こんにちは、ギター講師のAngler Ogiです。
突然ですが、このページを見ておられるあなた。
アコギのバレーコード、苦戦しておられませんか??
ギターを始めた方のうち、およそ半数の方がバレーコードを鳴らすことが出来ず挫折していくと言われており、最初の壁として皆さまの前に立ちはだかるのです。
しかしなんと!!
そのバレーコード、省略できます。
今回の記事では、バレーコードを使用しなくてもコードが成立する、画期的な省略コードの数々をご紹介!是非、参考にしてみてくださいね!!
↓今回の記事はこんな内容です↓
- バレーコードについて詳しく解説!どこがつらいのかに注目!
- バレーコードはイヤだ!出来れば避けたい、簡単な方が嬉しいという方向け。
- 有名なFやBm7の省略から、Bsus4やC♯m7といった少しコアなところもご紹介!
- バレーコード以外の押さえ方に興味がある方へ向けて、省略フォームを多数公開!
それでは早速見ていきましょう!
↓【今回の記事に登場する省略コードは!?】 ↓
- F関連・・・ F、F7、F△7、Fm、Fm7、Fsus4、F♯m7
- B関連・・・B(B♭)、Bm7、B7、Bsus4
- 番外編・・・Cm
そもそもバレーコードって?
バレーコードというのは、FやBがその代表格。人さし指を5~6本の弦にまたぐように配置し、一度に全ての弦を押さえる(ように見える)コードの総称です。
私はプロギター講師をおよそ10年ほどやっておりますが、アコギ初心者の方から、必ず受ける質問があります。それが・・・
先生!バレーコードが鳴りません!
簡単な押さえ方、ありませんか!?手が辛いです。
というものです。
実際バレーコードは非常に辛いコードですし、ずっと弾いていると左手が疲れるため、何とかして楽をしたいものです。
しかし実際には、Fコード=1・2・6弦、Bコード=1・5弦のみを人さし指で押さえているため、厳密には全ての弦を指1本で押さえているわけではないのです。
ただ現実的には、指で弦を覆うようにしないと押さえるのが不可能なため、結果として「人さし指で弦を6(5)本押さえる」なんていう事がおこるのですが、この人さし指が問題となります。
徐々に体勢がしんどくなったり、指がつりそうになったり、そもそも全然鳴ってくれなかったり・・・。
心が折れるのが先、という方が後を絶ちません。
そこで登場するのが、今回ご紹介する省略コードの数々。実はバレーコードにこだわらず、下記3点に重きをおくのです。
- 和音を構成する音がきちんと入っている
- コードの働きが似たものに置き換える
- 異弦同音を上手く利用する(1弦の開放弦と、2弦の5Fなど)
そもそもコードとは、日本語で言うと和音のこと。コードFであれば、構成しているのはファ、ラ、ドの3音。Bmであれば、シ、レ、ファ♯の3音。
実は、この構成音がきちんと入っていれば、バレーコードを解除できるのです!!
また、コードには1つずつ働きが存在するのですが、同じ働きのコードであれば置き換えてもそれほど違和感がありません。
また、アコギの場合は開放弦を上手く利用することで、バレーコードの恐怖から逃れられるのです。
では、どんな押さえ方になるのか?次の項目で見ていきましょう!
☆Fの一族~省略コード~
最もよく出てくるバレーコードと言っても過言ではない、Fコード。
また、F△7(Fmaj7/FM7)やFm、Fsus4あたりもかなりの難敵です。
省略コードであれば、以下のような形に変化します。
〇F(メジャー)
通常のF(一般的なバレーコード)の構成音は、低い所(6弦)から順に、ファ・ド・ファ・ラ・ド・ファ。
省略コードの押さえ方は2つあります。
Fその1(高音が目立つ)
こちらの押さえ方であれば、構成音は低音からファ・ラ・ド・ファとなります。
4弦=薬、3弦=中、2・1弦=人さし指(セーハ)で押さえます。
ポイントは以下の3つです。
- 親指をネックの上から出すようにして、2フレット辺りで6弦をミュート。
- 薬指(4弦)はやや上の方を押さえるようにして、指先で軽く5弦に触れてミュート。
- グーをキュッと握るように、手のひら全体で力を加える。
Fその2(低音強め)
こちらの押さえ方の構成音は、低音から ファ・ド・ファ・ラとなります。
6弦=人、5弦=薬、4弦=小、3弦=中指で押さえます。
ポイントは以下の2つです。
- 親指はネックの裏から押すようにする。
- 人さし指の指先で6弦を押さえ、人さし指のお腹部分で1・2弦をミュート。
〇F7とF△7
F7は省略コードがハイポジションとなる為、最初のうちはF7そのものを省略し、Fで代用しても構いません。
・F7(Fセブンス)
こちらの押さえ方の構成音は、低音から ファ・ラ・ミ♭・ファとなります。
5弦=薬、4弦=中、3弦=小、2弦=人さし指で押さえます。
ポイントは以下の4つです。
- Cのコードをそのまま移動させ、薬指が8フレットに来るようにする。
- 親指は7フレット辺りで上に出して、6弦をミュート。
- 人さし指を軽く寝かせ気味にして、1弦をミュート。
- グーを握る感覚で軽く力を加える。
・F△7(Fメジャーセブンス)
楽譜によってはFmaj7やFM7と表記されているものもありますが、プロミュージシャンの間ではF△7で通っています。
爽やかな響きが特徴で、Fと働きが似ている為、Fの代わりに用いることも出来ます。(メロディとぶつからないように注意が必要です)
一般的なF△7はバレーコードではありませんが、押さえるのが非常に大変です。
その構成音は、低い所(6弦)から順に、ファ・ド・ファ・ラ・ド・ミ。
こちらの押さえ方は、構成音は低音からファ・ラ・ド・ミ。
4弦=薬、3弦=中、2弦=人さし指で押さえます。
ポイントは、以下の3つ。
- 親指をネックの上から出すようにして、2フレット辺りで6弦をミュート。
- 薬指(4弦)はやや上の方を押さえるようにして、指先で軽く5弦に触れてミュート。
- 人さし指は立て気味にして、グーを握るように力を加える。
ちなみに、1弦の音が鳴らなければ、それはファ・ラ・ドという構成音となり、Fとなる点も面白いところ。
〇FmとFm7
この2つのコードは働きが非常に近い上、響きもかなり似ている為、慣れないうちはどちらか片方でも大丈夫です。
・Fm(Fマイナー)
通常のFm(一般的なバレーコード)の構成音は、低い所(6弦)から順に、ファ・ド・ファ・ラ♭・ド・ファ。
省略コードの場合は ファ・ラ♭・ド・ファ。 4弦=薬、3~1弦=人でセーハ、となります。
ポイントは以下の4つです。
- 親指は2フレットの上辺りから出し、6弦をミュート(5弦までミュートも可)。
- 薬指(4弦)はやや上の方を押さえるようにして、指先で軽く5弦に触れてミュート。
- 人さし指は1フレットの近くに配置。
- 親指の付け根をネックに押し当てるようにして力を加える。
・Fm7(Fマイナーセブンス)
通常のFm7(一般的なバレーコード)の構成音は、低い所(6弦)から順に、ファ・ド・ミ♭・ラ♭・ド・ファ。
省略コードの場合は ファ・ミ♭・ラ♭・ド・ファ。 6弦=親、4~1弦=人でセーハ、となります。
省略コードであっても押さえにくい為、手が小さな方はFmのフォームを利用してみてくださいね。
Fm7のポイントは以下の3つです。
- 親指と人さし指で輪っかを作るイメージでネックに巻き付ける。
- 親指か人さし指、届く方の指で5弦をミュート。
- 手のひらをネックに押し付けるようにして力を加える。
〇Fsus4(Fサスフォー)
Fの手前に入っていることが多い、クッションの役割を果たすコードです。
これがないと少々味気ない感じになるので、是非ともマスターしたいところ。
通常のFsus4(一般的なバレーコード)の構成音は、低い所(6弦)から順に、ファ・ド・ファ・シ♭・ド・ファ。
押さえ方は2つあります。
Fsus4その1(高音が目立つ)
こちらの押さえ方であれば、構成音は低音からファ・シ♭・ド・ファとなります。
4弦=薬、3弦=小、2・1弦=人さし指(セーハ)で押さえます。
ポイントは以下の3つ、F(1つ目)と同じです。
- 親指をネックの上から出すようにして、2フレット辺りで6弦をミュート。
- 薬指(4弦)はやや上の方を押さえるようにして、指先で軽く5弦に触れてミュート。
- グーをキュッと握るように、手のひら全体で力を加える。
Fsus4その1(低音強め)
こちらの押さえ方の構成音は、低音から ファ・ド・ファ・シ♭となります。
6弦=人、5弦=中、4弦=薬、3弦=小指で押さえます。
ポイントは以下の3つです。
- 親指はネックの裏、真ん中よりやや下にして押すようにする。
- 人さし指の指先で6弦を押さえ、人さし指のお腹部分で1・2弦をミュート。
- 人さし指以外の3本の指は、出来るだけ近づけるように。
〇F♯m7(Fシャープマイナーセブンス)
曲のキー(メインとなるコード)がDやAの時、比較的よく見かけるコードです。
コイツさえいなければ!という風に思われた方も多いはず。
通常のF♯m7(一般的なバレーコード)の構成音は、低い所(6弦)から順に、ファ♯・ド♯・ミ・ラ・ド♯・ファ♯。
省略コードの押さえ方は2つありますが、純粋なF♯m7から。 (F♯mと働きが非常に近いので、F♯mの時も使えます)
純粋なF♯m7
こちらの押さえ方の構成音は ファ♯・ラ・ミ・ラ・ド♯・ミ。6弦をミュートにすればAのコードとまったく同じになります。
押さえ方は2パターンありますので、使いやすい方を選んでくだいね。
ちなみにどちらとも、5弦がミュートになってしまっても大丈夫です。
- 6弦=親、4弦=中、3弦=薬、2弦=小。親と中で輪っかを作る感じ。
- 6弦=人、4弦=中、3弦=薬、2弦=小。親を下げておき、他の指は纏める。
オシャレなF♯m7(F♯m7(11))
YUIのGood bye Daysのイントロでも使用されている、F♯m7(11)というコードです。
6弦をミュートするとAadd9というコードのフォームと一致。
2弦の開放弦が入ることで、独特の響きになるため、愛用するアーティストも多くいます。
こちらの押さえ方の構成音は ファ♯・ラ・ミ・ラ・シ・ミ。
こちらの押さえ方も2パターンありますので、使いやすい方を選んでくだいね。
このコードも、5弦がミュートになってしまっても大丈夫です。
- 6弦=親、4弦=中、3弦=薬。親と中で輪っかを作る感じ。
- 6弦=人、4弦=中、3弦=薬。親を下げておき、他の指は纏める。
★Bの一族~省略コード~
Fと双璧を成すバレーコード、Bコード。
正直なところ、私がギターを始めたときは、Fよりも圧倒的な難関でした(特にBsus4)。
早速見ていきましょう。
〇B(メジャー)
正直なところ、このコードは画期的な押さえ方はありません。
一応開放弦を利用して鳴らす方法はあるのですが、こちらも少々押さえにくいのです。
通常のB(一般的なバレーコード)の構成音は、低い所(5弦)から順に、シ・ファ♯・シ・レ♯・ファ♯。
省略コードの押さえ方は2つあります。
ほぼバレーと同じB
1弦を弾かない以外は、通常のバレーと同じになるフォームです(構成音も同じ)。
ただ、これだけでも随分負担が軽減されるので、比較的オススメなやり方です。
押さえ方は、5弦=人、4弦=中、3弦=薬、2弦=小指で押さえるか、4~2弦までを薬指や小指でセ-ハしてもOKです。
ちなみにこちらのフォーム、人さし指が1フレットに来るように押さえればB♭、6フレットに来るようにすればE♭になったりと、応用が利くフォームでもあります。
押さえ方のポイントは以下の3つ。
- 人さし指は5弦と6弦の間に置くイメージで、6弦をミュート。
- 中・薬・小は出来るだけ纏めて、スタンプを押すようなイメージで弦をとらえる。
- 親指はネックの裏に回し、押すようにして力を加える。
Bのローコード
開放弦を利用し、かつ5フレット以下で押さえるコードをローコードと呼びます。
実はBにもローコードが存在します。それがこちら。
同業の講師達も知らない人がいたりする押さえ方で、スタジオミュージシャンの方がたまにフィンガーピッキングで使用するフォームです。
構成音は低い方(5弦)から、シ・レ♯・シ・ファ♯。
少々変わった印象になりますが、こちらは3弦のミュートが比較的難しいので、ご興味ある方はチャレンジしてみてくださいね。
押さえ方はどの指でも大丈夫ですが、5弦=中、4弦=人、2弦=薬指が比較的押さえやすいと思います。(4弦がミュートにならないよう注意が必要です)
押さえ方のコツは、以下の3つ。
- 中指の先端で6弦、人さし指の腹で3弦をミュート。
- 中指はアーチ状に、人さし指はやや寝かせ気味にする。
- 手首を軽くひねるようにして力を加える。
〇Bm7とBsus4
比較的よく見かける難敵2つです。
特にBm7は使用頻度がかなり高いので、Bm7をクリアすれば一気に弾ける曲が増えます!
・Bm7(Bマイナーセブンス)(B7も追加)
通常のBm7(一般的なバレーコード)の構成音は、低い所(5弦)から順に、シ・ファ♯・シ・レ・ファ♯。
押さえ方は、5弦=中、3弦=薬、1弦=小指です。
5弦を人さし指にする方法もありますが、よく似たコードであるB7の際、4弦1フレットに人さし指を置くことになる(下記参照)ので、5弦は中指でいきましょう。
押さえ方のポイントは以下の4つ。
- 親指を2フレットの上の辺りに持ってきて、6弦をミュート
- 親指と中指で輪っかを作るようなイメージで。
- 6弦以外の開放弦は全て鳴るように、指をアーチ状にする。
- 親指が届かない場合は、中指の先端を5弦と6弦の間に置くようにし、6弦をミュート。
・Bsus4(Bサスフォー)&応用でC♯m7(C♯マイナーセブンス)
おそらくバレーコードの中でも一、二を争う難敵、Bsus4。
その理由は通常のバレーフォームが2~5フレットを使用するところにあります。
ところが、そんな難敵にも、シンプルなフォームがあるのです!!それがこちら。
このフォームを知った時、私は感動に震えました。(笑)
通常のBsus4の構成音は、低い所(5弦)から順に、シ・ファ♯・シ・ミ・ファ♯。
こちらの押さえ方の場合は、 シ・ファ♯・シ・シ・ミ 。
そう、2弦と3弦が同じ音になるのです。
使用する指は僅か3本。
5弦=人、4弦=薬、3弦小指。エレキギターで使用するパワーコード(厳密にはomit3と言います)に、開放弦が追加された形です。
押さえるポイントは、1,2弦の開放弦が鳴るように指を立てるくらいで、非常に押さえやすいフォームです。
ちなみに、全ての指をそのまま2フレット分(人差し指が4フレットに)移動させると、C♯m7となるのも見逃せません。
通常のC♯m7の構成音はド♯・ソ♯・シ・ミ・ソ♯ですが、この場合は ド♯・ソ♯・ド♯・シ・ミとなり、2,3弦の高低関係が逆転、非常にカッコいい響きとなります。
その特徴的な響きから、Bsus4とC♯m7をセットにして、miwaのDon’t cry anymoreのサビでも使用されている他、秦基博さんの “Q&A”のイントロやサビなどでも使用されています。
番外編・Cm(Cマイナー)にも省略フォームがある!
あまり知られていないのですが、実はCmにも省略フォームがあることをご存知でしょうか。
そもそも登場する機会が少ないCmですが(多くはカポタストで対応できるキーで登場する)、知っておいて損はありません。
今回は特別にご紹介!!
こちらがCmのフォームです。
通常のバレーコードのCmの構成音は、低い音(5弦)から、ド、ソ、ド、ミ♭、ソ。
こちらだとド・ソ・ミ♭・ソとなります。
押さえ方は、5弦=人、2弦=薬、1弦=中指となります。
押さえ方のポイントは以下の3つ。
- 手首をヘッド側に張り出すようにし、手のひらは顔の方を向くようにする。
- 人さし指を5弦と6弦の間に配置し、斜めに突っ立てるようにして、先端で6弦をミュート。腹で4弦をミュートする。
- 親指は2フレットと3フレットの間辺りに配置しておき、グーを握るようにする。
ごく稀に、カポを使っていないときにCmは登場しますので(キーGの時に多い)、その際に使用してみてくださいね。
最後に
いかがでしょう、皆さんが困っておられるバレーコードの省略フォームは見つかりましたか??
今回ご紹介したフォームは、私のレッスンでもよく利用する、いわばプロ講師の虎の巻の一部です。
今曲が弾けずに困っておられる方は、一度バレーコードを置いておき、省略フォームで曲を弾いてみてはいかがでしょうか。
こういった省略フォームで練習しているうちに、徐々に手が鍛えられ、そのうちバレーコードは鳴るようになります。
それでは、楽しいギターライフを!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
↓私はこちらの教室でレッスンをしています!↓
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コメント
大変勉強になりましたありがとうございました。
ボブレノン様
当サイトへのご訪問とコメント、ありがとうございます!
お役に立てたようで、良かったです。
バレーコード、頑張ってくださいね!
応援しております!
Angler Ogi
失礼いたします。
省略コード、大変参考になりました。
ギターはたまに触りますが、バレーコードはつらいです。(音は鳴るのですが…キープするのが苦手です;)
これでギターへの苦手意識も減りそうですね。
またギター弾くときには参考に見に来ます。
>こはるおと様
当サイトへのご訪問&コメント、ありがとうございます!
ギターを弾く上で、やはりバレーコードは辛いですよね。
ですがやはり本来のギターは楽しいものですし、
この記事でよりギターを楽しんで頂けたのであれば幸いです!
またのご訪問、お待ちしておりますね!
Angler Ogi