こんにちは、ギター講師のAngler Ogiです。
昨年辺りからフレットの削れが深刻化し、随分フレーズが弾きにくくなってきたマイギター。
約3年ぶりに、尼崎市東園田町にあるTUNE Guitar Maniacさんにお邪魔して、PLEK(プレック)によるフレット擦り合わせ&調整をお願いしてきました!
↓【今回の記事はこんな内容です】↓
- プレックによるギター調整について、詳しくレポート!(動画付き)
- プレックでフレットを擦り合わせると、評判を超える仕上がりに!?
- ギターリペアで悩んでいる方、プレックが気になる方にオススメの記事です!
そもそもPLEK(プレック)とは!?
プレックは、コンピューター制御による高機能リペアマシン。
ギターの状態を1/1000ミリ単位でスキャンして、ネックやフレットの状態を把握した後、コンピューター制御でフレットの擦り合わせ調整を行ってくれます。
日本でのプレックの取り扱いは、今回お世話になった(尼崎市にある)TUNE Guitar Maniacさんが先駆者的存在。
詳しくはこちら(TUNE Guitar Maniacさんのページに飛びます)
私が初めてお店を訪れた2015年当時はまだ日本に数えるほどしかなく(TUNEを含めて国内に2~3台)、非常に貴重な器械でした。
本日お世話になったリペアマンの月森さん曰く、2020年現在は日本に10台ほど導入されているのではないか、とのお話です。
今回はマイギターを調整して頂きつつ、ブログ用の撮影を快く引き受けてくださいました、ありがとうございます!
こちらがプレックのマシン。
エレキギターは勿論、アコギやベース(多弦含む)にも対応しているそう。
この左サイドに制御する専用機とモニターがあり、そちらで色々な情報を見ることが出来ます。
まずはプレックでスキャンデータのチェック
今回持ち込んだマイギターですが、
ご覧の通り、本来半円形のような形になっているはずのフレットが、所々真っ平になるまで削れています。
ハイポジションではチョーキング&ビブラートを多用する上、ローポジションを押さえた時に絶えず弦が触れる場所なので、このように削れるようですね。
ローポジションはローコード、ミドルポジションはメロ弾きだけでなくカッティングでもよく使用するため、部分的に大きく抉れているのが判ります。
ハイポジション(12~17フレット)を引きで見てみると、面白いくらいに平たい・・・。(苦笑)
このような状態なので、滑らかに弾くのがしんどくなったわけです。
お店に持ち込んで軽く見て頂いた後に、「まずはこちらを~」と見せて頂いたのが・・・なんと3年ほど前に調整して頂いた直後の、当時のマイギターのネックデータ!
この調整後が非常に弾きやすかったため、出来る限りこの状態に近づけてもらえるよう、調整を行います。
マシンにギターをセットし、早速スキャン開始!
弦を張ったまま、プレックのマシンが機械制御でスキャンしていきます。
この中央の突起の部分が、ネックとフレットに触れるように動くことで、表面の凹凸とネック状況を検知してくれるようです。↓
数分もしないうちにスキャンが終わり、画面上にデータが映し出されました。
こちらが現在のデータ(1弦付近)。
3年前のデータと比較してみると、このような感じに。↓
削れが比較的緩やかな1弦部ですが、それでも数値が満遍なく減少しているのが判ります。
講師という職業柄、あらゆるフレットを使用するためにこのようなバランスのいい削れ方をしたようで、「すごくきれいに弾いておられる」とお褒め頂きました。(嬉)
また、調整などを一切行っていないにも関わらず、なんとネックは3年前の状態からほぼそのまま。
これはネックの作りが非常に良いためだそうで、野外ライブや発表会等で酷使したとは思えません。
こういったところでもオーダーメイドギターの良さを痛感します。
大阪の豊中氏にあるリバイブギターズというショップ製で、故人である矢野店長入魂のネックです!
とはいえ、1弦だけでもこれだけの削れがみられ、特に削れが大きいとされる3弦は割とガタつきが多かったので、月森さんのプロリペアマンの目で、削る数値を設定して頂きます。
当然弦やフレット毎に使用頻度が違うため、抉れ方も様々ですが、この画面入力でどのフレットをどれくらい削るかを全て調整できてしまうんです!
今回はローフレットは2回削り、ミドル~ハイフレットは3回削り程度で、抉れが大きかった部分をより丁寧に削るような形となりました。
状態が悪いものでは、10回程度削ることもあるそうです。
いよいろプレックでフレット擦り合わせ開始!
一度マシンを開けて弦を外した後、数値入力に従ってフレットの擦り合わせが始まります。
このパーツが高速回転して、
こんな感じで、フレットのみを綺麗に削っていきます。↓
削っている作業中、モニターには・・・
このように、現在何フレットを削っているかが判るよう、数値が表示されます。
この場合は、「 現在は10フレットを削っていて、2回目の削り作業中(3回予定)」という意味になるそう。
1回辺りの削る時間は2~3秒と非常に速いため、撮影している間にもどんどん作業は進んでいきます。
↑やはりミドルポジションより上は、軒並み3回削りとなっていました。
ハイフレットを削っている時は、上からなので削っている様子がよく見えます。↓
1・2回目はサラっと削っている印象でしたが、削れがきつい箇所や最後の1回は、時間をかけてじっくり削っているような感じでした。
こうして削り作業が終わると、
再び削れ具合を自動でチェック。
これで一旦、マシンからギターを取り出します。
すると・・・?
フレットはピッカピカに!!
とはいえ、本当に「数値通り削っただけ」の状態ではあるので、最終的な作業はやはり職人の手作業になります。
リペアマンの手により、最高の状態に!
一見綺麗に削り終わったように見えるフレットでも、触ってみると所々凹凸が残っています。
それをより滑らかなものにするため、TUNE Guitar Maniacさんでは、↑のように丁寧に磨き直してくださるのです。
お忙しい中でも、適宜手を止めて撮影させてくださいました。
楽しく雑談させていただきつつも、的確に道具を選び、丁寧に仕上げてくださいます。
フレットが磨き終わった後は、指板をオイルでピカピカに磨いて下さり・・・
見事、マイギターのフレット&指板が蘇りました!!
こちらが、プロリペアマン月森さんオススメの指板オイル。
余分な香りもついておらず、指板も非常にしっとり(だけどベタつかない)するのでオススメだそうです!
BIGBENDS / FRET BOARD JUICE 1oz
その後、持ち込んだ弦を張って頂くタイミングで、本来の09-42ではなくサブギター用の09-46を持ってきてしまったことが発覚・・・。(苦笑)
ネックの調子が変わってしまうためにどうしようかと頭を抱えたら、お店にある在庫で対応してくださいました!
本当にありがたいです。
ナットに溜まっていた僅かな汚れを取り除く調整を施され、一度試奏すると・・・
ほぼ買ったばかりのような感触に!!
個人的な好みとして、最近の曲に合わせて1~2弦のみテンションを下げて柔らかめという調整をオーダー。
弦留めパーツを1つ増やして頂き、これで理想の弾き心地となりました!
ちなみにこの時使っておられたドライバーですが、
お判りいただけるでしょうか。
実はこの2つ、元は全く同じデザインだったそうです。
専門学校に行っておられるときから使用し続けた結果、このようにゴムグリップが削れて変形していったんだとか。
今では完璧なまでに手に馴染むとの事で、まさに職人さんといった感じです。
最後にもう一度プレックスキャン
ここまで仕上がったら、最後に再度スキャン。
さっと通すだけなので、数分で終了し・・・
ガタついていたフレットは、データで見ても非常に滑らかな状態となりました。
こちらは削れやすいとされる3弦付近。
予想通り、既にフレット高が1mmを切っているものの、上手くいけばもう一回くらいはプレックを通せるのではないか、とのこと。
プレックでは0.7mmまでは削ることが出来るとの事です!
通常フレットの擦り合わせ&ネック調整は、ショップに入院させてから1週間~1カ月程度待たないといけないのが通例。
ところがプレックだと、わずか2時間程度で非常に良い状態に仕上げて頂いて、価格はなんと14300円!
速い上に、本当に良心的な価格設定ではないでしょうか。
プレックについてのまとめ
こうして私のエレキギターは、見事に蘇りました。
TUNE Guitar Maniacさんでプレックをやってみたい!と思われたら、是非一度プレック特設サイトをご覧ください。
TUNE Guitar Maniacさんのサイトに飛びます↓
こちらのページ下部に、詳しい料金表やお問い合わせフォームが設置されており、とてもわかりやすくなっています。
バリバリのネックで弾き続けると大きなストレスに繋がりますし、私も「もっと早く行きたかった!」というのが正直なところ。
来店の際は、現在人気のため1カ月待ちの状況ですので、早めにメールしましょう!
是非、あなたのその目で、PLEK≪プレック≫の凄さを体験・体感してみてくださいね!!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
↓今回プレックでお世話になったギターはこちら↓
↓プロ講師が考える上手いエレキギタリスト↓
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