池や田んぼで日本産の水草を採集するには!?

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こんにちは、先日からメダカ飼育を始めたAngler Ogiです。

メダカ飼育に欠かせないものと言えば、やはり水草
ショップに行けばあらゆる水草が求めやすい価格で販売されています。

私は10年ほど前まで二桁の水槽を所持し多数の熱帯魚・日淡・海水魚を飼育していたのですが、今回は水草も含めて全て採集物で揃えるというテーマのもと、水槽を立ち上げました。

今回の記事では、水草の採集についてのハウツーを中心にご紹介していきます。

Ogi
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私有地・国有地・保護施設等での採集や、必要以上の量を採集することは絶対に止めましょう!
また今回の記事では、水槽内で沈水状態で育成が可能な種を水草と呼んでいます。

国産の天然水草はどこで採集できる?

水草を探す場合、候補となるポイントは以下の4つ。

  • 田んぼやその脇の水路、畦道
  • 池や沼
  • 湿地や休耕田

順に見てきます。

水草採集ポイント①、田んぼ

畔に雑草が沢山。水草も混じる。

最も安全に採集できるであろうポイントはやはり田んぼ。

水深やポイントへのアプローチ等を特に心配する必要が無いため、小さなお子さんと一緒に採集できます。

ただし、基本的に田んぼは管理している方がいる私有地のため、無断での侵入や採集は絶対に避けなければなりません

もし親戚が管理している田んぼが身近にある場合や、管理者の方に一声かけて採集の許可をもらった場合は、安心して採集を楽しむことが出来ます。

また、田圃脇の用水路(意外と深い水深に注意!)や畦道にも水草は生えているので、そういった場所も狙い目。

田んぼに生育するオモダカの仲間とアオウキクサ。

ビオトープ用の水草や植物を探している場合、こういった田んぼや用水路が一番のポイントと言えます。

狙いとなる水草
ウリカワ、ミズユキノシタ、チョウジタデ、オギノツメ、マツモ、シャジクモ、キカシグサ、マツバイ、ミズマツバ、ミズハコベ、ミゾハコベ、カヅノゴケなど
Ogi
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田んぼで採集した水草には農薬が付着している事がありますので、ご注意を!

水草採集ポイント②、川

自然状態に近い河川。

底が護岸化されていない川であれば多くの水草が発見できますし、護岸がされていても岩の隙間から水草が顔を出している、なんて事も!

街中から少し外れた場所を流れている泥底の小規模河川などは特に狙い目で、流れの緩やかな場所を覗けば大抵多くの水草が見られます。

ザリガニやコイが多い川は(食害のため)水草もあまりありませんが、そういった場合は少し上流まで足をのばせば普通に水草を発見できたりします。

ただ、雨天時は増水したりして危険ですし、「浅い」と思って入ってみたら意外と深かった!なんてこともありますので、くれぐれもご注意を!

アオハダトンボがコカナダモと思しき水草に産卵。
狙いとなる水草
オオカナダモ、コカナダモ、クロモ、セキショウモ、ヤナギモ、マツモ、エビモなど
Ogi
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川はその特性上常に水が流れている為、夏場でも干上がらない場所に生えている植物は高確率で水草(水中葉)となります。

水草採集ポイント③、池や沼

浮葉植物だらけの池。

兵庫県は灌漑用水用のため池の数が日本で一番多いのですが、こういった池や沼地には沢山の水草が見られます。

すり鉢状の形状になっている護岸化された池では水草よりもヒシやハスなどの浮葉植物が多くなりますが、水深の浅い泥底の皿池を狙えば、池の入り口付近で多数の水草が採集できます。

また、マツモやシャジクモといった水草はヒシ等に混ざって水面に漂っている事も多いため、安全な足場さえ確保出来れば、護岸化された池で多数の水草が発見できる事も。

ただし、「この池で遊ぶな」や「危険・進入禁止」等と書かれている看板がある場合、その池で過去に事故が起こったことを示唆しているので、絶対に止めておきましょう。

さらに、水を張る時期と重なってしまった場合は、池全体の水量が増えて入れない!なんて事があるのでご注意を。

カナダモの仲間が繁茂する池。
狙いとなる水草
オオカナダモ、コカナダモ、クロモ、ミズオオバコ、スブタの仲間、ホシクサ、ミズユキノシタ、マツモ、シャジクモ、チョウジタデ、キカシグサ、キクモ、ミズハコベ、ミゾハコベ、トリゲモの仲間、ヒルムシロの仲間等
Ogi
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池の縁や畦道に生えている雑草も、よく見れば(水上葉状態の)水草だった!という事があります。注意深く探しましょう。

水草採集ポイント④、湿地や休耕田

山中にある湿地。

私は長年趣味でトンボ観察を行っているのですが、多くのトンボが見られる湿地には、必ずと言っていいほど水草が繁茂しています。

湿地を見つけたら水草は採集出来たも同然ですが、そもそも湿地自体を見つけることが至難の業。
これは多くの湿地が(採集禁止の)管理地扱いとなっているためです。

確立の低い「管理地ではない湿地を探す」よりも、グーグルマップなどを使って、池の一部が湿地化している場所を探す方がより確実なので、遠浅になっている池を探してみましょう。

もしくは、田んぼが密集している場所から休耕田や廃棄田を探すのも一つの手。

湿地のように常時水がある場所ばかりではない為、ただの荒れ地となっている場合もありますが、もし水が溜まっているようであれば大チャンス。

労せずして多くの水草を採集できるかもしれません!

狙いとなる水草
ウリカワ、ホシクサ、ミズユキノシタ、チョウジタデ、キカシグサ、キクモ、ミズハコベ、ミゾハコベ、マツバイ、ミズマツバ、ヒメミズワラビなど
Ogi
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長年放置された休耕田はただの荒れ地と化し、水草が少ないだけでなく、野生動物が運ぶマダニが棲息している危険性も考慮しましょう!

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特定外来生物に指定されている種には要注意

日本国内でよく目にする水草でも、特定外来生物に指定されている水草は、飼育や輸送が禁じられています。

水草採集時に注意すべき種はこちらの4種。↓
(クリックすると外部リンクに飛びます)

これらの種のうち、オオフサモは昔ホームセンター等でよく販売されていましたし、ブラジルチドメグサは近縁種であるアマゾンチドメグサをよくショップ等で見かけます。

そのため、「熱帯魚ショップで取り扱ってる水草だ!」と安易に持ち帰ってしまうと大変なことになってしまうので、これらの外来種を採集してしまわないよう事前に調べておくなど、細心の注意を払いましょう。

水草採集に必要なもの

水草採集を行うにあたって、持参するものがこちらの9点。↓

  • 長靴/ウェーダー
  • サングラス/偏光サングラス
  • タオル
  • 虫よけスプレー
  • 日焼け止め
  • 柄が長めの網
  • プラケース
  • ビニール袋
  • クッキングペーパー

まずは服装ですが、汚れても良いシャツ・長ズボンに、かがんで作業する際に汗を拭くタオル(←これが地味に重要)。

水草が生えている場所はぬかるんだ場所が多かったり、廃棄田ではマダニ対策にもなる為、長靴は必須(ウェーダーでも可)。

また、夏場の水面の照り返しは結構キツイので、偏光サングラス があると目の保護に役立ちます。

蚊が多い場所では虫よけスプレーが役に立ちますし、肌の保護のために日焼け止めクリームも忘れずに塗っておきたいところ。

後は池で水面に浮いている水草(マツモなど)を採集する網に、

セリアで110円!素晴らしいクオリティ。

一時的に水草を入れるプラケースもあると便利。

特に写真のセリアのプラケースは、ケース本体だけでなく蓋部も造りが非常にしっかりしており中に水草と水を入れ、取手を持って持ち運んでもビクともしないため、重宝しています。

そして、車で水草を持ち帰る際は・・・

水漏れ防止にプラケースに入れれば安心。

たっぷりの水で湿らせたクッキングペーパーで柔らかく水草を巻き、ビニール袋に投入後空気を入れて軽く密閉すれば、柔らかい水草でもカンタンに輸送できるのでオススメです。

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狙いの水草を決める

採集ポイントにある程度目星が立ち、採集道具が揃い、特定外来生物4種の事前インプットが終わったら、次は狙いの水草を決めます。

田んぼは多くの水草が見られる反面、常時水が張ってあるわけではないので、カナダモやセキショウモといった純粋な水草(沈水植物)はほぼ望めません。

また、池は環境によって生育する植物も全く違うので、欲しい水草の生育環境をある程度調べてからポイントを検討するといったように、順序を逆にする必要もあります。

今回私が水槽へ導入したい!と思い、狙った水草(&狙う場所)がこちら。
(カッコ内はショップ等での流通名)

  • ウリカワ(サジタリア)→田んぼの周囲
  • ミズユキノシタ(ルドウィジア・オバリス)→池や田んぼの周囲
  • キカシグサ(ロタラ・インディカ)→池や田んぼの周囲
  • カヅノゴケ(リシアの仲間)→水路
  • ミズオオバコ→水質の良い池
  • セキショウモ(バリスネリアの仲間)→水質の良い池や河川、水路
  • マツバイ(ヘアーグラスの仲間)→池や田んぼ
  • クロモ/オオカナダモ→池や川

和名はご存じない場合でも、カッコ内の流通名は知っている!という方も多いのではないでしょうか。

ショップで販売されている水草のうち、東南アジア圏で採集・栽培されている水草の仲間は日本にも自生しているのです!!

上記に挙げた水草のうち、カヅノゴケ・ミズオオバコ・セキショウモは貴重種に当たる為見つかるかどうか判りませんが、一先ず条件に合致するのは、田んぼ脇の水路(畔)と池。

このように狙いが定まれば、後はフィールドに出てひたすら探すだけ!!

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採集水草は同定が非常に難しい

上記に挙げた水草は、私自身が「おそらく現物を見れば同定可能」と判断した種。

フィールドに棲息する水草は常に厳しい自然環境にさらされており、その環境に適応すべく、水中葉水上葉の姿が存在するのです。

沈水性の水草であるセキショウモやオオカナダモ等は常に水中にある為ほぼ姿が変わりません。(基本的に水中葉/沈水葉だけ)

しかし、キクモやミゾハコベ等のように水中から水上に展開する水草には沈水葉・気中葉・浮葉と様々な形態があります。

しかも周囲の環境により、葉の形や茎の伸ばし方を変える種も存在するため、池の水没するか否かの場所に生えている水草の同定は困難を極めることも・・・

今後私がご紹介する水草も誤同定があるかもしれません、あしからず・・・!

次の記事では、いよいよフィールドに出て水草を探していきますので、ご期待ください!!

フィールドでの水草採集の様子はこちら↓

アクアリウム関連、随時更新中!↓

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