エンドピンで軽く留めてから、1本ずつ巻いていくという形を取っています。

左から6,5,4弦。太さが若干違う。一番太いのが6弦。
こちらは上から3,2,1弦。間違えないよう、色が互い違いになっている。

パッケージから出した弦のクセを軽く取り、ポールピース(弦を留めている小さくて丸いパーツ)部を、エンドピンを外した穴に入れます。

穴に弦を入れて、ピンを突っ込んだところ。

そして上からエンドピンを刺して、弦を軽く引っ張りましょう。

くれぐれも強く引っ張りすぎないように!弦に変なクセがついてしまいますので慎重に。

弦がブリッジ部にしっかりと引っかかる感触があれば大丈夫。

もしグラつくようであれば、弦をギターに向かって垂直に引っ張るようにしつつ(慎重に!)、しっかり引っかかるようにします。

弦を入れる穴に入るのはピンの長さ分なので、僅か3cm程度。

どれだけ引っ張っても巻き終わり部が見えないのであれば、後でペグを回したときにバチン!という音と共に引っかかりますのでご安心を。
(巻き量が増えてしまう可能性があるので、気をつけましょう)

4、ペグに弦を巻く際のポイント

そしてここからが問題。
ペグに弦を巻き付けていくのですが、気を付けるべきは以下の4点

  1. アコギやレスポールタイプのエレキギターの場合、(ギターを構えた時)上に6~4弦、下に3~1弦がきます。
    つまり、6~4弦と、3~1弦で、巻く向きが逆になることに気をつけてください!!
  2. ギターを構えた時、上にくるペグのサウンドホール側に、6弦のペグがあります。
    ボディから一番遠い位置に4、3弦が来ますので、巻き付ける位置に注意してください!!
  3. 弦に張りを感じるくらいまで巻き付けるまでは、ペグから弦が外れてしまう可能性があります!
    途中で気を抜かないようにしてくださいね!
  4. ペグに弦を巻き付けている最中に、エンドピンが浮き上がって外れてしまう事があります!
    その都度エンドピンを押し込みながら、外れないようにしてください。
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5、ペグに弦をセットする

この工程が、一番ミスの多いところです!慎重に行いましょう。

私はいつも6弦から巻き付けていくので、まずは6弦からいきます。

①ペグの穴が弦の方向を向いているように向きを調整した後、エンドピンに弦が引っかかっている事を確認して、ペグの穴に弦を通します。

このままペグを回してはいけませんので注意が必要です!!

ペグの穴の向きをそろえた状態。

②ペグ穴の先の弦を持ち、隣のペグくらいまで余剰分を取ります

6・5弦は、隣のペグのやや手前くらいが目安。

③そしてその余剰分をキープしたまま、巻き付けるペグの辺りまで弦を押し戻します

ペグの直前の所で弦を軽く折り曲げてクセをつけ、引っかかるようにします。

ひっかけた状態

⑤そして、右手でボディ側の弦を持ち、ペグに引っ掛けた所を基点にして、ペグを回していきます。
回す向きは、

  • 上側(6~4弦)は、親指を押す、反時計回りに
  • 下側(3~1弦)は、真上から見たときに時計回りに

このようになります。
私のように方向音痴の方には難しいですが(苦笑)、頑張りましょう!

可能であれば、巻く向きを確認した後、最初に一周手で巻き付けてから作業するとスムーズですが、難しければ無理をせず、そのままペグを巻いていく事をオススメします。

6、弦の巻き付け方

巻き方ですが、右手でメインの方の弦を真っ直ぐ引っ張れるように持ち(握り込んでクセが付かないようにしましょう)、ある程度のテンションをキープしながら、ペグを回していきます。

まずは1周目。メインの弦が、穴を通っている弦の上に来るようにします。

上から見るとこんな感じに。

1周目でメインの弦が上に来たら、2周目はメインの弦が下に来るようにしたいので、ペグのそばの弦を右手の人差し指や左手の親指などで適宜押さえつつ、下側に誘導します。

この時、ポケモンのカイリキーのように腕が四本あったら・・・と思うのは私だけでは無いはず。(苦笑)
2周目にさしかかったところ。余りの弦が、メインの弦の上に来るように。

1周目は上→2周目以降は下。6~4弦は、巻き数が2周半~3周程度になっていればクリアです!!

そして、弦のテンションが少しきつくなってきた頃合いで、弦をナット部に乗せ、右手を放します。

後はそのまま、ペグを1.5周分程度回して弦を巻いていきます。少し音程が出てきたかな?くらいでストップしましょう。

ペグに乗せて軽く巻いたところ。まだナット~ペグの部分が少し緩んでいる。
  • ナットは、ギターを構えた時に一番上にくる溝が6弦の溝、一番下が1弦用の溝です。
  • この段階では、まだチューニングは行いません。この後、音程はどんどんずれます。
 

さて、6弦の次に5弦、と巻き終わる頃に、6弦が少し緩むといった事態が起こるかと思います。

その時は、6弦側のペグを半周~1周程度巻いて、弦が緩んでしまわないように気を付けておきましょう。

4弦を巻く際は、ペグ1つ分戻すという作業ができなくなるので、5弦と6弦のペグの幅分くらいを目安に押し戻してクセをつけ、同じように巻いてみてください。

4弦の余剰分はこれくらい。

この後3~1弦を巻いていきますが、基本的な形は6~4弦と同じ。
が、先ほど上記にもあったように、巻く向きが逆(時計回り)になります!!

さらに、下側の弦(2弦と1弦)は巻き量をやや増やす方がチューニングが安定するとされています。

そのため、余剰を取るときに5mm~1cm程度余分にとって巻くのも良いでしょう!

1弦の時はペグ幅1つ分+1cm程度余分に。
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7、弦のテンションの調整~チューニングの準備まで

Ogi
Ogi

ここまでの段階をクリアできれば、あと少しで完了です!!頑張りましょう!!

弦のテンション調整=チューニングを行っていきます。

ギターは寝かせた状態ではなく、構えた状態で行いましょう。
寝かせた状態だと、誤って弦を切ってしまったときに跳ね返ってきて大変危険です!

最初はチューナーを付けてやる必要はないので(どんどんチューニングがずれていくためです)、各弦のペグを1周分ずつくらい巻いていきましょう。

ペグを回している最中にエンドピン側が浮き上がってくることもあるため、その場合はしっかりと押し込みなおすようにしてください。

6~1弦までを1周ずつくらい巻いた辺りで、やや音程がしっかりとしてくるため、チューナーを取り付けましょう(動画19:01)。

余りの弦をこの段階まで切っていないは、弦の巻きミスをしてしまった際に、余剰分があれば巻きなおしができるためです。

慣れてくればもっと早い段階で切っておいても大丈夫ですが、最初のうちは残しておいた方が無難。

全て巻き終わった。手前、右側から6,5,4弦。2~3周程度巻き付けている。
左から3,2,1弦。やや巻き量多めに。

チューニングのやり方

今回はレギュラーチューニングに合わせます。

まず前提としまして、ギターは音程をローマ字(A~G)で表します。

A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ)

そして、チューニングはEADGBEに合わせるわけですが、音の高低を理解していないと、弦を切ってしまうリスクが高くなるので気を付けましょう!

以下のようになります。

Low←E(6弦)FGA(5弦)BCD(4弦)EFG(3弦)AB(2弦)CDE(1弦)→Hi

さらに、音階の中には♯(半音上がる)と♭(半音下がる)も存在するため、気を付けなければなりません。

BとC、EとFの間には♯/♭はないので、この点に留意すると良いでしょう。

ピアノ鍵盤で、ミとファ、シとドの間に黒鍵がない、と考えるとわかりやすいです。音階の関係はこのようになります。↓

C、C♯/D♭、D、D♯/E♭、E、F、F♯/G♭、G、G♯/A♭、A、A♯/B♭、B、C

手順としては、弦を弾いてチューナーの表記を確認。

そして合わせたい音程に対して高いか低いかを確認し(現状は弦を巻き付けたところなので、確実に低い状態です)、上記の表に従って、合わせていきます。

合わせるときは、弦を弾いた状態で、ペグを回しながらチューナの表記を確認、というのが最も望ましい形です。

弦を弾きながら合わせようとすると、弾くたびに弦がたわんでチューニングが安定しなくなるので、オススメできません。

ちなみにこの段階でも、全ての弦をピッタリチューニングする必要はありません。

この後2度、3度とチューニングしていく度に弦が伸び、弦をこなすか翌日になるまでチューニングは安定しないのです。

そのため、ざっくりでいい、というイメージで行いましょう。

6~1弦までの1度目のチューニングが終わったら一度、弦がペグに綺麗に巻けているか確認。
綺麗に巻けていれば、ペグから出ている余りの弦を、5mm程度残してニッパーでカット。

くれぐれもメインの弦を切らないように気を付けましょう!

そして、この後チューニングがある程度安定してくるまでチューニングを繰り返すのですが3回目くらいから徐々に安定してくるので、この頃にキッチリ音程を合わせます。

慣れてくれば弦を引っ張ってげんをこなす作業を行うと良いのですが、失敗すると折角巻いたばかりの弦が切れてしまう事も。

ですので最初は弦を引っ張ったりせず、何度か弾いてチューニングを繰り返す事で安定してくるのを待ちましょう。

私Ogiのオススメチューナーは、ユニチューンとポリチューン。
様々なチューナーを試しましたが、反応速度が断トツで早いため、これを使うと、もう他のチューナーには戻れません。

これで弦交換は終了です!!お疲れさまでした。

使用する弦について

今回使用した弦は、私のお気に入りであるディーンマークレー社のブルースティールという弦でした。

この弦は、押尾コータロー氏が一時期使用していたことで話題となりましたが、現在扱ってる店がほぼない為、入手出来ない状態です。

弦の太さですが、私は11-52のゲージ(ライトゲージ)を愛用。

押尾氏と同じ12-54を使用すると、音はコシがあって良いものの、手の小さい私はかなり指が疲れてしまうためです。

このように、手の小さな方や女性には、ライトゲージより細い弦の使用をオススメしています(例:エキストラライトゲージ、10-47/48等)。

ちなみに私のレッスンでは、女性や小さなお子様(小学生)には、エレキギターの弦をアコギに張る、という形をオススメしています。

アコギ弦の一番細いものより、エレキギターのやや細めの物の方がテンションが弱く、かなり押さえやすく感じるはず。

ギターを購入したお店で、「練習用にエレキ弦を張りたい」と伝え、そのためにネック調整を軽くしてもらえれば、何の問題もなく弾けますよ!
(音がビビるギターも中にはありますので、自己責任でお願いいたします)

まずは音が鳴った方が練習が楽しくなりますし、驚くほど押さえやすくなりますので、弦の押さえにくさに苦戦しておられる方は、是非一度試してみてくださいね。

アコギに張るオススメのエレキギター弦は、エリクサーというエレキギターメーカーの物。
テンションが柔らかく感じられるうえに、かなり長期間持ちます(殆どサビずに3カ月~半年近く使用できます)。
10-46

弦交換の頻度はどれくらい?

どれくらいの頻度で弦交換を行うかは、プロの間でもかなり個人差があります。
基本的な考えとしては、

  • サビてきたら交換(指が汚れやすくなる、1・2弦がザラついてくる、等)
  • チューニングが合いにくくなってきたら交換(弾いてるとすぐに音がおかしくなる)

こういった感じの症状が出始めたら交換、という感じです。

1日30分~1時間程度の練習を毎日する方で1~2カ月に1回、週に2,3回ギターを触る方で2~3カ月程度が目安となりますが、

  • 練習頻度
  • 弦をきちんと拭いているか
  • 湿度の高い場所に置いていないか

これらでも交換時期は変わってきます。

中には1年以上弦を交換せずに弾いている方もおられますし、定期的に1カ月に1回は交換するという方もおられますので、予算も含めてご自身に合うペースを見つけてくださいね。

ちなみに我々ギター講師は、2週間~1カ月に一度+ライブ前やリハーサル(長時間の時)前に交換するため、かなり交換頻度は高めです。
これは、長時間ギターを弾く職業の為、弦がダメになるのもそれだけ早いからです。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

今後の長いギターライフ、弦を交換する機会は非常に多いはず。

自分で行えるようになれば色々とメリットも多いので、頑張ってみてくださいね!(^^)

コメント

  1. 岡陽平 より:

    めちゃくちゃわかりやすかったです!ありがとうございました

    • Angler Ogi Angler Ogi より:

      岡様

      当ブログへのご訪問とコメント、ありがとうございます!

      そう言って頂けて嬉しいです、頑張って書いたかいがありました。(^^)
      これからもギターを楽しんでくださいね!

      Angler Ogi

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